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全ての始まりと終わり
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鉛筆を借りますと、問題用紙と鉛筆を渡され、丸をふった問題だけでいいから解いてくれと言われ、机でスラスラと問題を解いていく。
「採点お願いします」
担任がまた持っていくと、数学教師が入ってきて頭を下げる。
「えっと、早乙女君だね?君は塾にいってたのかな?」
「行ってません」
「自宅学習?」
「はい……」
「誰かに習ってたとか?」
「参考書見て勉強してただけで、今は三年の後期の問題集をしてます」
「数学だけ?」
「全教科……」
「えっとね、この問題もできるかな?」
「図形……」
鉛筆を渡されたのでそれも解いて渡すと、何故か興奮している数学教師が、校長に「全問正解です!このテスト赤点ギリギリの生徒ばかりだったんですよ!全部正解はこの早乙女くんだけです!この学力を潰すのには惜しい逸材ですよ!」
それを聞き満足したのか、冬弥が「そうでしょう?あなたはよく分かってらっしゃる」
「お父さん……ですか?」
「ええ」
「彼にいくつかテストをさせても構いませんか?」
「良いですよ?」
違う部屋にと言われ、栞が付き添ってくれる。
進学コースの先生達が数学教師から話を聞き、前期のテスト問題の解く問題に丸をつけて、国語・化学・英語・世界史と渡される。
「各教科、三年進学コースのみんなが間違えた問題。早乙女くんに解けるかやってみてもらいたいんだ」
「えっと……」
「もちろん君は一年生だから、解けなくて当たり前って前提だよ?一年で塾に行っている子でもまだ二年生まで進んでないと思うんだけど、やってみてくれる?」
「はい」
鉛筆と消しゴムを渡され、会議室の机が少し高いなと思いながらも10分ほどですべて解いて先生に渡すと、各教科の先生が「全問正解だわ……」「化学もだよ」「世界史も……」と驚いている。
「もしかしたらこの子各教科で一番……総合でも一番取れるんじゃないですか?大学もいいところに入れると思いますよ?」
「君はどの教科が好きなのかな?」
「英語はちょっと苦手で……数学や世界史と国語は好きです」
「俺はこれを校長に持っていくよ。君は学校に来たい?」
「はい、でも車椅子だから……」
「そんなの関係ないさ。さ、行こうか」
校長室に戻り、数学教師が解いた教科が全て正解だったと、興奮して話している。
弁護士にも見せ、「これは、かなりの難易度と思いますが……」とみんなが驚いているが、毎日繰り返しやってきていたことなので、自分だけが特に驚くことは何も無かった。間違ったらどうしようと思いはしていたが、学力を測ってもらえたことは素直に嬉しい。
何故か三年の先生達も参加して話し合いが行われ、校長も九月から同じクラスで登校しても良いと、エレベーターの許可もしてくれた。
「ほんとに?」
「先生達からお願いがあるんだけど……」
「何ですか?」
「君が病院のない日でいいから、放課後に1時間先生達の授業を受けてくれないかな?」
「え?」
「いいですよ?その代わりこちらも条件があります」
「何でしょう?」
「必ずこの子をほかの生徒から守ってください。特別に授業を受けるとなると、ほかの生徒からも苦情が来るでしょう?」
「校長、一学期の遅れを取り戻す補習との形で許可してもらえませんか?」
「う、うむ、良いだろう」
「それとですね、後は担任と校長と弁護士での話なので我々は引き上げますが、数学の先生でしたねぇ」
「はい、そうですが」
「あなたのお陰で雪翔はまだ勉強できることになりました。ありがとうございます」
「私は何も。ただこの子の学力は素晴らしい。どこまで伸びるのか見てみたいと……」
「宜しくお願いします」
「先生有難う御座いました」
「新学期待ってるよ!」
「採点お願いします」
担任がまた持っていくと、数学教師が入ってきて頭を下げる。
「えっと、早乙女君だね?君は塾にいってたのかな?」
「行ってません」
「自宅学習?」
「はい……」
「誰かに習ってたとか?」
「参考書見て勉強してただけで、今は三年の後期の問題集をしてます」
「数学だけ?」
「全教科……」
「えっとね、この問題もできるかな?」
「図形……」
鉛筆を渡されたのでそれも解いて渡すと、何故か興奮している数学教師が、校長に「全問正解です!このテスト赤点ギリギリの生徒ばかりだったんですよ!全部正解はこの早乙女くんだけです!この学力を潰すのには惜しい逸材ですよ!」
それを聞き満足したのか、冬弥が「そうでしょう?あなたはよく分かってらっしゃる」
「お父さん……ですか?」
「ええ」
「彼にいくつかテストをさせても構いませんか?」
「良いですよ?」
違う部屋にと言われ、栞が付き添ってくれる。
進学コースの先生達が数学教師から話を聞き、前期のテスト問題の解く問題に丸をつけて、国語・化学・英語・世界史と渡される。
「各教科、三年進学コースのみんなが間違えた問題。早乙女くんに解けるかやってみてもらいたいんだ」
「えっと……」
「もちろん君は一年生だから、解けなくて当たり前って前提だよ?一年で塾に行っている子でもまだ二年生まで進んでないと思うんだけど、やってみてくれる?」
「はい」
鉛筆と消しゴムを渡され、会議室の机が少し高いなと思いながらも10分ほどですべて解いて先生に渡すと、各教科の先生が「全問正解だわ……」「化学もだよ」「世界史も……」と驚いている。
「もしかしたらこの子各教科で一番……総合でも一番取れるんじゃないですか?大学もいいところに入れると思いますよ?」
「君はどの教科が好きなのかな?」
「英語はちょっと苦手で……数学や世界史と国語は好きです」
「俺はこれを校長に持っていくよ。君は学校に来たい?」
「はい、でも車椅子だから……」
「そんなの関係ないさ。さ、行こうか」
校長室に戻り、数学教師が解いた教科が全て正解だったと、興奮して話している。
弁護士にも見せ、「これは、かなりの難易度と思いますが……」とみんなが驚いているが、毎日繰り返しやってきていたことなので、自分だけが特に驚くことは何も無かった。間違ったらどうしようと思いはしていたが、学力を測ってもらえたことは素直に嬉しい。
何故か三年の先生達も参加して話し合いが行われ、校長も九月から同じクラスで登校しても良いと、エレベーターの許可もしてくれた。
「ほんとに?」
「先生達からお願いがあるんだけど……」
「何ですか?」
「君が病院のない日でいいから、放課後に1時間先生達の授業を受けてくれないかな?」
「え?」
「いいですよ?その代わりこちらも条件があります」
「何でしょう?」
「必ずこの子をほかの生徒から守ってください。特別に授業を受けるとなると、ほかの生徒からも苦情が来るでしょう?」
「校長、一学期の遅れを取り戻す補習との形で許可してもらえませんか?」
「う、うむ、良いだろう」
「それとですね、後は担任と校長と弁護士での話なので我々は引き上げますが、数学の先生でしたねぇ」
「はい、そうですが」
「あなたのお陰で雪翔はまだ勉強できることになりました。ありがとうございます」
「私は何も。ただこの子の学力は素晴らしい。どこまで伸びるのか見てみたいと……」
「宜しくお願いします」
「先生有難う御座いました」
「新学期待ってるよ!」
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