八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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奈良へ__

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一旦家に帰って、今後のことは後で連絡をすると言われたものの、なんにも連絡が無い!

とは言っても、まだ二日しか経ってないが、調べても場所を絞り込める訳でもないので待つしかないが、突然連れていかれることがない訳では無い。

一応、小さいカバンに準備だけして、いつもと変わらない日々を送るが、勉強をしていても気になってそれどころでもない。

そして迦具土もまだ帰ってこず、俺はどうしたらいいんだと頭を抱えること数十回。


それでも食欲には勝てず、昼はそうめんをすすり、夜は煮物中心の晩御飯を食べ、祖父母に聞くもわからないの一点張り。


頼むからこのまま何事も起こりませんようにと願うばかりだ!

日中はいつ呼び出されるか分からないので、兄からもらった参考書と、問題集をやれるだけやり、ご飯と風呂意外は常に机にかじりついていると、憔悴しきった迦具土が、「もう無理!」と人のベッドになだれ込んでくる。


「もー、自分の布団で寝ろよー」

「あー、その前に風呂……の前になんだっけ?明日の朝にいつもの家に来いってさ」

「え?わかった。それより早く風呂入れよ!前の服のまんまじゃん」


見た限り相当疲れてるのはわかるんだが、なぜ俺の布団に来るのか理解不能。

そろそろご飯もできる頃だと一旦伸びをして一階へおりていくと、カレーのいい匂いがすると同時に、ハンバーグの匂いもする。

我が家でトッピングといえばチーズくらいなのに!


そう思っていくと、ちゃっかり子供椅子に座りフォークとスプーンを持った大国さん。


毎度変わらず園児服だが今日は黄色なのか……

プピーッとなるお子様椅子にしっかりと座りご飯を待つ大国さん。


ここはあなたの食堂ではない!


しかも出てきたのはデミグラスソースのハンバーグ。

中を割るととろーりチーズ!


そして俺のはただのハンバーグ。

なんだこの差は!?


「翔平、顔に出てるぞ?俺はずるいハンバーグが食べたいと言ったらこれが出てきたんだ」


そんなずるいは要らないと思うが!


「で、どうしたんですか急に。しかも服の色変わってるし」

「よく気づいたな!青は平和、黄色は注意、赤は危険だ!」

「信号かよ……」

「今、石長がいくつか調べてくれてるんだが、また週末に行ってもらいたいところがある。まずは一つ目だ」


そう言いながらボロボロと零しながら話すので、食べるか話すかどっちかにしてくれと言いながらおしぼりを渡す。


「どこまで行くんですか?」

「都だ。祭りとは関係ないんだが、ちょっと困ったことがあってな、こちらには呼べないし、行って話を聞いてきてくれないか?やることはこちらでのことと変わらん」
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