桃源庵 (仮)

浅井 ことは

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チリリーン。

扉が……開いてない?

「そこの少年。ここだここ!」

「どこ!」

真口が下を指さすので見ると小さなオッサ……じゃなくて、男の人。

「ここの川の流れはいつも早いな。しばらくぶりに船で来てみれば面白い少年もいるし」とジロジロとみら……れているはず。

「どこから……」

「そこだ。俺の専用入口!」

扉の横に小さな入口。
どこをどう見ても動物の出入口にしか見え……パッコーーーン!

「いって!」

小さな棒ですごい威力!

「たんこぶ出来たらどうするんですか」

「こんなもので出来ぬわ!それより真口。何か甘い匂いがするなぁ」

「そうでそょう?彼、美味しい香りがするので最近仲良くなったんです」

なにかの童話の話に似てないか?
優しくして食べちゃう系の。

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