八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

文字の大きさ
75 / 103
お盆祭り

.

しおりを挟む
「温泉入って浴衣を着ないとご飯後食べれないって言うんだっけ?」

「そうそう。石長さんが教えてくれたんだけど、それで大人しくなってくれたらラッキー位に思っておこうと思って」

「だな。それと、待ち合わせ場所……時間通りに着くと思うんだが、間に合わなかったらタクシーで行くしかないな」

「バスは?」

「もしかしたら間に合わないかも……そこまで詳しく載ってないし。よし、晩飯の前にどこまで進んだか見ておくか!」

「ええ?今から?今日は休憩させてよ」

「ちゃんと出来てたらな?」

部屋に行って参考書を見た兄は、少し考えながらも「まぁいいか」と言いながら、帰ってきたら続きやれよと言ってくれたので、何とか大丈夫なのだろう。

「迦具土ー!飯ー!」

「俺は家政婦か!」

「割烹着着てるから?」

「まだ時間に早いから、テレビでも見て待っててくれ」

「今晩何?」

「焼肉」

「じゃあ、机の上のもの退けておく」

焼き肉の準備が出来たところで、肉ではなくピーマンや輪切りの玉ねぎを置いていく伽具土。

「何で野菜置くんだよ!肉だろ肉!」

兄と二人二人で抗議するものの「俺は野菜が食べたいんだ。まだ焼く場所があるだろう」と言われ、隅の方にお肉を置くが、ど真ん中で焼きたい!と、兄と二人で野菜を隅の方へと追いやる。

「あぁ、俺の野菜......」

「焼き肉は前にも食っただろ?お前も肉食えよな」

「食うよ。食うけど先に野菜が食いたいんだ俺は!」

「そんな喧嘩しなくても置くところは沢山あるだろう?のんびりと焼けばいいではないか」

「久しぶりの焼き肉だよ?爺ちゃん達のぶんなくなる勢いだよ?兄貴よく食うし」

「それを言うならば翔平だろ?」

わぁわぁと言い合っていると、いつの間に焼いたのか、祖母が「お肉柔らかいわよ?ほほほ」と呑気なことを言っている。

焼肉の後は、やはり窓を開けていても部屋が焼肉の匂いでいっぱいになると言いながら、台所など網戸のある場所をとにかく開けていくのだが、よく考えてみると、今年は一度も蚊に刺されていない。

「迦具土、結界の中に蚊はいないの?」

「居るが、あの耳元でブンブンと得る際のが気に食わなかったから排除した」

「だから居ないのか……」

「翔平は食われるのが好きなのか?」

「好きなやつなんて誰もいないから!ただ、なんで居ないのかなと思っただけ。お皿後頼んだよ。俺、風呂当番だからお湯貼ってくる」

お風呂の支度をしてから順番に入り、明日早めに家を出ようと兄が言ったので寝ようと部屋に行くと、しっかりと布団が敷かれていた。

「ここで寝るんだ……」

一階では祖父母がエアコンをつけないので上に来たのだろうが、男二人で寝るにはいつものエコモードでは少々暑い気がしないでもない。

だからといって真夏に来られると正直嫌だ!

暑いものは暑い!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

死霊術士が暴れたり建国したりするお話

はくさい
ファンタジー
 多くの日本人が色々な能力を与えられて異世界に送りこまれ、死霊術士の能力を与えられた主人公が、魔物と戦ったり、冒険者と戦ったり、貴族と戦ったり、聖女と戦ったり、ドラゴンと戦ったり、勇者と戦ったり、魔王と戦ったり、建国したりしながらファンタジー異世界を生き抜いていくお話です。  ライバルは錬金術師です。  ヒロイン登場は遅めです。  少しでも面白いと思ってくださった方は、いいねいただけると嬉しいです。

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

【完結】あやかし団地 管理人見習い日誌

双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。 最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

処理中です...