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夏休み~狐一族温泉観光ツアー前編~
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「具が人参……」
「冬弥様が、那智様は人参が好きだからっていうから沢山入れたのに……雪翔君、私貰おうか?」
「大丈夫。ちゃんと味ついてるし、人参嫌いじゃないから。それに、昔は食べてたんでしょ?僕も背が伸びるかも!」
「それは違うと思いますけどねぇ」
みんなが違うと言っているが、みんな180センチは超えてるし、低いと言われても173は最低ある。
後、五センチだけでも伸びたいが、伸びる気配がないなら、好き嫌いなく食べるしかないと思い、半分食べたところで、人参に飽きてきた。
「雪翔、お前食べるの相変わらず遅いな」
「航平ちゃんが早いんだよー。もう食べたの?」
「みんなもう終わる。やっぱり多かったのかな?」
「僕、大きくなるんだもん!ぜ、全部食べるからっ」
「そんなに無理しなくていいですよ?それでも雪翔の分は少なめにしたんですけどねぇ……」
「俺か?人参のせいか?」
「にんじんですよね?」
「ご、ごちそうさま。もうおなかいっぱい」
「じゃあ煮物とかはしまっちゃうけどいい?」
みんながもういいと言っていたので、いいと自分も言ってお茶をもらう。
「那智さん、今度から人参自分で食べて……」
「ピーマンも増やしてやるから心配するな」
食後のデザートのアイスは今は食べられないからと、紫狐とみんなを出し、翡翠には前にたくさん貰ったアイスの中からイチゴを選んで食べさせる。
「んー!イチゴっ」
「こぼさないでよ?しーちゃんはぶどう?」
「はいー。金がバニラで、銀は小豆ですー」
「渋っ!」
「航平ちゃん」
「だってどう見ても幼稚園児なのにあずきのアイスって……」
「す、好きなんだもん」と言って銀が逃げていき、本題に入ろうとテーブルにキーホルダーを二つ置く。
「頭の中でいいので話しかけてください。普通に答えてくれると思いますけど」
「うん」
「そのキーホルダーに何があるの?」
「木霊っていうか、僕の気を練って出てきた双子の式神?かな?」
「守り神でしょうね。必ず表と裏で白と黒の二体。主の命には逆らわないと書物に書いてありました」
「すぐキーホルダーの中に入ってから、僕も会ってないんだ……」
そう言ってから集中し、白龍、黒龍、と話しかける。
《何か……》
《白龍?あのね、航平ちゃんと那智さんに紹介したいから出てこれないかな?黒龍も一緒に》
《見ていてあの者達が雪に危害を加えないのはわかっている。少しの時間ならば姿を出してもいいのだが、今の我等の姿でいいのかどうか》
「今の姿?」
「どうしました?」
「何でもない待っててね」
《今の姿って大きくなったの?》
《もう人形は大人と変わらないが、怖がらせてしまうのならば金たちと同じような姿にもなれる》
《今のままでいいよ。僕もずっと会いたかったんだ》
《ならば目を閉じよ。主よ》
「白龍?」
カッと眩しい光が差し、思わず手で顔を覆うと、ソファの近くに双子のような黒髪の大人が二人たっていた。
着物は平安時代のような着物を着ており、真っ直ぐな黒髪に手は二人共袖の中に入れている。
違うのはお面の色。
片方が白、片方が黒。
どことなく中国のお面の様なのをかぶっているその姿に一瞬驚きはしたが、放たれる気は優しく、すぐに白龍と黒龍だと分かる。
「冬弥様が、那智様は人参が好きだからっていうから沢山入れたのに……雪翔君、私貰おうか?」
「大丈夫。ちゃんと味ついてるし、人参嫌いじゃないから。それに、昔は食べてたんでしょ?僕も背が伸びるかも!」
「それは違うと思いますけどねぇ」
みんなが違うと言っているが、みんな180センチは超えてるし、低いと言われても173は最低ある。
後、五センチだけでも伸びたいが、伸びる気配がないなら、好き嫌いなく食べるしかないと思い、半分食べたところで、人参に飽きてきた。
「雪翔、お前食べるの相変わらず遅いな」
「航平ちゃんが早いんだよー。もう食べたの?」
「みんなもう終わる。やっぱり多かったのかな?」
「僕、大きくなるんだもん!ぜ、全部食べるからっ」
「そんなに無理しなくていいですよ?それでも雪翔の分は少なめにしたんですけどねぇ……」
「俺か?人参のせいか?」
「にんじんですよね?」
「ご、ごちそうさま。もうおなかいっぱい」
「じゃあ煮物とかはしまっちゃうけどいい?」
みんながもういいと言っていたので、いいと自分も言ってお茶をもらう。
「那智さん、今度から人参自分で食べて……」
「ピーマンも増やしてやるから心配するな」
食後のデザートのアイスは今は食べられないからと、紫狐とみんなを出し、翡翠には前にたくさん貰ったアイスの中からイチゴを選んで食べさせる。
「んー!イチゴっ」
「こぼさないでよ?しーちゃんはぶどう?」
「はいー。金がバニラで、銀は小豆ですー」
「渋っ!」
「航平ちゃん」
「だってどう見ても幼稚園児なのにあずきのアイスって……」
「す、好きなんだもん」と言って銀が逃げていき、本題に入ろうとテーブルにキーホルダーを二つ置く。
「頭の中でいいので話しかけてください。普通に答えてくれると思いますけど」
「うん」
「そのキーホルダーに何があるの?」
「木霊っていうか、僕の気を練って出てきた双子の式神?かな?」
「守り神でしょうね。必ず表と裏で白と黒の二体。主の命には逆らわないと書物に書いてありました」
「すぐキーホルダーの中に入ってから、僕も会ってないんだ……」
そう言ってから集中し、白龍、黒龍、と話しかける。
《何か……》
《白龍?あのね、航平ちゃんと那智さんに紹介したいから出てこれないかな?黒龍も一緒に》
《見ていてあの者達が雪に危害を加えないのはわかっている。少しの時間ならば姿を出してもいいのだが、今の我等の姿でいいのかどうか》
「今の姿?」
「どうしました?」
「何でもない待っててね」
《今の姿って大きくなったの?》
《もう人形は大人と変わらないが、怖がらせてしまうのならば金たちと同じような姿にもなれる》
《今のままでいいよ。僕もずっと会いたかったんだ》
《ならば目を閉じよ。主よ》
「白龍?」
カッと眩しい光が差し、思わず手で顔を覆うと、ソファの近くに双子のような黒髪の大人が二人たっていた。
着物は平安時代のような着物を着ており、真っ直ぐな黒髪に手は二人共袖の中に入れている。
違うのはお面の色。
片方が白、片方が黒。
どことなく中国のお面の様なのをかぶっているその姿に一瞬驚きはしたが、放たれる気は優しく、すぐに白龍と黒龍だと分かる。
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