下宿屋 東風荘 8

南の島のおじいちゃん

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「あの子達は何を言ってるんです？」

冬弥が不思議そうに聞いてくるので、去年のことだと話して見ていると、煌輝がコソッと出てきて、何処からか釣竿を持ってきて金と銀に渡し、翡翠と紫狐以外は釣りを始めてしまった。


そんな翡翠はお爺さんの膝の上！


「どうしよう……」

「いいんじゃないですか？あの子達なりに気を使ってるんですよ。しかも那智と夏樹さんは壺を引きあげに行きましたしねぇ。私も野菜でも抜きに行ってきます」

「え？でも、お見舞いじゃないの？」

「雪翔、もうアザが出始めています。長くて三日でしょう。お爺さんの喜ぶことをしてあげませんか？」

「そうは言っても……」


少し悩んだ後に、栞とバアバを連れて機織り機へと行く。


「あら、着物の反物がこんなに。これは冬弥とご当主たちのね」

「こんなに沢山？去年は僕も潜って貝で紫に染めたんだ。それは冬弥さんの着物のだったんだけど、これ、茶色いのと白っぽいのはおじいちゃん達のかな？」

「だと思うわ。こっちの機織りは作りかけの……髪紐？」

「奥様、こちらにはまた違った髪紐が……」

「あらやだ！私達が洋装だからそれに合わせてくださったのかしら？」