黄泉津役所

浅井 ことは

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家族生活

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「窓も開けているし、お前の親も祖父も吸うだろう?」

「そうだけど」

とはいえ、いつも窓全開の我が家は、学校から帰宅した時にそんなに臭ったりはしない。

うん、婆ちゃんのお陰だな。

「言霊だがな」

「理解できる話にして……」

「例えば皆おかえりって言うだろ?」

「うん」

普通だと思うがそれがなんだ?

「おかえりだけだと、邪悪なものや、浮遊霊とかそういったものまで歓迎してしまう言葉となる」

「怖っ!」

「お帰りなさいと言うのは、元の場所にお帰りなさいという意味があって払いの言霊となる。そして、家の中に呼び込まないというものだ。今はそうでも無いらしいが、昔はみな、玄関まで出て行ってらっしゃい、お帰りなさいと言っていた。ただの挨拶のようで、実は言霊……祓いの一種だ」

「じゃあ、行ってきますとか、ただいまとかも?」

「もちろんある。行ってきますという言葉は……こうだ」と紙に字を書いてくれる。

「行って来ます。行ってくるけど必ず帰って来るという約束の言葉だ。これも相手に対しての言霊となる。そして、お帰りなさいと返す。これは、無意識に使っているが、意味をわかって使えばとても強い力となる」

「知らなかった。今度からちゃんと言おう。他にもある?」


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