八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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夏祭り

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「テチさん、石長さんと爺ちゃん達が!」

「鳥居か?」

「そ、そう……」

そう言うとエプロンを外して、白いTシャツにジーンズ姿となり、屋台の裏側から物凄い速さで駆けていく姿を見送り、走り際に「イカを頼む」と言われたのを思い出し、祖母にどうしようと聞くと、早速屋台の中に入り、「あらやだ!焦げちゃうわ」などと言っている。

祖母に危機感なんてあるのだろうか?

「ほら、翔平。お客さん!」

「う、うん。いらっしゃいませ」

何故かパックに入っていたイカ焼きを売りながら、祖母が焼いていくイカをパックに詰めていく。

こんなことしに来たわけじゃぁ無いのに。

しかも、爺ちゃん達が変なものと闘ってるのに俺はイカを焼いてるなんて!

どの位祖母とイカを売っていたのかわからないが、汗を拭きながら「いらっしゃいませー」と顔を上げると、ニヤニヤとこちらを見てくる迦具土の姿。

「あ、終わったの?」

「まぁな。テチが居たからぶん投げてもらって、俺が燃やして終わりってとこか?」

「何言ってるんだ!俺の短刀がビューっと伸びて目に当たったからだろう?」

「は?伸びた?伸縮自在かよ!」

「よく分かんないんだけどさ、石長さんが狙われてたから前に立ってたんだよ。でも短刀だろ?剣より長くならないかなって思ってたら伸びた!」

「石長さんは大丈夫なの?爺ちゃんは?」

「二人とも今は座ってもらってる」と指さす方を見ると、二人で椅子に座っているのが見えたので安心し、テチさんは?と聞くと、大国さんの屋敷の方へと行ったと言う。

報告か何かだろうか?

それよりも、このイカ焼き地獄から早く解放してくれ!!!

「迦具土ー、手伝ってよ」

「俺は護衛!純平にしてもらえよ」

「兄貴ー!」

「俺は石長さんと爺ちゃん見てるから無理」

「酷っ!」

「ほらほら、翔平も騒いでないでイカを串に刺してちょうだいな。まだお客さんいるんだから、純平達はお爺さんを頼むわよ?」

「婆ちゃん、見てくれば?少しなら俺も見てたからわかるし、その間くらい兄貴達に手伝ってもらうから」

「いいわよ。ここから見えたもの。それに、のんびりとお茶飲んでるから元気な証拠でしょう?」

動じない婆ちゃん凄い!と思ってみると、少し足が震えていた。

すぐに治まったが、前にもエプロンを握りしめていたこともあるし、本当は心配なんだろうに……頑固なんだから!

「兄貴」

目でチラッと祖母の方を見ると、分かってくれたのか、「婆ちゃん、俺がイカを最高に美味く焼いておくから、ちょっと行ってきなよ」

そう言って中に入って来たのを迦具土が上手く外に出し、祖父のところに連れていく。
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