桃源庵 (仮)

浅井 ことは

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信じてないのが丸わかりの態度だったからか、真口はくすくすと笑いながら小さな食器を提げ、みじん切りのリンゴをテーブルに出しているのでデザートなのだろう。

おもちゃのようなフォークで上手く刺して食べている姿は小人を見ているみたいで面白いが、神様って……

格好は作務衣みたいな白い着物のようなものは着ているし、髪型もよく見れば耳の横でちょこんと結んでいて……

「ブハッ」

「なんだ?」

「ごめん、神様って言ったから見てたけど、ほんとにそれっぽい格好してるから」

「真口……何とかしろ」

「何とかと言われても、彼は人ですからねぇ。いきなり信じろっていうのが無理なのかも。私のこともいまいち分かって無いんですよ桃真くんは」

「なにぃー!」
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