天満堂へようこそ 3

浅井 ことは

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BAR TENMAN

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「そんなことしません……」

「ごめんごめん。大丈夫?ルーカスさん?」

「お前手加減しろよ!馬鹿ニコル!」

「石より固い頭でしょう?なにか問題でも?」

「痛いものは痛いんだよ!」

「たん瘤にもならない頑丈な体だから出来るんです」

そんなやり取りを見ながら、オムライスを平らげてコーラのおかわりをし、続く二人のやり取りに笑って時間が過ぎていく。

チリンチリンと音がなり扉が開くと、来たときよりもげっそりしている二人が出てきた。
ふらふらしながら、ニコルに連れられて出口へと行き、出ていく。

「大丈夫なの?」

「大分とられたみたいだな。だが、やつらの神経毒は良い薬にもなるし、売りに来るやつは殆どいないから貴重な材料になる」

「そうなんだ……」

「これからは奏太様も関わりになる相手です。よく覚えておかれると良いかと。何かある前に私がお守りしますので」

「けなげだねー。ニコルお前も「嫌です!」

そう言うと思ったと項垂れていると、中から二人が出てきた。

「なんだ?お前らだけうまいもん食いやがって!ニコル、後二人分頼む」

「はい、ユーリ様も同じでいいですか?」

「ええ。あなたの料理は美味しいですから」

「あのさ、気になったんだけど。それぞれお付きがいるわけじゃん」

「それがどうかしたか?」

「例えばだけどさ、ニコルさんに俺が『ニコルコーラ出せ』とかって命令したら聞いてくれるの?」

「そうだ。王族間では各界関係なく言うことは聞いてくれる。主の命令が優先だが。だから、奏太もユーリと呼べば良いし、ルーカスのようにふんぞり返っていれば良い」

「お前だろ?なんで今日は俺ばかりなんだよ!」

「一応様とつけて話しているでしょう?バカ王子!」

「それだよそれ!忠実感がさ……」

「補佐はやってます。文句があるなら素直な奏太様にお付きしたいぐらいで……って何なさってるんですかあなたは!」

「え?サラダ作ってる。ツナ缶使ったらダメだった?」

「いえ、王子にそのような……」

「ニコル、好きにさせてやってくれ。さっきみたいに普通にしてやってくれると有り難い」

「わ、わかりました」

「ねぇ、これで良い?トマトとかキュウリとか」

「上出来です。バカ王子は何もできませんから」

「じゃぁ、お姉様サラダでございます」とふざけて出す。

顔を最大限に赤らめながら、馬鹿かお前はと言われるが最近この反応が楽しくて仕方ない。

「そうだ、来客中はなるべくデスクから動くな。ノアが守りにくくなる。今来た客は定期的に来るからなるべく私が対応するが、酷いときは一週間に一回来る」

「そんなに?」

「時期にも寄るがな。電話は会社の方とも繋がってるから、緊急のときはニコルに言え。ここはニコルに任せてあるし、夜中は色々来るからな」

「うん……」
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