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水の神
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午後の授業は布のことが気になり、ただ黒板に書かれたことをノートに書き写すだけで頭には何も入ってこなかった。
チャイムが鳴ってすぐ校門に向かい、森さんの車があるはずと左右を見ても車は一台も止まっておらず、おかしいな?と電話をしても繋がらない。
仕方なく学校には春が居るだろうと春に電話すると、直ぐに校門に来てくれたが、いつも時間には来ている森が来ていないのはおかしいと栗花落に連絡してくれる。
「俺だ。森が迎えに来てないんだが」
『そんなはずは……私を会社に送った後に学校に向かったはずですよ』
「今日はもう周りに見られてるから、電車で帰る。葉子にも連絡はしておく。という事で俺は会社には行けそうにない」
『分かりました。私も森さんに連絡してみます』
「ね、ねえ。電車で帰るの?」
「今日はな」
「早く行こう!」と袖を引っ張る。
流石に何度も男性が校門に来ていたら、別の意味でまた何を言われるか分からないし、二人目の兄と言うにも無理がある。
「引っ張んなって!」
「だって……」と周りを見ると、頭をポリポリとかきながら、「なるほどな」と言ってくれるが、言うだけで全く気にしてない。
「また兄貴とでも言えばいいだろう?」
「いきなり二人も兄が出来て、お弁当はお姉さんに作って貰ってて、毎日送り迎えしてくれる人は姉の旦那さんですとまでは言えないよ」
「そう言ってるのか?」
「お弁当は姉が作ってくれて、栗花落さんは見られちゃった時に聞かれて兄ってことに勝手に言っちゃったの」
「よし、今度秋穂にも来させて大家族ってことにしてしまおう」
「からかわないでよ。女子校だよ?男性が来たらやっぱり噂になるの早いんだから」
文句を言いながら駅前に着くと、前に聞いたカフェを見つけて胸が痛くなる。
チャイムが鳴ってすぐ校門に向かい、森さんの車があるはずと左右を見ても車は一台も止まっておらず、おかしいな?と電話をしても繋がらない。
仕方なく学校には春が居るだろうと春に電話すると、直ぐに校門に来てくれたが、いつも時間には来ている森が来ていないのはおかしいと栗花落に連絡してくれる。
「俺だ。森が迎えに来てないんだが」
『そんなはずは……私を会社に送った後に学校に向かったはずですよ』
「今日はもう周りに見られてるから、電車で帰る。葉子にも連絡はしておく。という事で俺は会社には行けそうにない」
『分かりました。私も森さんに連絡してみます』
「ね、ねえ。電車で帰るの?」
「今日はな」
「早く行こう!」と袖を引っ張る。
流石に何度も男性が校門に来ていたら、別の意味でまた何を言われるか分からないし、二人目の兄と言うにも無理がある。
「引っ張んなって!」
「だって……」と周りを見ると、頭をポリポリとかきながら、「なるほどな」と言ってくれるが、言うだけで全く気にしてない。
「また兄貴とでも言えばいいだろう?」
「いきなり二人も兄が出来て、お弁当はお姉さんに作って貰ってて、毎日送り迎えしてくれる人は姉の旦那さんですとまでは言えないよ」
「そう言ってるのか?」
「お弁当は姉が作ってくれて、栗花落さんは見られちゃった時に聞かれて兄ってことに勝手に言っちゃったの」
「よし、今度秋穂にも来させて大家族ってことにしてしまおう」
「からかわないでよ。女子校だよ?男性が来たらやっぱり噂になるの早いんだから」
文句を言いながら駅前に着くと、前に聞いたカフェを見つけて胸が痛くなる。
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