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狐の国~美男美女コンテスト~
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──コンテスト当日
「うわっ!すごい人」
「まだ始まる前なのに……」
「二人共頑張ってくださいよ?私も付き添いで入れますけど、入れるのはお題出てるものとは別に二人と決まってますから」
「え?冬弥さんと栞さんが来てくれるの?」
「アホか!俺と冬弥だ。栞は腹がでかくなってるから、一番前の席で御館様たちと一緒に座ってることになってる」
「座れるんなら安心だね。京弥さんたちも?」
「那智の御両親とお兄さんが来ますよ。前で見るはずです。あちらの付き添いは多分親御さんでしょうから」
栞たちの頑張って!との声に手を振り、会場の入口前で別れ裏口から入ると、受付で控え室の番号を教えられる。
「本来少年部と青年部は待機室が別なんですが、特別枠なので一緒にしてもらいました」
「良かった!」
「ほら、周りを見てみろ。各地の美男美女らしきものがわんさかといるぞ?」
「わんさかって……」
「結構普通ですね」
「こ、航平ちゃん!」
「だって見てみろよ。少年部と言っても雪翔が中間くらいの年だろう?大人びて見せてる子もいれば女の子は化粧してる子もいるし……ケバい!男は暑苦しいな……一人を除いて」
どれどれ?と奥を見ると、一人肌の白い綺麗な男の子が静かに座っていてつい見とれてしまう。
「雪翔?」
「うん……あの子少年部かな?」
「でしょうねぇ。それにしても綺麗な子です」
「あの子で決まりじゃない?」
「何を言ってるんです?雪翔より可愛い子が他にいます?優勝は雪翔です!」
「冬弥さんまで!」
「いや、俺もそう思うぞ?」
「那智さん……」
「さ、待機室に移動だ。この荷物をさっさと下ろしたい。四郎、飲み物は?」
「はい、ちゃんと持ってきています。中にオケがあると思うのですぐに冷やしますが、屋敷よりは冷えないかと思います」
「先に重い飲み物だけ持って行ってくれないか?これじゃ中々車椅子じゃ進めない」
「では他の荷物も持っていきます」
いつものようにヒョイっと持って、うまく人混みをかき分けて進んでいき、すぐに姿が見えなくなってしまった。
「私達も行きましょうか。お題でも色々と左右されますからねぇ。準備はしっかりとしてくださいよ?」
「うん……」
自信があるわけでもなく、何度も呼びかけているのに返事もない。このままだとお題どころか校歌を歌って終わる可能性も出てきた。
「お、ここだ。既に開会式は済んでるころだから、着替えたらもう出番と思っていい」
「え?そんなに早く進むの?」
「ああ、人の動きが早いから、お題はみんな軽く済ませてるんだろう」
「ほら、航平君も着替えてください。三郎、四郎、頼みますよ?」
「畏まりまして」
座らされてみていると、髪型はオールバックにされ、着替えて手袋をするとかっこいい英国紳士のように出来上がっていた。
「すごーい!航平ちゃんかっこいい」
「そうか?でもこの後に道着に着替えてる時間はないみたいだけど……」
「舞台の袖で着替えられますよ?そんなに時間はないですが」
「三郎さん、四郎さん、よろしくお願いします」
「私達も舞台の袖で待機してますから」
「さて、次は雪翔の番だ」
「って、なんで二人共スーツ着てるの?」
「うわっ!すごい人」
「まだ始まる前なのに……」
「二人共頑張ってくださいよ?私も付き添いで入れますけど、入れるのはお題出てるものとは別に二人と決まってますから」
「え?冬弥さんと栞さんが来てくれるの?」
「アホか!俺と冬弥だ。栞は腹がでかくなってるから、一番前の席で御館様たちと一緒に座ってることになってる」
「座れるんなら安心だね。京弥さんたちも?」
「那智の御両親とお兄さんが来ますよ。前で見るはずです。あちらの付き添いは多分親御さんでしょうから」
栞たちの頑張って!との声に手を振り、会場の入口前で別れ裏口から入ると、受付で控え室の番号を教えられる。
「本来少年部と青年部は待機室が別なんですが、特別枠なので一緒にしてもらいました」
「良かった!」
「ほら、周りを見てみろ。各地の美男美女らしきものがわんさかといるぞ?」
「わんさかって……」
「結構普通ですね」
「こ、航平ちゃん!」
「だって見てみろよ。少年部と言っても雪翔が中間くらいの年だろう?大人びて見せてる子もいれば女の子は化粧してる子もいるし……ケバい!男は暑苦しいな……一人を除いて」
どれどれ?と奥を見ると、一人肌の白い綺麗な男の子が静かに座っていてつい見とれてしまう。
「雪翔?」
「うん……あの子少年部かな?」
「でしょうねぇ。それにしても綺麗な子です」
「あの子で決まりじゃない?」
「何を言ってるんです?雪翔より可愛い子が他にいます?優勝は雪翔です!」
「冬弥さんまで!」
「いや、俺もそう思うぞ?」
「那智さん……」
「さ、待機室に移動だ。この荷物をさっさと下ろしたい。四郎、飲み物は?」
「はい、ちゃんと持ってきています。中にオケがあると思うのですぐに冷やしますが、屋敷よりは冷えないかと思います」
「先に重い飲み物だけ持って行ってくれないか?これじゃ中々車椅子じゃ進めない」
「では他の荷物も持っていきます」
いつものようにヒョイっと持って、うまく人混みをかき分けて進んでいき、すぐに姿が見えなくなってしまった。
「私達も行きましょうか。お題でも色々と左右されますからねぇ。準備はしっかりとしてくださいよ?」
「うん……」
自信があるわけでもなく、何度も呼びかけているのに返事もない。このままだとお題どころか校歌を歌って終わる可能性も出てきた。
「お、ここだ。既に開会式は済んでるころだから、着替えたらもう出番と思っていい」
「え?そんなに早く進むの?」
「ああ、人の動きが早いから、お題はみんな軽く済ませてるんだろう」
「ほら、航平君も着替えてください。三郎、四郎、頼みますよ?」
「畏まりまして」
座らされてみていると、髪型はオールバックにされ、着替えて手袋をするとかっこいい英国紳士のように出来上がっていた。
「すごーい!航平ちゃんかっこいい」
「そうか?でもこの後に道着に着替えてる時間はないみたいだけど……」
「舞台の袖で着替えられますよ?そんなに時間はないですが」
「三郎さん、四郎さん、よろしくお願いします」
「私達も舞台の袖で待機してますから」
「さて、次は雪翔の番だ」
「って、なんで二人共スーツ着てるの?」
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