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夏祭り
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「入るぞ」
迦具土が門を押して開けると、左右には手入れの行き届いた草花が沢山あり、奥の方には橋と池が見えた。
どうやったらこんな屋敷がたつんだろう?
それに、ここは神社から繋がってる場所と言っても、どこなんだろう?
「きゃー、姫様!すぐにお手当を!」と使用人の人達がバタバタと走っていき、治療のあいだ応接間で待たされた。
しかも畳の上に絨毯。
ふかふかのソファに、ものすごく大きなテレビ!
ここにこんな物がいるのか?
「迦具土、迦具土は来たことあるの?」
「何度か。このテレビとか椅子とかいらねーよなー。貰ってく?」
「いやいや、うちに置くとこないでしょ!」
「それにしても、近代的というか……なのにテレビの横に盆栽……」
「爺ちゃんそこ?見てよアレ!」と天井を指さす。
そこには龍の絵が書いてあり、まるでこちらを見ているようなリアルさで怖いぐらいだった。
「一般的に『雲龍図』と言われてるものだな。なんで自分の家の応接間とかに飾るのか意味わかんねー」
「それにしては見事なものだ。私も若い頃に、いくつか見に行ったことがあるが、これはまるで生きてるみたいに見える」
「絵なのでしょう?私達女からしたらちょっと怖く見えるけどねぇ」
話をしている間に、おくつろぎ下さいませとお茶が用意され、最初にどっこいしょ!と言いながら座ったのは兄。
「何だよ……」
「だって、普通に自分の家みたいにくつろいでるから」
「する事ないし。あまり違う部屋を見て回るのも失礼だろ?」
「あー、石長さんのこと気になるんだー!」
「アホかお前は!でも、まぁ……転んだ時にあんなに血が出る怪我してたの知らなかったのは俺だから、あとが残らないといいんだけどな」
「あ、うん」
その横から割り込むように、「そうよー、まだ嫁入り前の大切なお嬢さんなんだから」と訳の分からないことを言っている祖母。
お茶とお茶菓子が運ばれてきたのと同じ頃に、八意さんが部屋に入ってきて、「どっこいしょ」と座り、「もうすぐウズメちゃんもテチも来るから」と言うが、肝心の大国さんはいつ来るのだろう?
「そう言えば、石ちゃんはどうしたんじゃ?」
「ちょっと怪我しちゃったので、今手当してもらってるんです」
「そうか……テチから話は聞いたが、迦具土や祖父殿の判断は良かったのぅ。儂もイカ焼きが食べたかったが、こちらはこちらで忙しくて……」
「八意さんは何してたんですか?」
「ふむ!!!」
ふむじゃなくて、内容を言え!
「大国様の補佐じゃ!」と胸を張っているが、神様たちはたまに、『様』と言ってみたり、『殿』と言ってみたり、階級とかが全く分からなくなるることがある。
良く考えたら、迦具土は石長さんよりも上の立場になるし、八意さんはこの国を作った人達の枠に入る……んだよな?と頭の中で、前に迦具土に教えてもらった図を思い出す。
「八意さん、皆さんの関係って……」
「ん?」
「テチさんのことがイマイチ分からないんですが、前に読んだ本で、天宇受売命……ウズメさんは猿田彦命の奥さんになったけど、直ぐに未亡人になったんですよね?」
「そうじゃよ?実家に帰っていた猿のが、溺死してしもうてのぅ。あれは可愛そうじゃったが、ま、天照大神の時の岩がくれの時は、"せくしい"な衣装で踊ってくれたから、八百万の神々も大喜びじゃった」
「えーと、天照大神の孫がニニギさんなんですよね?」
「そうじゃ」
「俺、ニニギさん関係の人にほとんど会ってませんか?」
「そう言えばそうじゃの。ま、アイツはトラブルメーカーみたいなものじゃし、天から降りた神でもあるからのぅ」
「大国さんもですよね?」
「あやつはちょっと違うが、簡単に言うと儂らが天に居るとしたら、大国はこの国を支配しているドンみたいなものじゃ。須佐之男命の娘のスセリと一目惚れで恋に落ちた時には、落ち着くかと思うたんじゃが、結局は女に目がなくてのぅ。180もの子をこう、沢山……まぁ、作ったんじゃよ」
迦具土が門を押して開けると、左右には手入れの行き届いた草花が沢山あり、奥の方には橋と池が見えた。
どうやったらこんな屋敷がたつんだろう?
それに、ここは神社から繋がってる場所と言っても、どこなんだろう?
「きゃー、姫様!すぐにお手当を!」と使用人の人達がバタバタと走っていき、治療のあいだ応接間で待たされた。
しかも畳の上に絨毯。
ふかふかのソファに、ものすごく大きなテレビ!
ここにこんな物がいるのか?
「迦具土、迦具土は来たことあるの?」
「何度か。このテレビとか椅子とかいらねーよなー。貰ってく?」
「いやいや、うちに置くとこないでしょ!」
「それにしても、近代的というか……なのにテレビの横に盆栽……」
「爺ちゃんそこ?見てよアレ!」と天井を指さす。
そこには龍の絵が書いてあり、まるでこちらを見ているようなリアルさで怖いぐらいだった。
「一般的に『雲龍図』と言われてるものだな。なんで自分の家の応接間とかに飾るのか意味わかんねー」
「それにしては見事なものだ。私も若い頃に、いくつか見に行ったことがあるが、これはまるで生きてるみたいに見える」
「絵なのでしょう?私達女からしたらちょっと怖く見えるけどねぇ」
話をしている間に、おくつろぎ下さいませとお茶が用意され、最初にどっこいしょ!と言いながら座ったのは兄。
「何だよ……」
「だって、普通に自分の家みたいにくつろいでるから」
「する事ないし。あまり違う部屋を見て回るのも失礼だろ?」
「あー、石長さんのこと気になるんだー!」
「アホかお前は!でも、まぁ……転んだ時にあんなに血が出る怪我してたの知らなかったのは俺だから、あとが残らないといいんだけどな」
「あ、うん」
その横から割り込むように、「そうよー、まだ嫁入り前の大切なお嬢さんなんだから」と訳の分からないことを言っている祖母。
お茶とお茶菓子が運ばれてきたのと同じ頃に、八意さんが部屋に入ってきて、「どっこいしょ」と座り、「もうすぐウズメちゃんもテチも来るから」と言うが、肝心の大国さんはいつ来るのだろう?
「そう言えば、石ちゃんはどうしたんじゃ?」
「ちょっと怪我しちゃったので、今手当してもらってるんです」
「そうか……テチから話は聞いたが、迦具土や祖父殿の判断は良かったのぅ。儂もイカ焼きが食べたかったが、こちらはこちらで忙しくて……」
「八意さんは何してたんですか?」
「ふむ!!!」
ふむじゃなくて、内容を言え!
「大国様の補佐じゃ!」と胸を張っているが、神様たちはたまに、『様』と言ってみたり、『殿』と言ってみたり、階級とかが全く分からなくなるることがある。
良く考えたら、迦具土は石長さんよりも上の立場になるし、八意さんはこの国を作った人達の枠に入る……んだよな?と頭の中で、前に迦具土に教えてもらった図を思い出す。
「八意さん、皆さんの関係って……」
「ん?」
「テチさんのことがイマイチ分からないんですが、前に読んだ本で、天宇受売命……ウズメさんは猿田彦命の奥さんになったけど、直ぐに未亡人になったんですよね?」
「そうじゃよ?実家に帰っていた猿のが、溺死してしもうてのぅ。あれは可愛そうじゃったが、ま、天照大神の時の岩がくれの時は、"せくしい"な衣装で踊ってくれたから、八百万の神々も大喜びじゃった」
「えーと、天照大神の孫がニニギさんなんですよね?」
「そうじゃ」
「俺、ニニギさん関係の人にほとんど会ってませんか?」
「そう言えばそうじゃの。ま、アイツはトラブルメーカーみたいなものじゃし、天から降りた神でもあるからのぅ」
「大国さんもですよね?」
「あやつはちょっと違うが、簡単に言うと儂らが天に居るとしたら、大国はこの国を支配しているドンみたいなものじゃ。須佐之男命の娘のスセリと一目惚れで恋に落ちた時には、落ち着くかと思うたんじゃが、結局は女に目がなくてのぅ。180もの子をこう、沢山……まぁ、作ったんじゃよ」
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