2 / 102
東風荘
.
しおりを挟む
中のお金を出すときっちり百万円の束が。
どうしようと思っていたら、那智・秋彪・玲からも封筒が渡される。
「皆さんお茶が入りました……あ!ずるいです。はい、私からもです」
四人……四匹?
四人でいいかと思い直し、受け取れませんと言うと、家が建ったら渡そうと思っていた入学祝いだと言われてしまったので、ありがとうございますと受け取る。
「雪翔、買い物に行くなら狐を貸すが」
「大丈夫です。買っても組み立ててもらわないといけないと思うので、配達にします。いつもありがとうございます」と那智にお礼を言う。
そうか?とぶっきらぼうだが、いつも一番に声をかけてくれる。
「荷物どうしましょう?もう運びます?」
「あ、家具が来てからでもいいですか?」
「それもそうよね」
「この家、トイレ二つあるじゃん。冬弥さん、かなり気を使ったんじゃない?ほら、あの五右衛門風呂までしっかりと最新式に変わってるし」と母屋の案内で見たのだろう。
確かにキッチンは最新式。冷蔵庫も大きいものに変えてある。
「これ、昨日届いたんです。だからまだ何も入っていなくて。それにご飯は下宿で食べるし、ここでキッチンとか使うことないと思うんですけど」
「ん?俺達が来た時に、つまみ作ってくれるんだろ?栞さんが」
「玲様!わ、私も下宿住まいなので……」
「休みの日はこっちで過ごしたらいいじゃん」
「でも……」
「あの、栞さんが良かったらお昼とか夜とか一緒にご飯食べれませんか?」
「な?まだ雪翔は甘えたがる時期なんだよ。栞さんそれでもダメって言う?」
「い、言いません……」
「良かったな!」
いつもこうして言ってくれる秋彪にも感謝してるが、何故かお酒を漁って飲んでいくのは那智と玲なので、冬弥が帰ってきたら怒られやしないかとひやひやする。
「まだ十五時だけど買い物行くのか?」
「どうしよう?行ったら夕飯の手伝いできないし」
「行ってこい。全部配達して貰えばいい。紫狐……」
「はい、那智様」
「人型になってついて行きなさい。大金を子供が持ってると怪しまれる。大人の型で行ったほうがいい」
「畏まりました」
「じゃあ、部屋ができたら呼んでくれよな」とみんな帰っていったので栞を見ると、「本当は嬉しいんでしょ?支度はいいから行ってきて。車に気をつけるのよ?」と言ってくれる。
「はい。行ってきます」
カバンを下宿に置いてから着替えて、近くに出来た家具専門店へと行く。
テレビのCMでするくらい、値段以上にいい物があるのかなと店内に入り、まずは学習机を見る。
小学生じゃないから、少しはおしゃれなものが欲しい。デスクも種類が沢山あり、見ているだけで迷ってしまうが、出来れば専門学校にも行きたいのでまだ勉強も沢山しなければならない。安くもなく高くもなく、長持ちしそうなものを見ていく。
全て濃い色で仕上がっていたが、壁紙は白だったので、無難に白にしようかとも思ったが、それではつまらない。
机は後にしようとベッドコーナーへ行く途中、いくつかのモデルルームを思わせるような小さな部屋がいくつもあったので見ていく。
そこに置いてあったベッドが部屋の色と同色だったので、それにしようとベッドコーナーへといき、同じものを探す。
値段を見るとちょっと高いなと思ったが、長く使うものなのでそれに決め、店員を呼ぶ。
ベッドにマットレス。サイズもシングルからキングまで豊富に揃っている。
「しーちゃんどうしよう?」
「これからまだ背も高くなると思うから、このワイドダブルは?」
「大きくないかな?」
「こちらですとダブルよりも少し大きくなり、ゆったりと寝れると思いますよ?本来はご夫婦が選ばれることが多いのですが、部屋が広いのであれば邪魔にはならない大きさですし、男性にも人気の大きさです」と店員が言ってくれる。
「あの、これとよく似た色で机が欲しいんですけど有りませんか?」
「こちらは、いくつかシリーズになっていますのでありますよ。こちらです」
付いていくと、さっきのベッドと同じシリーズと書いてあり、机の上にも棚のようなものがついている。
どうしようと思っていたら、那智・秋彪・玲からも封筒が渡される。
「皆さんお茶が入りました……あ!ずるいです。はい、私からもです」
四人……四匹?
四人でいいかと思い直し、受け取れませんと言うと、家が建ったら渡そうと思っていた入学祝いだと言われてしまったので、ありがとうございますと受け取る。
「雪翔、買い物に行くなら狐を貸すが」
「大丈夫です。買っても組み立ててもらわないといけないと思うので、配達にします。いつもありがとうございます」と那智にお礼を言う。
そうか?とぶっきらぼうだが、いつも一番に声をかけてくれる。
「荷物どうしましょう?もう運びます?」
「あ、家具が来てからでもいいですか?」
「それもそうよね」
「この家、トイレ二つあるじゃん。冬弥さん、かなり気を使ったんじゃない?ほら、あの五右衛門風呂までしっかりと最新式に変わってるし」と母屋の案内で見たのだろう。
確かにキッチンは最新式。冷蔵庫も大きいものに変えてある。
「これ、昨日届いたんです。だからまだ何も入っていなくて。それにご飯は下宿で食べるし、ここでキッチンとか使うことないと思うんですけど」
「ん?俺達が来た時に、つまみ作ってくれるんだろ?栞さんが」
「玲様!わ、私も下宿住まいなので……」
「休みの日はこっちで過ごしたらいいじゃん」
「でも……」
「あの、栞さんが良かったらお昼とか夜とか一緒にご飯食べれませんか?」
「な?まだ雪翔は甘えたがる時期なんだよ。栞さんそれでもダメって言う?」
「い、言いません……」
「良かったな!」
いつもこうして言ってくれる秋彪にも感謝してるが、何故かお酒を漁って飲んでいくのは那智と玲なので、冬弥が帰ってきたら怒られやしないかとひやひやする。
「まだ十五時だけど買い物行くのか?」
「どうしよう?行ったら夕飯の手伝いできないし」
「行ってこい。全部配達して貰えばいい。紫狐……」
「はい、那智様」
「人型になってついて行きなさい。大金を子供が持ってると怪しまれる。大人の型で行ったほうがいい」
「畏まりました」
「じゃあ、部屋ができたら呼んでくれよな」とみんな帰っていったので栞を見ると、「本当は嬉しいんでしょ?支度はいいから行ってきて。車に気をつけるのよ?」と言ってくれる。
「はい。行ってきます」
カバンを下宿に置いてから着替えて、近くに出来た家具専門店へと行く。
テレビのCMでするくらい、値段以上にいい物があるのかなと店内に入り、まずは学習机を見る。
小学生じゃないから、少しはおしゃれなものが欲しい。デスクも種類が沢山あり、見ているだけで迷ってしまうが、出来れば専門学校にも行きたいのでまだ勉強も沢山しなければならない。安くもなく高くもなく、長持ちしそうなものを見ていく。
全て濃い色で仕上がっていたが、壁紙は白だったので、無難に白にしようかとも思ったが、それではつまらない。
机は後にしようとベッドコーナーへ行く途中、いくつかのモデルルームを思わせるような小さな部屋がいくつもあったので見ていく。
そこに置いてあったベッドが部屋の色と同色だったので、それにしようとベッドコーナーへといき、同じものを探す。
値段を見るとちょっと高いなと思ったが、長く使うものなのでそれに決め、店員を呼ぶ。
ベッドにマットレス。サイズもシングルからキングまで豊富に揃っている。
「しーちゃんどうしよう?」
「これからまだ背も高くなると思うから、このワイドダブルは?」
「大きくないかな?」
「こちらですとダブルよりも少し大きくなり、ゆったりと寝れると思いますよ?本来はご夫婦が選ばれることが多いのですが、部屋が広いのであれば邪魔にはならない大きさですし、男性にも人気の大きさです」と店員が言ってくれる。
「あの、これとよく似た色で机が欲しいんですけど有りませんか?」
「こちらは、いくつかシリーズになっていますのでありますよ。こちらです」
付いていくと、さっきのベッドと同じシリーズと書いてあり、机の上にも棚のようなものがついている。
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる