下宿屋 東風荘 8

南の島のおじいちゃん

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あんなに元気で海に潜っていたお爺さんが、病気で治らないなんて信じられない。


大人達は次々と決めていくが、まだ身内で亡くなった人を見た事がないので、自分は何をすればいいのだろうと考えてしまう。


「雪翔、深く考えんでも良い。人も、我ら狐も寿命はあるのじゃ。向こうでは、出来うる限りわがままを聞いてやれば良いと思うがの？」

「う、うん。でもどうやって？僕、こんなこと初めてだからわかんないよ」

「雪翔や子供たちの顔を見れば元気も出ますよ。さてと、あちらに持っていくものを支度してください。薬は忘れないように！」


そのあとは慌ただしく準備が進められ、周太郎に、風の一族の三郎と四郎も祖父の護衛で着いてくることとなり、重次が到着次第、一旦南の屋敷に行くことになった。


重次が到着したのはそれから一時間後。

色々と準備をしてたのであっという間だったが、冬弥の術で行くと言うので、お茶を飲んで少しゆっくりしてもらってから移動する。


「婆さん、あとの事は頼む」

「分かってますよ。行ってらっしゃいませ」

その後はいつもと同じように、白く光ったと思ったらすぐに違う社の前に出る。