八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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神気と力

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一旦家に帰りたいと言い、帰ってすぐに祖父母にお土産が無いことを謝り、大国さんと迦具土から聞いた話を、面倒なので迦具土にしてもらう。

祖父は腕を組んだまま何か考えていたが、祖母はピンと来ないのか、いつも通り大国さんに晩ご飯はどうするなどと聞いている。

「兄貴、晩飯食べていけるだろ?」

「ああ。夜は帰るけど」

「兄貴は大国さんの話わかった?」

「半分くらい?何か、俺の中では何も変わった感じがしないけど、社で振り回してた時は疲れとか全然感じなかった位かな?」

「楽しそうに暴れてたもんね」

「まあな。素戔嗚尊ってもっと怖いかと思ったら、結構面白いおっさんだったし、振り回せーとか言うから……お前はそんなに疲れたのか?俺はその弓は見てないけど、社では既にお前疲れてたしなぁ」

「だから、神気ってのは説明しにくいんだ……かと言って、大国様が追加で神気を渡した形跡もない。これは、元々翔平が持ってたちからだと思うんだが……って寝るな!」

パッシーン!と遠慮もなく大国さんの頭を叩く迦具土。

神様の位とかそんなのは俺にはまだよく分からないけど、この二人が仲が悪い訳では無い。

「殴ることは無いだろ!」

祖母殿ーと、ポンと小さくなり、祖母の後ろに隠れるのはいいが、兄弟の末っ子を虐める兄ちゃんにしか見えないから辞めてくれ……

「あ、婆ちゃん。夜どうするの?」

「それなんだけど、前から行きたいって迦具土君が行ってみたいって言っていた回転寿司にでも行く?純平もいるし、たまには外食もいいと思うんだけど」

「ほんとに?迦具土、回転寿司だって!」

「回る寿司か?」

「だからー、お皿が回ってくるの。あれ?お皿は回らないけど、流れてくる……見たらわかるよ」

「お、俺も……」

「もちろんですとも。でも、洋服をその園児服から着替えて頂かないと」

これではダメなのか?と言う大国さんに、手招きする祖母。

部屋から出ていって戻ってきた時には、半袖の水色のロゴ入りTシャツに、ジーンズと園児にしてはお洒落な格好をさせられている。

ウエストはゴムだが……

「婆ちゃん、それどうしたの?」

「買い物に行った時に似合いそうと思って買ったんだけど。若いお母さんが選んでいたのを見てねぇ、曾孫にって話したら店員さんも選んでくれて。ほほほ」

ほほほじゃねぇ!

曾孫って設定やめてくれ。
兄貴の子と言えばそれはそれでおかしくはないが、五歳だとしても二十三の時の子。
ちょっと早いじゃあないか!
母親は……石長さん?

「翔平、考えがダダ漏れだ。石長も呼ぶか?」

迦具土が言った瞬間、またもやドスッと尻もちをついて現れる石長さん。

キョロキョロと周りを見るも、兄の顔を見て赤面しつつ、「こ、こんにちは」と挨拶されるので「こんにちは」と言いながら、目線を大国さんに移す。

それを見てひとつ頷いたので、行く準備をして外に出ると、どこで覚えたのか大通りに出て人が増えたところで「パパー、ママー」と間に入り、手を繋いで上に手を引っ張ってもらって遊んでいる。

その姿なんだから、卵だけ食えよ?と思ったのは言うまでもない。
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