下宿屋 東風荘 8

南での三日間

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「とにかく近くに社があったはずだから、俺が連絡してくる」

「待って！誰に？」

「冬弥に決まってるだろ？」

「ダメダメダメ！ぜーったいにダメ！」

「雪翔、そんなことを言っても、その首のマークが何を意味するのかわからん訳では無いだろう？また前のようなことがあれば、私と夏樹、風の一族だけでは守れん」

「大丈夫。僕も戦えるもん。でも、まだこれが何を意味するのか分からないんだ……余計な心配掛けたくないし、冬弥さんに言ったら那智さん達にも知られちゃうじゃん」

「当たり前だろう」

「だからダメなんだよ！那智さんは島のお爺さんの事があったし、航平ちゃんも今、那智さんを支えてる。なのに、何かもわからないことで不安にさせたくないんだ。明日には東に行くんだし、酷くなるようならちゃんと言うから」


何とか報告は辞めてくれたが、付かず離れずついてきていた三郎と四郎が居なくなったので、冬弥だけにでもと社に向かったのかもしれないが、きっと、冬弥なら何を考えているのかわかってくれるだろう。