八百万の学校 其の参

浅井 ことは

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大山津見神

.

「大山、お前山の総会は終わったんだろ?」

「何とか。これからの夏から秋にかけての神事に間に合うようにと新緑と各山の話までは」

「なら、ここに住め」

「ちょっと!うちに住んでも兄貴はいませんから!」

「純平も住め!」

「大国さん、俺会社……」

「こここら通えるようにしてやる。えーと、親睦というのを深めろ」

「まてまてまて!俺の仕事が増えるじゃねーか!」

「そうねぇ、食費が上がっちゃうわ」

頬に手を当てて、最近は肉も魚も日用品も値上がりして大変なの。と困った顔をしている祖母に「わ、渡す。一食幾らだ?なんなら俺の……」「大国さんはしばらくおやつとご飯は出禁!」と即答すると「うわぁぁぁ!山菜とりめし!」とさらに悩む園児。

「そうじゃの。祖母殿、この位で……」

「電気や水道も……」

ああ、この件見たことが……

祖父も覚えていたのか知らん振りをしているので、置いてあるクッキーをひとつ食べて誤魔化す。

「あっ、翔平だけずるい」

「俺は良いんです!」

「源三郎ー!」

「大国様はもう食べられたでしょう?」

「一枚につき、夕飯一食無し追加でどうですか?」

「酷い!」

「明日はずるーい焼きそばにしてもらおっかなー」

「なんだと!」

嫌なら住む以外の選択をしてくれと思っていたら、ニコニコとした祖母が、「純平、翔平の部屋で寝てちょうだいな。大山様はお隣で寝てもらいますから」と交渉が上手くいったのかご機嫌!

「いいけど、仕事道具とスーツ取りに行きたい」

兄貴も断れ!

「俺、今日は帰るよ。明日電車で夕方に来れるようにするから」

「よし、決まりじゃな。今回は特に翔平に頼むことは無いのじゃが、暴走しないようにだけ見張っておいてくれんか」

「いいですけど、八意さん。俺も学業優先なんで」

「分かっておるよ。婚姻と言ってもすぐでは無いし、なんじゃったか……そうそう、婚約期間というのにするのに、やはり両家が仲良くせねばの。それにまだまだ頼みたい神もおるし」

「ゲッ!」

まだまだいるって、どれだけいるんですか?
八意さんと大国さんが教えた方が早い気がするんですけど!と言えない俺の小心者!



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