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破壊
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キィ__
「スフィ?」
「すまぬ、匂いに……」
ドサッと倒れ、とにかく近くの長椅子にと寝かせて、ノアが薬を飲ませる。
「あの大臣の住まいから薬が……色々な店に出回っておる……金、薬が……大臣に」
「いいからとにかく水も飲んで。すぐに良くなるから」
「あの、よければ毛布を……」
「奥様ですか?有難うございます。申し訳ありませんが、水差しありませんか?」
「すぐお持ちします」
持ってきてもらった水差しで少しずつ飲ませ、呼吸が落ち着いたところで、申し訳ないがもう少しここで様子を見させてほしいと頼み、残りの食事を済ませる。
コーヒーが出てきたので飲みながら、スフィを見ていると、「わんわん?」と小さな女の子が覗いていた。
「こんばんわ。ワンワンじゃないけど、狼って知ってる?」
「おーかみ?」
「そうだなぁ、ワンワンに似てるよ?動物好き?」
「しゅき!」
「これ、お客様の前ですよ!」
「良いですよ。名前は?」
「ねう、にちゃい」
「すいません、まだ言葉がはっきりと話せなくて。ネルといいます。ネル、王子様たちにご挨拶して」
スカートの端を持ってぺこりとお辞儀をして「ねうでしゅ」と挨拶してくるので、頭を撫でてもう遅いけど眠くない?と聞く。
「わんわん居るの見るの」
「朝には元気になってるからその時遊ぼうね」
「あい」
可愛く返事をして奥に行ったので寝に行ったのだろうとスフィを見る。
「大丈夫かな……」
「明日1日泊まりましょう。追加代金を支払って、サムさんを呼んできます」
「うん、お願い」
宿屋の主人に追加金を払い、一人増えると告げてノアが念話でサムを呼ぶ。
三十分もしないうちに入ってきて、馬を頼むと主人に言い、何があったのか聞かれる。
わかる範囲で話をし、兵には申し訳ないがスフィの回復を待ちたいと話して部屋に運んでもらう。
一階の食堂で他に客もいなかったので、宿の夫婦を呼んで話を聞くことにした。
「あの塔のような大臣の城ができたのはつい最近なんです。元々この街は荷馬車が通れるほど道も広く、活気がありました。それが数年前から工事が始まり、新しい建物がどんどんと出来て、この宿も壊される寸前でしたが、なんとか持ちこたえて……」
「バーなどで甘酸っぱい匂いを嗅いだことはありませんか?」
「それは……」
「何か知ってるの?知ってたら教えてくれないかな?」
「我々が話をするとネルが……」
「私は幻界から天界の王子の従者としてきました。称号的には王子と同等の権限を持っています。王子は王と同等の権限を。なのであなた方家族は必ずお守りすると約束します。それに、匂いについてはこの街全体……麻薬の売買があるのではないですか?」
「ご存知でしたか」
「大臣のところでの匂いにいくつかのバーや宿屋での匂い。おかしいと思わない方がおかしいのです。あれは中毒性も高く、我々はすぐに薬屋で調合した薬を飲んで常備しましたが、いつまでも薬で何とかなるものではありません。スフィも探りに行って匂いに当てられたのでしょう」
「ノア様、スフィ殿の意識が戻りました」
「ありがとうございます。今、その話をしているところです。サムさんも聞いておいてください」
「スフィ?」
「すまぬ、匂いに……」
ドサッと倒れ、とにかく近くの長椅子にと寝かせて、ノアが薬を飲ませる。
「あの大臣の住まいから薬が……色々な店に出回っておる……金、薬が……大臣に」
「いいからとにかく水も飲んで。すぐに良くなるから」
「あの、よければ毛布を……」
「奥様ですか?有難うございます。申し訳ありませんが、水差しありませんか?」
「すぐお持ちします」
持ってきてもらった水差しで少しずつ飲ませ、呼吸が落ち着いたところで、申し訳ないがもう少しここで様子を見させてほしいと頼み、残りの食事を済ませる。
コーヒーが出てきたので飲みながら、スフィを見ていると、「わんわん?」と小さな女の子が覗いていた。
「こんばんわ。ワンワンじゃないけど、狼って知ってる?」
「おーかみ?」
「そうだなぁ、ワンワンに似てるよ?動物好き?」
「しゅき!」
「これ、お客様の前ですよ!」
「良いですよ。名前は?」
「ねう、にちゃい」
「すいません、まだ言葉がはっきりと話せなくて。ネルといいます。ネル、王子様たちにご挨拶して」
スカートの端を持ってぺこりとお辞儀をして「ねうでしゅ」と挨拶してくるので、頭を撫でてもう遅いけど眠くない?と聞く。
「わんわん居るの見るの」
「朝には元気になってるからその時遊ぼうね」
「あい」
可愛く返事をして奥に行ったので寝に行ったのだろうとスフィを見る。
「大丈夫かな……」
「明日1日泊まりましょう。追加代金を支払って、サムさんを呼んできます」
「うん、お願い」
宿屋の主人に追加金を払い、一人増えると告げてノアが念話でサムを呼ぶ。
三十分もしないうちに入ってきて、馬を頼むと主人に言い、何があったのか聞かれる。
わかる範囲で話をし、兵には申し訳ないがスフィの回復を待ちたいと話して部屋に運んでもらう。
一階の食堂で他に客もいなかったので、宿の夫婦を呼んで話を聞くことにした。
「あの塔のような大臣の城ができたのはつい最近なんです。元々この街は荷馬車が通れるほど道も広く、活気がありました。それが数年前から工事が始まり、新しい建物がどんどんと出来て、この宿も壊される寸前でしたが、なんとか持ちこたえて……」
「バーなどで甘酸っぱい匂いを嗅いだことはありませんか?」
「それは……」
「何か知ってるの?知ってたら教えてくれないかな?」
「我々が話をするとネルが……」
「私は幻界から天界の王子の従者としてきました。称号的には王子と同等の権限を持っています。王子は王と同等の権限を。なのであなた方家族は必ずお守りすると約束します。それに、匂いについてはこの街全体……麻薬の売買があるのではないですか?」
「ご存知でしたか」
「大臣のところでの匂いにいくつかのバーや宿屋での匂い。おかしいと思わない方がおかしいのです。あれは中毒性も高く、我々はすぐに薬屋で調合した薬を飲んで常備しましたが、いつまでも薬で何とかなるものではありません。スフィも探りに行って匂いに当てられたのでしょう」
「ノア様、スフィ殿の意識が戻りました」
「ありがとうございます。今、その話をしているところです。サムさんも聞いておいてください」
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