八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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平穏な日々

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多分商店街にポスターが貼ってあるだろうと言われたので、明日学校の行き帰りに見てくると言って部屋に戻り、本を読んでいるあいだに寝てしまう。

ジリリリリ___

「あー、もう朝か」

目覚ましを止めて、顔を洗ってから神棚の掃除をして台所に行くと、大体6:40。

お弁当をもらって、朝ごはんを食べてから「行ってきます」と出かける時には7:30過ぎ。

相変わらずの割烹着姿の迦具土に見送られるのにも慣れてしまい、自転車で理髪店の前まで行って、幼なじみの重春を呼んで学校へと向かう。

「なぁ、祭りあるの知ってる?」

「あ、昨日、母ちゃんがポスターもらってたから、店に貼るとか言ってた。二週間後だから、夏休みに入った次の日が祭りで、花火も上がるとか親父と話してたの聞いたけど、行くのか?」

「うん。爺ちゃん達と行くつもり」

「道場も再開して、爺さんまた元気になったんじゃないか?」

「そ。教え子の生徒なのに、細かいことは教えてるし……心配だから大人しくしててほしいんだけどなー」

「楽しみにしてるんだからいいんじゃないか?でも、神社ならまたあの可愛い巫女さん居ないかなー?」

重春……その巫女は男だ!!!

本当はとても歳食ってる神様でお・と・こ!

以前、大国さんの巫女姿を見た、幼馴染の二人。

理髪店の息子の重春と、近所に住む和敏。

この二人はたまに神社に行って巫女さん探しをしているらしい。

罪な男だよ大国さん……

だからといって夢を壊したらきっとショックで立ち直れないだろうなぁ。

学校について教室に入ると、もう祭りの話がチラホラと出ている。

聞いていると、駅には大きなポスターが貼ってあるらしい。


「___翔平」

「ん?」

「聞いてた?」

「何が?」

「もー!俺ら高校最後の夏だぞ?女子誘っていこうって言ってるんだけど、二年の終わりに俺ら撃沈してるから、この新しいクラスの女子を誘ってだな……」

「和敏……がんば!」

ポンと肩を叩いて、俺は祖父母と行くことを言うと、青春よさらばーと馬鹿なことを言われた。


ほんとにさらば青春だよ。


受験に向けてみんな夏休みから塾とかに行くとは聞いているが、俺は申し込まなかったので自宅学習。
それで受かるのかどうかはわからないが、近くの大学しか受けないので、運まかせといえば運任せ。

それに、神様の仕事が来たら、塾どころじゃあない。

祖父には塾にいけと言われたが、兄も説得してくれたので行かなくて済んだのはいいが、渡された参考書は分厚すぎるほど分厚く、何冊もある。

それを全部やるという条件付きだったが、元々塾は嫌いだから、行かなくて済むのならそっちのがいい。

「昼飯ここで食う?」

昼休みに聞くと、みんな弁当を持ってきていたので、飲み物だけ買いに行き、教室で弁当を広げる男三人。

「何だかんだと三年間同じクラスだな」

「進学クラスだから仕方ないと思うけど、小学校から12年も一緒かー。長いよなー」

「小中はクラス別れた時あったけどね」

そんな話をしながら大体一日がすぎ、午後の授業を受けてから帰宅する。

流石に二人は四月から塾に行ってるので帰りは一人だが、校門に差し掛かる時はつい警戒してしまう。

また「お兄ちゃーん」なんて……って、「え?」

振り向くと、ブルーのスモッグに黄色い帽子。斜めがけの黄色のカバンを下げて元気に手を振る園児……

「大国さん……」
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