下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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全ての始まりと終わり

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「どうしたんですか?」

「なに、すぐに帰るんじゃよ。役所仕事が回ってきて、京弥の代わりにお使いじゃ」

「びっくりした……」

「夕飯一人分増えましたねぇ」

「そう言うな。それと、お前にも預かりものじゃ」と風呂敷を渡している。

「誰からですか?」

「昴じゃ。儂の弟子みたいなもんだから、聞いてやらんとのぅ」

「本じゃないですよね?」

「こちらにいるもののリストと言えばわかると言っておった。仙もいまは動きにくいらしくてな、代わりにお前がやれと言っておったぞ?」

「またこれですか……終わったら使いを出します」

「ご飯食べたら帰るの?」

「今回はな。またゆっくり来る」

「あのね、僕学校に行けるんだよ!」

「ほう、それは良かったのぅ。しっかりと勉強せねばな」

「うん」

四人で下宿まで戻ると宅配の人がちょうど来て、受け取りのサインをしてからみんなで中に運ぶ。

「誰から?」

「隆弘と賢司の家からです。米と根菜類ですね……嬉しいんですけど重くて……」

そう言いながらもパンパンの袋二つを片手で持ち、玄関を開けて中に運んでいる。

「力持ち……」

「儂もそのくらいは昔ならできたが、今はやめておこうかの」と小さい箱の方を持って中に行く。

「栞さん、海都君が何か送ってくれるって言ってたよね?」

「明日あたりじゃないかしら?また賑やかになるわね」

「うん」

「じゃあ、明後日はみんな揃うから夕飯は何にしようかしら……」

「これからも栞さんが作るの?」

「基本は冬弥様でしょうけど、私もいつも通りに手伝うわよ?」

中に入って薬を飲んでから、買ってもらったカバンの中に那智から貰ったお守りを付ける。

頓服と薬をポーチに入れて見るとピッタリだったので、一旦出して袋に戻し祖父のところへと行く。

「お爺ちゃん!」

「おお、寝てなくて良いのか?」

「うん」

「寝てなさい……」

「だって……」

「おじいちゃんは逃げませんよ?夕餉も一緒に食べますし、私が直接ここの社からあちらの家の社につなげるので帰りも楽ですから、ゆっくり出来ます」

「本当に?」

「本当じゃ。ほれ、涼しい部屋で休んでおいで」

「はーい」

いつも通りまたしっかりと寝てしまい、慌てて起きる。

「なんで起こしてくれないの?」

「だってよく寝てたんですもの」

「これから僕、昼寝しない!」

「何でじゃ?」

「学校には昼寝の時間がないから……」

「それもそうですよねぇ。明日、お医者さんにそのあたりも相談しましょうか」

「薬なくなったらいいのになぁ」

「まだまだ治るまでは無理ですよ」とまた撫で撫でされる。

自分も手伝うと台に行き、作るものを聞いて冷蔵庫から、もやしとカイワレを出す。

伸ばした豚バラに塩コショウを軽く振り、もやしとカイワレをたっぷりと置いてくるくると巻いていく。ひとり三つとして12個作り、蒸し焼きにしてから、大根おろしの醤油ベースのドレッシングをかけて出来上がり。
中に人参を入れても美味しく、何度か作っていたので最近は色々な野菜を巻いて試していた。

「いいですねぇ、カイワレですか?これは初めてです」

「色々と試してたんだよ。以外に美味しかったし、冷蔵庫にあったから使ったけど」

「良いですよ。カイワレはすぐに出来てくるので困りませんからねぇ」

「あのね、上にチーズ乗せて蒸し焼きしても美味しかった!」

「今度のお楽しみにしましょうか」
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