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夏休み~狐一族温泉観光ツアー後編~
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入口にお食事、休憩所と書いてあり、入ると思ったより広く、外と繋がっているようで、みんな窓際の席に座っていた。
「おお、来たか。見てみろ、ほれ」
「あ、海?」
「儂等も見た時は驚いたが、繋がっておったようじゃの」
「一部は洞窟のままになってますねぇ。水滴落ちてきませんかね?」
「この席は上が塞いであるから大丈夫だろ?もう注文したのか?」
「まだです。みんな海の方見てたんで」
「よし、何にするかなっと!」
みんなでメニューを見て、それぞれ好きなものを注文し、海鮮スパゲティのセットが美味しそうだったのでそれにすると、バァバたちは食べたことがないとの事で洋食が中心の食事となった。
「お待たせしました」
どんどんテーブルに並べられていき、自分のが来たところで、バアバの頼んだドリアのセットにも目移りしてしまう。
「美味しそう……」
「交換する?」
「いいよ。なんだかみんなの見てたらどれも美味しそうに見えちゃって」
「そうね。私もあの『ぐらたん』と言うのが気になってるの」
「ドリアがご飯で、グラタンはこのパスタの太くて短いのが入ってて……味はそんなに変わらないと思うよ?」
「あら、そうなの?」
そう言って三人のお婆ちゃん達は少しずつ分け食べ比べをするようで、小皿に取り分けてみんなで回している。
「あら、どれも美味しいわね」
「あちらでは食べられませんものねぇ」
「作れないのかしら?」
その一言で冬弥に視線が集まる。
「私ですか?作れますけど、窯で焼く必要がありますよ?」
「後でメモしてちょうだい。そしたら使用人が作ってくれるわ」
「おば様も物好きですねぇ。帰りに渡しますから冷めないうちに食べましょう」
お爺ちゃん達も洋食セットだったが、ハンバーグを面倒だとお箸で食べ、なぜ皿に米が乗っておるんじゃ?と不思議そうにしている。
ぶれないのは栞で、普通に和食セットを食べている。
「栞さん和食セットで良かったの?」
「最近お味噌汁が美味しくて。洋食って油っこいのが多いでしょ?和食のが悪阻になりにくいみたいなの」
「赤ちゃんがいるのも大変なんだ」
「でも、今だけだと思うから。幸さんもそう言ってたし」
「だったら毎日味噌汁作りましょうか?」
「下宿で作ってるじゃないですか」
「それはそうですが、もっと具を多くして栄養をつけないとと思いまして」
「おい、仲がいいのは良いことだが、心配しすぎじゃないのか?」
「昴さんも結婚したらわかりますよ?」
「今更結婚はなぁ……一人の方が何かと動きやすいから、俺には無縁だ」
「そうですか?中々いいものですよ?」
「それより、さっきの雪翔のこと話しておけよ」
「あ、そうでした」
それから鍾乳洞のあちこちに五芒星があったことと、先程の祠での気持ち悪さの事を冬弥が話、その後はみんなから心配されたり、質問されたりと大変だった。
「金たちの様子はどうです?もう影の中は探れるでしょう?」
「うん。みんなこたつでのんびりみかん食べてるよ?」
「白龍と黒龍はどうですか?」
「実は……」とこの旅行中に起こったことと一緒に、バスで出会った男の人のことも話すと、何故かみんな黙ってしまった。
「何か言ってよ!」
「雪翔、ちょっと待ってくれ……俺が馬鹿なのか、いや、馬鹿ではないがちょっと整理させてくれ」と那智が頭を抱えて考え込んでいる。
「おお、来たか。見てみろ、ほれ」
「あ、海?」
「儂等も見た時は驚いたが、繋がっておったようじゃの」
「一部は洞窟のままになってますねぇ。水滴落ちてきませんかね?」
「この席は上が塞いであるから大丈夫だろ?もう注文したのか?」
「まだです。みんな海の方見てたんで」
「よし、何にするかなっと!」
みんなでメニューを見て、それぞれ好きなものを注文し、海鮮スパゲティのセットが美味しそうだったのでそれにすると、バァバたちは食べたことがないとの事で洋食が中心の食事となった。
「お待たせしました」
どんどんテーブルに並べられていき、自分のが来たところで、バアバの頼んだドリアのセットにも目移りしてしまう。
「美味しそう……」
「交換する?」
「いいよ。なんだかみんなの見てたらどれも美味しそうに見えちゃって」
「そうね。私もあの『ぐらたん』と言うのが気になってるの」
「ドリアがご飯で、グラタンはこのパスタの太くて短いのが入ってて……味はそんなに変わらないと思うよ?」
「あら、そうなの?」
そう言って三人のお婆ちゃん達は少しずつ分け食べ比べをするようで、小皿に取り分けてみんなで回している。
「あら、どれも美味しいわね」
「あちらでは食べられませんものねぇ」
「作れないのかしら?」
その一言で冬弥に視線が集まる。
「私ですか?作れますけど、窯で焼く必要がありますよ?」
「後でメモしてちょうだい。そしたら使用人が作ってくれるわ」
「おば様も物好きですねぇ。帰りに渡しますから冷めないうちに食べましょう」
お爺ちゃん達も洋食セットだったが、ハンバーグを面倒だとお箸で食べ、なぜ皿に米が乗っておるんじゃ?と不思議そうにしている。
ぶれないのは栞で、普通に和食セットを食べている。
「栞さん和食セットで良かったの?」
「最近お味噌汁が美味しくて。洋食って油っこいのが多いでしょ?和食のが悪阻になりにくいみたいなの」
「赤ちゃんがいるのも大変なんだ」
「でも、今だけだと思うから。幸さんもそう言ってたし」
「だったら毎日味噌汁作りましょうか?」
「下宿で作ってるじゃないですか」
「それはそうですが、もっと具を多くして栄養をつけないとと思いまして」
「おい、仲がいいのは良いことだが、心配しすぎじゃないのか?」
「昴さんも結婚したらわかりますよ?」
「今更結婚はなぁ……一人の方が何かと動きやすいから、俺には無縁だ」
「そうですか?中々いいものですよ?」
「それより、さっきの雪翔のこと話しておけよ」
「あ、そうでした」
それから鍾乳洞のあちこちに五芒星があったことと、先程の祠での気持ち悪さの事を冬弥が話、その後はみんなから心配されたり、質問されたりと大変だった。
「金たちの様子はどうです?もう影の中は探れるでしょう?」
「うん。みんなこたつでのんびりみかん食べてるよ?」
「白龍と黒龍はどうですか?」
「実は……」とこの旅行中に起こったことと一緒に、バスで出会った男の人のことも話すと、何故かみんな黙ってしまった。
「何か言ってよ!」
「雪翔、ちょっと待ってくれ……俺が馬鹿なのか、いや、馬鹿ではないがちょっと整理させてくれ」と那智が頭を抱えて考え込んでいる。
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