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退学
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搬送され少し自力で呼吸はできていたが、呼吸気を付けられ寝かされている姿は見たくはなかった。
浮遊城の水盆で見ていたのとは訳が違う。
すぐに入院の準備を栞に頼み、椅子に腰掛けて雪翔の手を握る。
冷たい__
まだ幼いこの子に何故このようなことばかり起きるのか。守りも那智の守を持っていた。藍狐も付けた。それでも心までは守れなかった。
後悔だけが、もっとこうしていたら、もっと話を聞いてあげたら、天狐になるのを辞めていたら。そんなことばかりが頭をよぎる。
カラカラっと戸が空いて振り向くと、京弥と栞が立っていた。
「冬弥……何があった?」
「……医者は原因はストレスと。それもあるかもしれませんが、力の片鱗を見ました。怒るだけで窓が割れる。力が表に出てきているのかも知れません。怒る時に突然溢れ出す感じでしょうか……漆と琥珀に今も中で止めてもらってますが、呼吸が浅く、手もこんなに冷たい……」
「昨日のことが原因か?」
「それがきっかけでしょうが、前のこともあると思います。あの時天狐になることを辞めていれば、こうしていたらなど考えてしまいます」
「お前のせいじゃない!街に暮らす狐は試験でも仙の手前までしかなれん。天狐は選ばれたものだけがなれるんだ。誇りに思え」
「ですが、また雪翔が……父親失格です。天狐も失格です」
「お前まさか……」
「ええ、赦しません。誰1人として……ね」
「冬弥様!なりません。剥奪されてしまいます!」
「構いません!天狐でない私とは夫婦になれませんか?」
「そのような事は……」
「あの祭りのあとから夢見てました。最初は結婚なんてと思ってました。雪翔が子になり、あなたと夫婦になって三人で下宿屋をして笑って過ごしていきたい。そう願ってました。父と母……養父母になりますが、仲良く暮らしていけると。いつか子ができて雪翔が兄になり、兄弟仲良く家族みんなで楽しく暮らしていけることが一番の望みでした。私は……掟を破ります」
「冬弥様……」
「落ち着け。四社で話し合いを持て。すぐに父上たちにもこちらにと伝える。それまで何もするな!」
「雫、皆様に連絡を頼みます」
「はい」
「冬弥様、許嫁として私、全力でお止めしますから!本気の神気で来られたら私は跡形もなく吹き飛ぶでしょう。それでも良いのなら私を散らしてから行ってくださいませ!」
「栞さん……」
「京弥様は早くお義父様達を……」
「二人を頼みます」
元天狐の力を使ったのか、病室の中に二人が現れた時には驚いたが、それと同時に秋彪・玲・那智も集まり、気が抜けたのか栞は座り込んでしまった。
「栞さんよく耐えましたねぇ。ほら、椅子に座ってお茶を飲んで……」
「あ、ありがとうございます」
「神気ダダ漏れ!俺達もふきけすつもりか?」
「有り得るな?」
「兄弟で馬鹿な漫才をせずに、癒し狐出してください」
「冷静なふりして、那智だって凛じゃなくて煌輝出してるじゃん」
「う、煩いです!とにかく、心の傷はどうにもならないでしょうが、思いつくのはもう、体の回復だけですので」
「そうじゃのう、儂はちょっと息子に灸を据えるとしようかの」
「父上?」
ゴン!
「痛っ!」
「掟はいくら破っても構わんが、神気を閉ざせ。人間にも影響が出るではないか!みんなに任せていくぞ?」
「何処に……」
「そやつらのところじゃ」
姿を消せと言われ、無理矢理また学校に戻される。
「衰えてませんね。もう1度戻ったらどうです?」
「あんなところ懲り懲りじゃ。して、どの子供じゃ?」
「今回の主犯はあの小娘。あちらの小童が手伝ったようです」
「どれ?」
中の話を聞くと、穏便に済ませる校長の話が親にされていた。
「成績も優秀なので、どちらかが転校という形に。それならば学校にとってもそちらにとっても良いかと。どこにでも推薦は書けます。勿論、示談していただいてからですが」
「分かりました。娘を女子校へ転向させます。治療費は半額ずつでどうです?慰謝料を合わせて支払えば問題ないと思いますけれど」
浮遊城の水盆で見ていたのとは訳が違う。
すぐに入院の準備を栞に頼み、椅子に腰掛けて雪翔の手を握る。
冷たい__
まだ幼いこの子に何故このようなことばかり起きるのか。守りも那智の守を持っていた。藍狐も付けた。それでも心までは守れなかった。
後悔だけが、もっとこうしていたら、もっと話を聞いてあげたら、天狐になるのを辞めていたら。そんなことばかりが頭をよぎる。
カラカラっと戸が空いて振り向くと、京弥と栞が立っていた。
「冬弥……何があった?」
「……医者は原因はストレスと。それもあるかもしれませんが、力の片鱗を見ました。怒るだけで窓が割れる。力が表に出てきているのかも知れません。怒る時に突然溢れ出す感じでしょうか……漆と琥珀に今も中で止めてもらってますが、呼吸が浅く、手もこんなに冷たい……」
「昨日のことが原因か?」
「それがきっかけでしょうが、前のこともあると思います。あの時天狐になることを辞めていれば、こうしていたらなど考えてしまいます」
「お前のせいじゃない!街に暮らす狐は試験でも仙の手前までしかなれん。天狐は選ばれたものだけがなれるんだ。誇りに思え」
「ですが、また雪翔が……父親失格です。天狐も失格です」
「お前まさか……」
「ええ、赦しません。誰1人として……ね」
「冬弥様!なりません。剥奪されてしまいます!」
「構いません!天狐でない私とは夫婦になれませんか?」
「そのような事は……」
「あの祭りのあとから夢見てました。最初は結婚なんてと思ってました。雪翔が子になり、あなたと夫婦になって三人で下宿屋をして笑って過ごしていきたい。そう願ってました。父と母……養父母になりますが、仲良く暮らしていけると。いつか子ができて雪翔が兄になり、兄弟仲良く家族みんなで楽しく暮らしていけることが一番の望みでした。私は……掟を破ります」
「冬弥様……」
「落ち着け。四社で話し合いを持て。すぐに父上たちにもこちらにと伝える。それまで何もするな!」
「雫、皆様に連絡を頼みます」
「はい」
「冬弥様、許嫁として私、全力でお止めしますから!本気の神気で来られたら私は跡形もなく吹き飛ぶでしょう。それでも良いのなら私を散らしてから行ってくださいませ!」
「栞さん……」
「京弥様は早くお義父様達を……」
「二人を頼みます」
元天狐の力を使ったのか、病室の中に二人が現れた時には驚いたが、それと同時に秋彪・玲・那智も集まり、気が抜けたのか栞は座り込んでしまった。
「栞さんよく耐えましたねぇ。ほら、椅子に座ってお茶を飲んで……」
「あ、ありがとうございます」
「神気ダダ漏れ!俺達もふきけすつもりか?」
「有り得るな?」
「兄弟で馬鹿な漫才をせずに、癒し狐出してください」
「冷静なふりして、那智だって凛じゃなくて煌輝出してるじゃん」
「う、煩いです!とにかく、心の傷はどうにもならないでしょうが、思いつくのはもう、体の回復だけですので」
「そうじゃのう、儂はちょっと息子に灸を据えるとしようかの」
「父上?」
ゴン!
「痛っ!」
「掟はいくら破っても構わんが、神気を閉ざせ。人間にも影響が出るではないか!みんなに任せていくぞ?」
「何処に……」
「そやつらのところじゃ」
姿を消せと言われ、無理矢理また学校に戻される。
「衰えてませんね。もう1度戻ったらどうです?」
「あんなところ懲り懲りじゃ。して、どの子供じゃ?」
「今回の主犯はあの小娘。あちらの小童が手伝ったようです」
「どれ?」
中の話を聞くと、穏便に済ませる校長の話が親にされていた。
「成績も優秀なので、どちらかが転校という形に。それならば学校にとってもそちらにとっても良いかと。どこにでも推薦は書けます。勿論、示談していただいてからですが」
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