八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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平穏な日々

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周りは可愛いだのなんだのと言っているが、実際はオッサン所か爺さん?

とにかく神様だし!

また弟とかレッテルを貼られるのが嫌で、親戚の子と誤魔化して自転車の後に乗せて押して歩く事に。

「もー、校門に来るのやめてくださいって言ったのに。その格好で……」

「女子高生のがよかったか?」

「ちょ……それはそれで問題だらけですから!」

「祭りのことは聞いたか?」

「はい。爺ちゃん達と行こうと思ってて。ダメでしたか?」

「いや?来て鈴鳴らしまくって活躍してくれ。祖母殿も多分見えるはずだからな」

「そのために鈴ですか?」

「半分はな。てことで俺は忙しい」

「忙しいのに園児服で来ないで……」

「だから、栄養をつけようと思ってだな、晩飯を食いに来た」

「じゃあ、家に来てくださいよ」

「それじゃあストレス発散にならんだろう?」

そんなストレス解消しないでほしい……

「なぁ翔平」

「なんですか?」

「寂しかったか?」

思わず自転車を止め、じーっと大国さんを見ると、ちょっと頬を膨らませて目をそらしているが、少し顔が赤い。

て、照れてるのか?

園児服だからかものすごく可愛く見える!

「心配は……してました。爺ちゃんからも色々聞いて、俺が十七代目当主って聞いたし、ちゃんとしなくちゃとは思ったし。でも、連絡も何も無いから神棚の掃除だけでもと思ってしてたんですけど」

「知っている。いい気をたくさん送って貰っていた。礼を言う」

「は?神棚ですよ?」

「あの中に、俺の神社の札があるだろう?」

「あ……」

「今の人間の暦での年間行事と言うやつには逆らえんし、そこでいい気が集まると格も上がるから疎かにはできないんだ」

「頑張ってたんですね、大国さん」

そう言って近くの駄菓子屋に自転車を止めて、大国さんと中に入る。

「ここは?」

「駄菓子屋です。安いお菓子がたくさんあって、美味しいんですよ?好きなの選んでください」

「ぉぉおおお!!!」

いくつか見ながら大国さんが選んだのは、五円玉チョコ。

「こ、これを買ってくれ!」

一つのチョコの袋を持って、目をキラキラさせているので、他にもきな粉菓子や、お煎餅、ミニヨーグルト等を駄菓子屋のおばちゃんに渡して袋に入れてもらい、お金を払ってから大国さんに渡す。

「良かったねぇ、優しいお兄ちゃんで」

「お、おばあちゃん、ありがとう」とお辞儀をしてる大国さん。

その心境を聞きたい。

自転車の後ろに乗せると、「この五円玉は食べられるのか?」

「チョコなので食べれますよ?他のも美味しいんで夕飯のあとに食べてください。明日のおやつでもいいですし」

「し、翔平」

「はい?」

「ありがとう」

自転車を止めて玄関から入ると、「あらあら、大国様いらっしゃい」と祖母の嬉しそうな声。

「久しぶりだな。変わりはないか?」

「みんな元気にしてますよ。今日は……あら、駄菓子屋さんに寄ったんですか?」

「翔平が買ってくれたんだ」と袋を見せびらかしている。

俺共々、手洗いうがいをさせられ居間に行くと、祖父と迦具土も大国さんを見て驚いてはいたが、テーブルに並べたお菓子自慢を散々聞かされ、「俺は食ったことがない!」と迦具土が拗ねた。

拗ねるなよ!!!

「園児姿でこられたら買うよな?俺、駄菓子屋のばあちゃんに、『優しいお兄ちゃん』ていわれてるからっ!」

食べたそうに見てくる大国さんだったが、匂いで今日は肉じゃがだとわかったので伝えると、ゴソゴソと袋に戻している。

素直すぎるところがなんだか怖いが、落ち込んでるようにも見えるので、こちらが心配になる。


「源三郎、ちょっと話がある」


そう言って祖父の部屋に二人が行ったので、机に突っ伏し、「なんか疲れた」と言うと、「俺も疲れたわ!」と迦具土もお茶を飲みながら何やらブツブツと言っている。

「急にどうしたんだろうね」

「爺さんに話があったんだろ?」

「今の当主俺なんだけど」

「昔の話とか?」

「そんなふうには見えなかったけど……」

お盆におかずを乗せて持ってきた祖母が、「もう夕飯だから、そんなに長くはならないんじゃないかしら?」と言い、迦具土が炊飯器を持ってきたので、食器棚からお茶碗を出す。

その食器棚の中に、100円ショップで買った子供茶碗や汁椀、お皿とお箸セットが入っているのでそれも取り出す。

なぜだか柄が今流行りのアニメの絵が描かいてあり、お箸セットも同じ柄で揃っている。

まるでうちに小さい子がいるみたいじゃないかと言うと、「一人いるじゃないか」と普通に答える迦具土。
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