八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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石長比売の決断

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ルンルンと嬉しそうな大国さんは、しっかりと祖父と祖母の間で手を繋ぎ、迦具土と二人で後ろからついて行く。

「馴染んでるよなー。爺ちゃんたちの曾孫で行けるんじゃない?」

「お前、それよりもあいつら二人にしていいのか?」

「うん。二人で話せる時間いるんじゃないかなって思ったんだよ。兄貴もぶっきら棒に言ってたけど、本当は石長さんを助けに行くほどきっと好きなんじゃないかな?石長さんは気を使いすぎるところがあるから、兄貴の前では素直になってくれるといいんだけど」

「お前……恋愛なんてわからんて言ってたくせに」

「この位はわかるよ。だって、兄貴があんな顔して黙る時って怒ってる時だもん。石長さんが決めたことって言っても納得してないからあんな顔してたんだと思うんだ」

「兄弟だからわかる……ってやつか。ま、二人に任せるとして、走っていったぞ?不良園児……」

「え?」

祖父母もポカーンとしており、スーパーの入口でカートの上にカゴを入れて、祖母と回ってきてと迦具土に言ってから、祖父を連れてお菓子売り場へと行くと、小さな子供用のカゴを持って駄菓子を選んでいる大国さん。

「おお、遅かった……な?」

「大国様、ここはそのような格好の子供が一人で走り回って良いところではありませんぞ?他の買い物客の方々にぶつかったらどうするのですか?誰かが怪我をしたら、大国様が怪我をしたら、今の見た目の状態では、私たち家族が放ったらかしにしていたと世間では見ます。
良いですか?スーパー等、その姿で来るのなら、カートに乗るか、ちゃんとそばに居るかして下され。罰としてお菓子は……」と籠を取り上げると、手を伸ばして「返せー」と言っているが、今の大国さんからしたら、祖父は大男。

曾お祖父さんに怒られる曾孫の図の完成だ。

「もう走らん。皆について行く。おやつも一個で我慢する。だからカゴー!」

そんなやり取りをしていると、やはり周りからはジロジロと見られてしまうので、祖父が屈んで、大国さんにカゴを持たせ、「私とて大国様にこのようなことは申したくはなかったのです。ですが、近年ではこのくらいの年の子供が親の手を離れて遊んでいる隙に、人攫いにあったり、勝手に出ていって車に轢かれたり、危ないことも多いのです。
せめて、人間の住まう所にいる時だけ、私たちのお願いを聞いてくだされ」

「うん、済まなかった源三郎。翔平も」

「爺ちゃん」

「では、一緒に選びましょうか。懐かしい菓子が沢山ありますな」

ウキウキし出す祖父におやつは300円まで!と言って、近くのチョコレートが置いてあるところへと行き、三つ選んで持っていく。

「源三郎、これはなんだ?キラキラした袋に菓子が入ってるのか?それと、これは……」と仲良くしているので、祖母のところまで行ってチョコレートをカゴに入れると、「虫歯になるわよ?それにお菓子は300円迄でしょう?」と言われる。

俺の扱いは大国さんと同じかよ!!!

「勉強してると、甘いものが欲しくなるの!ちゃんと歯磨きするから買って!」

「翔平、ちゃんと合格しなさいよ?」

ぐさーっと来る言葉と共に、ほほほと言いながら果物を選ぶ祖母。

「この間、たくさん買いだめしちゃったからねぇ。純平と石長さんを二人にさせてあげたかったんでしょう?」

勘の良い祖母を持つと、ちょっと怖い。

でもその通りなので、自分の考えと、先程大国さんが怒られていたことを話すと、果物をカゴに入れてお菓子売り場へと行く。

まさか……お説教?
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