八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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奈良へ__

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確かに腹持ちはするが、栄養が偏るだろう……

じゃがいもで死なぬって何だ?

「そうねぇ。よく使うけれど、じゃがいもだけではねぇ。ほほほほほ」

婆ちゃん、なにかズレてるから!

「さてと、出来たから行きましょうか」

みんなで戻って、食事を配っていると、大国さんが帰ってきて暫くしてからみんなが戻ったので、揃って食事をし、片付けはテチの所の使用人がするからとそのまま送ってくれたのはいいが、始まったのは大国さんと迦具土の喧嘩。

「ちゃんと足りない分の金は払ったぞ!」

「当たり前だ!買って来いって言われて買ってきたが、何に使うんだよ!修学旅行生か俺は!」

「いいじゃないか。一番みんなが見なれてるものだろう?」

「何本買わすんだよ!ジロジロ見られて恥ずかしかったんだからな」

「俺が買う方がおかしいだろう?」

「姿変えて買えばいいだろ?」

目の前にはお土産屋さんのシールの貼ってある木刀。

しかも10本……

ほんとに、何に使うのだろう?

「おい、源三郎。迦具土を止めてくれ」

「そう言われましても、人数分より多いのでは?それに、120センチの木刀をどうされるのですか?」

「そ、それはだな……」

「ふむ!」

そこで『ふむ!』とか言っても貫禄のひとつもない。

それに、大国さん、テチさん八意さんと道真さんに俺と迦具土。

持つと言っても6本で十分なのに10本だと……

「あ!まさか、爺ちゃんと婆ちゃんの分も?」

「そうそう」

「でも、二本あまりますよね?」

「そ、それはだな……」

迦具土が大国さんの胸ぐらを掴んで、「言え!何に使うのか言え!」と叫んでいるが、園児を脅してるようにしかやっぱり見えない。

「み、土産だー!悪いかー!」

「アホかー!今から夢殿行くのに土産買いに行かせる神様がどこにいるんだ!」

「ここに居るだろう!迦具土、小姑みたいになってきてないか?あー、やだやだ。口うるさい小姑」

パーンと気持ちのいい音が鳴り、大国さんが襖まで吹き飛ぶと同時に、ほっぺたを抑えながら「祖母殿ー」と駆け寄りシクシクと膝で泣く姿は、可愛らしい園児。

殴った迦具土は悪者にしか見えないが、言い分は迦具土が正しい。

「誰が小姑だ!佐野家はまだ誰も結婚してないわー!」

「あ……そうだった」

そうだったって……

「で、何に使うんですか?」

そう聞くと、やはりみんな気になっていたのか、道真さんと八意さんまで大国さんを興味津々で見ている。

「鈴から翔平は力が出るだろう?ほら、弓みたいな薙刀みたいな変なやつ」

変とか言うな!

「今回、道真と興福寺に行ってもらった時に、鈴に多少の神気が入ったはずだ。その鈴を使うのは救世観音から光背を引っこ抜いた時」

引っこ抜く?

「それまで力が弱まるから、振れば当たるであろう木刀!しかも一番大きい120センチを鈴の代わりの媒介にと思ってな」

「確かに振れば当たると思いますけど、かなり重いですよこれ……」

「術で軽くしてやる。後、俺達の気も入れる。そうする事で、雑魚ぐらいはぶん回せば消し飛ぶだろうが、たまに厄介なのが出るんだ……ほら、あの学校の時みたいなの」

「え?あんなの出てきたら俺無理……」

「だから、素早く終わらせたい。ただ、問題があってな……」
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