下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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退学

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「どうだ?」

「僕達……わかるよ?」
「もうおいらって言ったらいけないかな。おい、らじゃなくて俺?わたし?」

「その辺はどうでもいいわ!これから雪翔とともに気を練って陰陽と同時に作り出せ。形は勝手に決まる。これで分かるな?」

「はい」

「なら戻ってよし!」

影に戻っても、話が全くわからずにポカンとしていると、本を読めと風呂敷を渡される。

「えっと……」

「まずは知ることから始めろってことだ。本が好きとは聞いてたから読めるだろう。探すの苦労したんだぞ?」

「すいませんねぇ」

「いや、それよりお前の家できたぞ?勝手に入れんから、遠目で見ただけだが」

「向こうに行ったらご招待しますよ。それよりうちの子……可愛いでしょう?」撫で撫で撫で撫で……

「あ……あぁ、そうだな」

「でしょう?頭もいいんですよ?そして可愛い」

「親バカだな……雪翔、嫌ならやめろって言わないとやめないぞ?」

「何言っても辞めてくれそうにないので諦めてます」

「パパに向かって酷い!」

「あー!パパって呼んでるのか?」

「呼んでません。たまに勝手に言ってます……」

「だよな。まぁ、向こうに来たら俺の所にも来てくれ」

「ありがとうございます」

「あれ?許可出たんですか?」

「出させたんだ!お前の次に俺が若い!古い考えはやめろって言っただけだ」

「そうでしたか」

「それとな、城にも部屋ができてる。一度見ておいた方がいい」

「分かりました」

じゃあな!とその場で消えたので、呆気に取られたが、祖父もしていたし慣れるしかないと思い、雪翔にみんなに会うかと聞く。

「いいの?」

「明日以降ですけどねぇ」

「僕からみんなに言おうかな……」

「そうした方がいいでしょうねぇ。栞さん、今日は一緒に帰りましょうか」

「は、はい!」

「明日また来ます。一月リハビリですから、今日はゆっくり寝ていてくださいね」

「これ読んだらダメ?」

「あの人のことです。上から順に並べてあるはずですよ?疲れる前に読むのやめてくださいね?」

「うん」

「栞さん、聞いてもらえますか?」

「はい」

「私はあの下宿にもう雪翔を連れて行きたくありません」

「え?」

「栞さんの社に父が神気を与えていなくても良くしたでしょう?」

「はい。いつもの方が来る日は行きますけど」

「私の社もそうしようと思います。勿論影を交代で行かせますし、行事には行きますけど」

「下宿屋はどうするんですか?」

「場所を……変えます。あの子達が通える場所になりますし、地域は同じですけど、雪翔にあそこは辛すぎると思うんです」

「いい思い出もあります」

「分かってます。実は、あちらからも移動するように言われてます。尾の冬、腕の秋、胴の南、頭の東。その中間、栞さんの社の近くに空いてる土地があるでしょう?近くに住宅街があります」

「あり……ますね」

「そこに移れと。真ん中は要ですから……」

「社はありませんけど?」

「社は四社で。中央に天狐が居ることが大事なのだそうです」

「みんなには何と?」

「老朽化としか言えません」

「そうですか……私もお世話になりっぱなしで……」

「栞さん……」
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