栗花落と姫と妖と……

仮題

.

家に帰ると既に連絡されていたようでみんなに心配されてしまう。

「どこかおかしいところは？」

「喉が少し……でも……」

「お友達なら心配要りません」

「栗花落さん……どうして私の周りにこんなことが起こるの？せっかく仲良くなったのに……酷いよ！」

ポロポロと泣いていると、「明日はお休みしてください。首に跡が……。今から病院に行きます」

着替えてから病院に行くと、何故か診察は秋穂。

「少し冷たいですけど我慢してください」

エコーで喉を見てもらい、首の痣になっているところも数日で消えると言われ、待合室に行く。

「栗花落、しばらく学校は欠席で。診断書は書いておきます」

「なんて書くんですか？」

「扁桃炎にしておきます。特に薬は無いですけど、かなり落ち込んでるようなので少しそっとしておいた方がいいと言うか。そうしなさい！」

「分かりました。にしても姫の周りでこんなにも……」

「僕がわかる限りでは栗花落の捜し物に関係してるかも。姫愛さんがひとつ見つけたんでしょう？」

「そうですが、学校にはもう何も無いはず。くまなく探しましたし、変なモノももう居ないと思ってたので気を抜いていました」

「バイト先、学校。閉じ込める訳には行かないですけど……考えないといけない時期かもしれないですねぇ」

しばらく様子を見て考えると言って、姫愛の選んだものを渡す。

「姫は知らないですが、姫が助けを求めた時や何かあった時に反応します」

「僕にも護りを？」

「お願いします」

「姫愛さんが可愛いので引き受けますが、あくまで皆さんの補助と思ってくださいよ？」

「ええ」