八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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お盆祭り

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朝、起きろと起こされて支度をして一階へと行くと、祖母が時間が無いだろうとおにぎりを持たせてくれた。

「純平、あなたお兄ちゃんなんだから翔平のこと頼んだわよ?」

「大丈夫だって。わかんなくなったらタクシー使うから」

「翔平、お宿代と交通費。今回は多く入れておいたから無くさないようにね」

「うん。兄貴達の買い食いに注意する」

そのあと散々文句を言われながら、バスと電車に乗って新幹線の車内へ着いた時には、兄はもうお腹が壊れるんじゃないだろうか?と言うくらい、迦具土の改札での出入りに笑い通し。

「これでも慣れたんだ!」

最初の頃の話をすると更に笑いだし、姿を消して通り過ぎたいという迦具土に、可愛いを連呼している。

これで良く怒らないもんだ……

大人になったな迦具土!

そう思ったのも束の間。

いつもの言い合いが始まったので、「煩い!」と言って、自販機で買ったお茶と祖母のおにぎりで朝ごはんを食べてしまう。

まだまだ先は長いのにちゃんと着けるのだろうか?

京都駅からバスに乗ろうと思うものの、流石の兄も車でしか来たことがないからとバス乗り場の前でウロウロ。

仕方なく地元の方であろう人に行き方を聞き、やっとたどり着いた時にはかなりヘトヘトだったが、鳥居の前で迦具土が「鈴を用意しておけ」と言うのでポケットにちゃんと入っていることを確認する。

入ってから本当にすぐ右手にまた鳥居。

その右奥に御札が山のようについた物があり、目の前には社務所。

着くまでにネットに書いてあった書き込みを見たからか、ものすごく気持ち悪い感じがするのに、海外から来ている観光客は絵馬の写真やムービーを撮っていた。

「書いてあることわからないから怖くないんだよねきっと」

「だろうな。俺、ちらっと見たけど流石は縁切り寺って言われてるだけあると思うよ。あの鳥居の前になんか書く場所あったぞ」

「あ、兄貴。俺、パンフと御朱印もらってくる」

兄はいいと言うので御朱印をもらい、小さな絵馬も二つ買う。
迦具土は神様だからきっと要らないだろう。


「兄貴、はい、絵馬」

「マジで?」

「うん。あのお札の貼ってあるのは元々この絵馬の形なんだって。えっと、下の穴を通れなければ一周する形で貼ってきたらいいって言ってた」

「俺のは?」

「迦具土、神様じゃん」

「チッ!俺も札だけ貼る!」

貼るのはいいが何を書くんだろう?と机の置いてあるところに行って、良縁と縁切りの所に書いていると、横ではジジイとの縁を切ってやる!と神様にお願いするのに神様の名前を書いている。

いいのか?

「書けたか?」

「うん。兄貴何書いた?」

「秘密!迦具土はバレバレ」

「いいんだよ。みんなが知ってることだし。お前ら拝むなら拝んでこい。俺はとっとと貼ってくる」

「拝まないんだ……」

「拝むか!それに、うずめの気がしてるから直ぐに合流だぞ?」

「じゃあ早くしないと」

ゆっくりと拝んでのんびり見ていたいのだが、どんな格好で来るのかと思うだけで急がされる俺たちって何なんだろう?
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