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盛夏
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流石に海やプールは疲れると昼寝をしに行き、クーラーをつけて横になると、背中がひりひりするので、洗面所に見に行くと顔まで真っ黒だった。
「こんなに焼けたの初めてかも」
顔を洗ってベッドに戻り、横になっているといつの間にか寝ていた。
起きていくと、まだ海都は寝ていると言われ、夕飯の支度を手伝う。棟梁が台を作ってくれたので、車椅子のままでも野菜などは切れるし、手伝うぶんには困ることは無かった。
「雪翔君、ハムときゅうり切っておいてね、今日は冷やし中華だから」
「うん」
ザルから冷えたきゅうりを取り出し、斜めに切ってから縦に細く切っていく。ハムも細切りにしてお皿に載せると、卵が来たのでそれも切り、あとはいいと言われたので、手を洗ってから板の間に上がる。
「栞さん、やっぱり僕……学校行きたいな」
「えぇ?まだお医者さんがいいって言ってないし……那智様にも相談しないと」
「ダメって言われてるもん」
「そうねぇ、まだまだ時間はあるからゆっくり考えましょう?ね?」
「分かった……」
夕飯を食べ終わってから隆弘の部屋に行き、パソコンの説明書でわからない所を聞くと、設定してくれると言うので部屋まで来てもらい、ホームページに検索できる大手サイトを貼り付けてもらう。
「良かった。何度やってもできなくって……」
「以外に面倒だからなぁ。でも、これですぐ画面が出るから楽になると思うぞ」
「ありがとう。それで……」
「なんだ?」
「あ、お茶のむ?」と誤魔化して冷蔵庫からお茶を取り出して氷を入れたグラスに入れて渡す。
ソファに腰掛けてどう言おうか迷っていると、学校か?と聞かれる。
「海で同級生に会って、新学期から来れるといいねって。でも、みんな行かなくていいって言うし……」
「そうだな。無理していかなくてもいいとは思うし、高卒の試験も今はあるから大学にも行ける。中退しても事故なら、仕事に就いても何も言われないと思うしってみんなで考えてた。だが、俺はどっち付かずでもあるんだよ」
「え?」
「たしかに今は治すことが先決だし、まだ何も終わってないよな?」
「うん」
「雪翔は思い出すのは怖いか?」
「怖い……でも、思い出せるのなら知りたいとも思う」
「キツイかもしれなくても?」
「自分のことだから……」
「よし!明日は学校まで見に行ってみるか?少しずつ慣らしても良いかもしれないし」
「連れてってくれるの?」
「内緒だぞ?それに見るだけだからな?」
「分かった!ありがとう」
明日の朝涼しい時間に行くことを決めて隆弘は部屋に戻り、手すりに捕まってお風呂に入る。
風呂から出ると紫狐が金と銀を連れて怒った顔で立っていた。
「しーちゃん?」
「行っちゃダメです!」
「知りたいんだ……」
「紫狐は那智様たちとお約束があるのです!学校には行かせてはいけないって!」
「お願い!見るだけだから……隆弘さんもいるし平気だよ。無理はしないから!」
「紫狐は那智様にご報告です!ま、前も……もっと早くに言っていればと後悔してます!」
金と銀まで連れて姿を消したので、絶対に来る!と思ってビクビクしていたが、遅くなっても那智は来ず、紫狐も帰ってこない。
「明日の朝かなぁ?」
仕方なく薬を飲んでから横になり、起きるともう明るくなっていた。
「こんなに焼けたの初めてかも」
顔を洗ってベッドに戻り、横になっているといつの間にか寝ていた。
起きていくと、まだ海都は寝ていると言われ、夕飯の支度を手伝う。棟梁が台を作ってくれたので、車椅子のままでも野菜などは切れるし、手伝うぶんには困ることは無かった。
「雪翔君、ハムときゅうり切っておいてね、今日は冷やし中華だから」
「うん」
ザルから冷えたきゅうりを取り出し、斜めに切ってから縦に細く切っていく。ハムも細切りにしてお皿に載せると、卵が来たのでそれも切り、あとはいいと言われたので、手を洗ってから板の間に上がる。
「栞さん、やっぱり僕……学校行きたいな」
「えぇ?まだお医者さんがいいって言ってないし……那智様にも相談しないと」
「ダメって言われてるもん」
「そうねぇ、まだまだ時間はあるからゆっくり考えましょう?ね?」
「分かった……」
夕飯を食べ終わってから隆弘の部屋に行き、パソコンの説明書でわからない所を聞くと、設定してくれると言うので部屋まで来てもらい、ホームページに検索できる大手サイトを貼り付けてもらう。
「良かった。何度やってもできなくって……」
「以外に面倒だからなぁ。でも、これですぐ画面が出るから楽になると思うぞ」
「ありがとう。それで……」
「なんだ?」
「あ、お茶のむ?」と誤魔化して冷蔵庫からお茶を取り出して氷を入れたグラスに入れて渡す。
ソファに腰掛けてどう言おうか迷っていると、学校か?と聞かれる。
「海で同級生に会って、新学期から来れるといいねって。でも、みんな行かなくていいって言うし……」
「そうだな。無理していかなくてもいいとは思うし、高卒の試験も今はあるから大学にも行ける。中退しても事故なら、仕事に就いても何も言われないと思うしってみんなで考えてた。だが、俺はどっち付かずでもあるんだよ」
「え?」
「たしかに今は治すことが先決だし、まだ何も終わってないよな?」
「うん」
「雪翔は思い出すのは怖いか?」
「怖い……でも、思い出せるのなら知りたいとも思う」
「キツイかもしれなくても?」
「自分のことだから……」
「よし!明日は学校まで見に行ってみるか?少しずつ慣らしても良いかもしれないし」
「連れてってくれるの?」
「内緒だぞ?それに見るだけだからな?」
「分かった!ありがとう」
明日の朝涼しい時間に行くことを決めて隆弘は部屋に戻り、手すりに捕まってお風呂に入る。
風呂から出ると紫狐が金と銀を連れて怒った顔で立っていた。
「しーちゃん?」
「行っちゃダメです!」
「知りたいんだ……」
「紫狐は那智様たちとお約束があるのです!学校には行かせてはいけないって!」
「お願い!見るだけだから……隆弘さんもいるし平気だよ。無理はしないから!」
「紫狐は那智様にご報告です!ま、前も……もっと早くに言っていればと後悔してます!」
金と銀まで連れて姿を消したので、絶対に来る!と思ってビクビクしていたが、遅くなっても那智は来ず、紫狐も帰ってこない。
「明日の朝かなぁ?」
仕方なく薬を飲んでから横になり、起きるともう明るくなっていた。
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