八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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夏祭り

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「翔平とやらは、頭が悪いのか?」

テチさーん!

気にしてることを!!!

「いや、翔平はいくつものことをするのが苦手なだけですよ?」

「いや、そうなのか……俺を呼びに来た時、単語で話してたような気がしたからてっきり」

「ほほほ、それもそうねぇ。でも、テチ様がちゃぁんと分かってくださったから良かったわ」

「婆ちゃんまで……」

「ふむ。ならば、ウズメちゃんの言うようにしようかのぅ。おお、忘れておった!道真公が国語という物ならば教えられると張り切っておったから、祭りのない昼間はこの奥のいつもの家に行くといい。そこに来ると言うておった」

「え?何しに来るんだろう?」

「屋根裏の書物がどうのとしか聞いておらんが」

「あぁ、わかった。なるべく顔出すようにしますけど、祭りの件はできる限り皆さんで……ってならないですよねー」

「あぁぁぁ!」

いきなり叫び出した大国さんに、みんなが驚きみると、大人の姿に戻り、ヤバイヤバイと言いながら出かける支度を始めてしまっている。

まだ話の途中なのに!

「大国さん?」

「すまん、ウズメ、お前なんの踊りを踊ったんだ!ものすごい気の塊が社に向かってきてるぞ!」

「ちょっと、セクシーな踊りを混ぜただけじゃ」

「だからいろんな神の気がこっちに来てるのか。八意、迦具土一緒に来てくれ」

「なんで俺なんだよっ!とっとと帰せばいいだろうがっ!」

「屋敷にいると気付くのが遅くなるから嫌なんだよなー!帰らせようにもウズメが踊るのを見せて宴会でもさせんと帰らんだろう」

「仕方ないのぅ。話はまた後でじゃ。今日は泊まっていくといい」

そう言って四人で出ていったのはいいが、残された石長さんはいいとして、テチさんと何の話をすればいいのだろう?

体も大きいし、あまり話さないし、ん?……押し付けられた……なんてことは無いよな?
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