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破壊
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「えー。もういいよ。俺戦いには向いてないし」
と外を見ると大きな街が見えてきた。
「あの街?」
「ええ。中にはこの人数なので入りませんが、奏太様と私達は街の中へ入ります。スカーフを身につけておいてください」
「これ夏は暑いよねきっと……」言われるままにつけて支度をしていると、馬車が止まり街まで馬で行くという。
「みんなはどうするの?」
少し離れたところに天幕を張るというので、馬に乗って門を目指す。
「うわぁ、門が大きい……」
「この街は城と草原の民の間にある一番大きな街です」
送ってくれた兵が教えてくれたのでお礼を言い、門のところに並ぶ。
「王子様、王族はいちいち並ばなくても……」
「みんな並んでるからつい……」
「こちらです。話してきますのでノア様とスフィ様とお待ちください」
守衛のいる部屋があるのか、そこまで行くのを見ていると、転がり出てくると言うのがぴったりなくらい慌てて出てきて案内してくれると言う。
「では、明日の朝またお迎えにあがります」
兵が帰っていったので着いていくと、真っ白な建物の一つに案内される。
「ここに街を管理している大臣が居られます」
「街の中心に?」
「この街は円形ですので、一番わかりやすい場所にと作られております」
門番に敬礼され中に入ると、スフィが『何か臭う……元の大きさに戻りたい』と言うので許可する。
念話はノアにも聞こえているので左手で剣を握り何があってもいいようにしているが、大臣の御前だからと武器の持ち込みは遠慮してもらいたいと言われ、それに対してノアが拒否し、スフィも威嚇しているようにも見えたので、「おじさん誰?」と返って呑気に聞いてみることにした。
「私はこの街を収めておる大臣である。王子の滞在と聞きわざわざ出迎えにここに居る」
王の間を小さくしたような部屋の真ん中に玉座のようなものがありふんぞり返っているが、その周りに漂っている甘酸っぱい匂いがとても気になる。
「俺たち街の宿に泊まるんで……一応挨拶をと思っただけで……」
「ならば宿は手配いたそう」
「ご心配なく。もう決めてありますので。では失礼致します」
そう言って部屋を後にし宮殿のような作りの門の前に立って見上げる。
「あの匂いなんだったのかな?ちょっとクラクラしたけど。スフィ大丈夫だった?」
「我らは嗅覚が鋭い。流石にあの匂いは息を止めておらねばこちらがおかしくなる」
「あれは多分、麻薬の一種ですね。なにか混ぜてあったように思いますが、甘酸っぱいあの匂いは一番癖の悪いものだったかと」
「それに……周りに誰もいなかったし、おかしくない?」
「そうですね。でも調べる前にちょっと買い物に行ってもよろしいですか?」
ノアが寄ったのは薬屋。
幾種類かの葉を調合してもらって代金を払い、宿に行きましょうと言われる。
「宿って決まってないよね?」
「はい。あそこでは嘘を……ですが、王族御用達の宿があるはずですのでそこに行こうかと思うのですが」
任せると言って付いていくと、また豪華な建物の前に着いた。旗には天界の国旗のようなものが掛けてあり、裕福層が泊まる宿ではあったがスフィがなかなか入ろうとしない。
「スフィ?」
「ここもあの匂いで溢れておる」
「ノア、普通の宿にしよう。このスカーフがあれば王子って分かるんだよね?」
「そうですが……ほかの宿でスフィが室内に入れるとは限りません」
「何とかなるよ」
町の中心から路地に入って奥に行くと、古びた宿が1軒あり、外には馬が繋がれていた。
「流石にここでは……」
「良いから。聞いてみようよ」
カランカランと鐘の音がし、新聞を読んでいた宿の親父と目が合うと同時に、カウンターから出てきて平伏される。
と外を見ると大きな街が見えてきた。
「あの街?」
「ええ。中にはこの人数なので入りませんが、奏太様と私達は街の中へ入ります。スカーフを身につけておいてください」
「これ夏は暑いよねきっと……」言われるままにつけて支度をしていると、馬車が止まり街まで馬で行くという。
「みんなはどうするの?」
少し離れたところに天幕を張るというので、馬に乗って門を目指す。
「うわぁ、門が大きい……」
「この街は城と草原の民の間にある一番大きな街です」
送ってくれた兵が教えてくれたのでお礼を言い、門のところに並ぶ。
「王子様、王族はいちいち並ばなくても……」
「みんな並んでるからつい……」
「こちらです。話してきますのでノア様とスフィ様とお待ちください」
守衛のいる部屋があるのか、そこまで行くのを見ていると、転がり出てくると言うのがぴったりなくらい慌てて出てきて案内してくれると言う。
「では、明日の朝またお迎えにあがります」
兵が帰っていったので着いていくと、真っ白な建物の一つに案内される。
「ここに街を管理している大臣が居られます」
「街の中心に?」
「この街は円形ですので、一番わかりやすい場所にと作られております」
門番に敬礼され中に入ると、スフィが『何か臭う……元の大きさに戻りたい』と言うので許可する。
念話はノアにも聞こえているので左手で剣を握り何があってもいいようにしているが、大臣の御前だからと武器の持ち込みは遠慮してもらいたいと言われ、それに対してノアが拒否し、スフィも威嚇しているようにも見えたので、「おじさん誰?」と返って呑気に聞いてみることにした。
「私はこの街を収めておる大臣である。王子の滞在と聞きわざわざ出迎えにここに居る」
王の間を小さくしたような部屋の真ん中に玉座のようなものがありふんぞり返っているが、その周りに漂っている甘酸っぱい匂いがとても気になる。
「俺たち街の宿に泊まるんで……一応挨拶をと思っただけで……」
「ならば宿は手配いたそう」
「ご心配なく。もう決めてありますので。では失礼致します」
そう言って部屋を後にし宮殿のような作りの門の前に立って見上げる。
「あの匂いなんだったのかな?ちょっとクラクラしたけど。スフィ大丈夫だった?」
「我らは嗅覚が鋭い。流石にあの匂いは息を止めておらねばこちらがおかしくなる」
「あれは多分、麻薬の一種ですね。なにか混ぜてあったように思いますが、甘酸っぱいあの匂いは一番癖の悪いものだったかと」
「それに……周りに誰もいなかったし、おかしくない?」
「そうですね。でも調べる前にちょっと買い物に行ってもよろしいですか?」
ノアが寄ったのは薬屋。
幾種類かの葉を調合してもらって代金を払い、宿に行きましょうと言われる。
「宿って決まってないよね?」
「はい。あそこでは嘘を……ですが、王族御用達の宿があるはずですのでそこに行こうかと思うのですが」
任せると言って付いていくと、また豪華な建物の前に着いた。旗には天界の国旗のようなものが掛けてあり、裕福層が泊まる宿ではあったがスフィがなかなか入ろうとしない。
「スフィ?」
「ここもあの匂いで溢れておる」
「ノア、普通の宿にしよう。このスカーフがあれば王子って分かるんだよね?」
「そうですが……ほかの宿でスフィが室内に入れるとは限りません」
「何とかなるよ」
町の中心から路地に入って奥に行くと、古びた宿が1軒あり、外には馬が繋がれていた。
「流石にここでは……」
「良いから。聞いてみようよ」
カランカランと鐘の音がし、新聞を読んでいた宿の親父と目が合うと同時に、カウンターから出てきて平伏される。
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