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奈良へ__
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しおりを挟むちょっと兄弟みたいと思ってしまったなんて絶対に言ってやるもんか!
それから何事もなく、土曜の始発で奈良まで行くのに駅まで行くと、やはり改札で足が止まる迦具土。
「切符通すだけなのに……」
「わ、わかってる!が、吸い込まれる時いつ手を離したらいいか分からないんだよ」
「あー、確かにそれはあるかも」
迦具土に切符だけはとってと言って改札に切符を通してから背中を押し、その後に自分も改札をくぐる。
「電車は前にも乗ったから大丈夫だ。俺が飛んでいけば近いんだが……」
「兄貴にはこの電車の時間教えてあるから、乗り換えで会えるよ。俺も新幹線で着くところなら迷わないけど、行ったことないところの乗り換えは迷うかも」
途中の大きな駅で降り、乗り換えの場所が多すぎる!と待ち合わせに指定していた番号の書いてあるところの下で兄貴を待つ。
「すまん、待ったか?」
「ちょっと前に着いたところ。兄貴、荷物は?」
「リュックに着替え一組で足りるだろ?飯は食ったか?」
「出かける時におにぎり食べただけ」
そう言うと、慣れているのか着いてこいと言われて着いたのはお弁当売り場。
「美味しそう」
「やっぱ、ひつまぶしが多いな」
「こっちに松阪牛の弁当もあるが……」
それぞれ好きなものを買い、新幹線で行くのかと聞くと、近鉄線で行くという。
「新幹線でもいいんだが乗り換えはしないといけないし、高い!大阪の難波まで行ってから乗り換えだからこの特急に乗るぞ」
「調べたの?」
「まぁ……な。弟が迷子になったら俺の責任にされちまう」
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