八百万の学校 其の参

石長比売の家出

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朝に送られてきていたメールを見ると、《今日の夜19時、俺のアパートに来て》とだけ書いてある。

「場所はわかるけど……」

移動はそれほど力も使わないので簡単に行けるのだが、何か用事だろうか？

お仕事の場所を考えると、真っ直ぐ佐野家に帰らずに一度アパートに寄るという事だとは思うが。

「分かりました。お土産を持っておきますね。画像画像……あ、このボタンを……」

何とか画像も送り、昼までは広島のお土産を買いに行こうと決めて朝食に向かう。

昨日と同じ個室ではなく、海の見える窓際の席で、用意されていた朝食を摂る。

ふぐの一夜干しを網で炙り、ご飯にお味噌汁など食べていると、まだ早い時間なのに船が出ている。

どのような神社でも、人々が楽しんでくれるのは嬉しいと少し笑顔になる。

「さて、食べよう」

食後にコーヒーが出てくるので、朝は食後にコーヒーとメモに書き、部屋に戻って荷物をまとめてから受付でお土産ものや食事のできるところを聞き、地図を貰って向かう。