14 / 102
学校
.
しおりを挟む
那智に話したことをそのまま伝えると、隆弘は何か考えていたが、那智達が戻ってきたので話はそこで止まってしまった。
「今から治療だそうだ。歩けるか?」
「はい……あれ?」
布団をめくると右膝が紫色になっており、動かそうとしても重くて動かせない。そのことを伝えるとベッドごとの移動となり、肋と肩甲骨、左腕は折れており、膝はヒビが入っていると言われた。
「全くよく帰宅できたものだ。少し痛いけど我慢して」
医者に言われるままギプスをされ、膝も固定されて左腕は三角巾でつられ、重症患者のようになってしまった。
診察室にみんなが呼ばれこのまま入院するか、飲み薬で自宅で休みながら通院するかと聞かれ、全員が入院と言った中、帰ると言い張った。
「雪翔、帰っても動けないだろう?」
「右手使えるし、学校も行くよ?テストもあるもん」
「早乙女君、流石にそれは……」
「エレベーター有りますよね?車椅子用の。それ使えませんか?」
「確か、怪我や病気の場合でも通学できる場合、使用許可となっていたと思いますが」と隆弘が補足してくれる。
「校長に聞かないと何とも……」
後は帰ってからやってくれと、医者が一週間は安静にすることと、熱が出るだろうから薬をちゃんと飲むこと。急変したらすぐ病院に来ることと言い、車椅子と歩行器を借りて帰れる事になった。
「先生、明日の朝10時に診断書をもって学校へ伺います。相手の親御さんにも来て頂くよう連絡をお願いします」と、まだ名前も言っていなかったのに、三人の名前が言われ、学校の都合など知らないと押し切られ、トボトボと先生は帰っていった。
「では、私は診断書をもらってから帰りますので」と那智と分かれる。
「カッコイイ人だよな。いつ見ても」
「スーツだからかな?」
「あれは男の憧れだわ」
「もう、それよりも雪翔君を早く連れて帰らないと。もし吐いたらすぐに病院ですって先生が言ってたわ。食事は普通でいいって言われたけど、お腹すいてる?」
「あんまり。喉がすごく乾くかな」
「コンビニに寄って帰ろう」
隆弘がポカリスエットとミネラルウォーター、冷えピタなどたくさん買ってくれ、ポカリは薄めて飲むことと言われて何故か栞が頷く。
家に着くと堀内から話が行ったのだろう。みんなが板の間にいて、大丈夫かと聞いてくる。
隆弘が状態を話すと、下宿の段差が車椅子ではきついだろうからと、増築した部屋で寝起きすることになった。
部屋からみんなが必要な分だけ荷物を運んでくれ、飲み物も部屋の冷蔵庫に入れてくれた。
「えっと、教科書……」
「ダメだ。今日と明日は寝ろ!出来はいいんだから、ちょっとは休め」と賢司に言われ教科書はしばらく見るなと言われてしまった。
「俺も見たくない!」
「お前は見ろ!穴が開くほど見ろ!それか雪翔に教えてもらえ。こいつの参考書もう3年の後期分まで進んでるぞ?」
「嘘……マジで?」
「うん、分からない所もたくさんあるけど。こう言った時パソコンがあれば調べられるのにって思う」
「欲しいけど、ここインターネット繋がってないんだよなー」
「そうなの?」
「うん、だからネットは無理!冬弥さん付けてくれないかな」
「電話も黒電話だから無理かも……」
「昭和だ……」
「今から治療だそうだ。歩けるか?」
「はい……あれ?」
布団をめくると右膝が紫色になっており、動かそうとしても重くて動かせない。そのことを伝えるとベッドごとの移動となり、肋と肩甲骨、左腕は折れており、膝はヒビが入っていると言われた。
「全くよく帰宅できたものだ。少し痛いけど我慢して」
医者に言われるままギプスをされ、膝も固定されて左腕は三角巾でつられ、重症患者のようになってしまった。
診察室にみんなが呼ばれこのまま入院するか、飲み薬で自宅で休みながら通院するかと聞かれ、全員が入院と言った中、帰ると言い張った。
「雪翔、帰っても動けないだろう?」
「右手使えるし、学校も行くよ?テストもあるもん」
「早乙女君、流石にそれは……」
「エレベーター有りますよね?車椅子用の。それ使えませんか?」
「確か、怪我や病気の場合でも通学できる場合、使用許可となっていたと思いますが」と隆弘が補足してくれる。
「校長に聞かないと何とも……」
後は帰ってからやってくれと、医者が一週間は安静にすることと、熱が出るだろうから薬をちゃんと飲むこと。急変したらすぐ病院に来ることと言い、車椅子と歩行器を借りて帰れる事になった。
「先生、明日の朝10時に診断書をもって学校へ伺います。相手の親御さんにも来て頂くよう連絡をお願いします」と、まだ名前も言っていなかったのに、三人の名前が言われ、学校の都合など知らないと押し切られ、トボトボと先生は帰っていった。
「では、私は診断書をもらってから帰りますので」と那智と分かれる。
「カッコイイ人だよな。いつ見ても」
「スーツだからかな?」
「あれは男の憧れだわ」
「もう、それよりも雪翔君を早く連れて帰らないと。もし吐いたらすぐに病院ですって先生が言ってたわ。食事は普通でいいって言われたけど、お腹すいてる?」
「あんまり。喉がすごく乾くかな」
「コンビニに寄って帰ろう」
隆弘がポカリスエットとミネラルウォーター、冷えピタなどたくさん買ってくれ、ポカリは薄めて飲むことと言われて何故か栞が頷く。
家に着くと堀内から話が行ったのだろう。みんなが板の間にいて、大丈夫かと聞いてくる。
隆弘が状態を話すと、下宿の段差が車椅子ではきついだろうからと、増築した部屋で寝起きすることになった。
部屋からみんなが必要な分だけ荷物を運んでくれ、飲み物も部屋の冷蔵庫に入れてくれた。
「えっと、教科書……」
「ダメだ。今日と明日は寝ろ!出来はいいんだから、ちょっとは休め」と賢司に言われ教科書はしばらく見るなと言われてしまった。
「俺も見たくない!」
「お前は見ろ!穴が開くほど見ろ!それか雪翔に教えてもらえ。こいつの参考書もう3年の後期分まで進んでるぞ?」
「嘘……マジで?」
「うん、分からない所もたくさんあるけど。こう言った時パソコンがあれば調べられるのにって思う」
「欲しいけど、ここインターネット繋がってないんだよなー」
「そうなの?」
「うん、だからネットは無理!冬弥さん付けてくれないかな」
「電話も黒電話だから無理かも……」
「昭和だ……」
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる