下宿屋 東風荘

浅井 ことは

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居候

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一通り話を聞き、お礼を言ってから近くのベンチに腰をかける。

「親御さんの記入欄の下に、代理人として私が書くところがありますから、先に書いておきます」

書かなくてはいけないところを埋めて、用意しておいた手紙を入れて封をする。

「あ、ノリが無いけど。僕借りて……」袖を引っ張り座りなさいと促す。

「この位出来ますよ」と手でなぞり封筒を閉める。

「凄い。ちゃんと閉じてる」

「後はこれを郵送したら良いだけですね。このプリントは預かります。制服の採寸の日が書いてあるので、私が付き添います。お母さんにはその旨は手紙にしたためてありますので大丈夫ですよ」

「はい。来る時に郵便局見なかったんですけど」

「この学校からなら反対方向なんです。が、近いですよ」

校門を出て、下宿に帰るなら左。反対の右に曲って直ぐに郵便局が見える。

中で切手代を払って送る手続きをしてから、そのまま大型ショッピングモールへと出かける。

「ショッピングモール?」

「最近出来たんです。洋服から日用品、食材まで何でも揃ってますし、今日は広告も入ってました。日用品が安いようですし、商店街より色々と選べると思いますよ」

「はい」

「何を買うんです?」

「これなんですけど」と紙を渡される。

___
フライパン小・中
ヤカン小
菜箸
コップ2つ
トイレ用品
洗剤とスポンジ
珈琲
紅茶
焼きそば
ラーメン
割り箸
___

「これだけなので商店街でもいいと思ったんですけど」

「そうですねぇ。まぁ、見学も兼ねてと思えばいいのではないですか?私も数回食料品を見に行っただけなので」

「混むところ嫌いなんですか?」

「嫌いですねぇ。狐……動物は鼻がいいんですよ。匂いがきついのは嫌いなんですが、まだ午前ですからそんなに混まないと思いますよ?」

話ながら歩いていると着くのも早いが、相変わらず大きな建物だといつも思う。
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