🗡️🐺Roda『The One Who Opens the Door to the World』(ローダ・世界の扉を拓く者)

🗡🐺狼駄(ろうだ)

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第2部『Candidate selection(候補者の選択)』

第10話『Black of Intruder(漆黒の侵入者)』 A Part

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 エドナ村襲撃からたったの4日。規模こそ不明だがまたしても敵襲である。
 ルシア・ロットレンは、託児所の仕事を放り投げエドナ村南の深い森へガロウと向かう手筈てはずを整えた。託児所の先生シスター姿で戦地に赴くおもむく

 その様子に『俺も征く』と宣言したローダ・ファルムーン。
 然し彼は何度もべるが騎士見習い。剣か代替品が無ければ戦うすべを知らぬ筈。

 ローダが周囲を慌てて見渡す。
 倒壊した家屋の中に槍の様な物を見つける。
 迷い無くそれをつかみ上げる。先端に返しの付いた鉾先ほこさき。何故かロープも絡んでいた。

 形状こそ似通っているが武器でなくもり。漁村ならではの道具。

「これで良い、悪いが借り受ける。後で必ず返す」

 貸し借りする相手が何処にも居ないのだが愚直ぐちょくに黒い頭を瓦礫がれきの山に下げるローダ。
 後は凛々りりしき顔を上げ、無言で『どうした? 早く往こう』とルシアをかす。

「お、おぃ。ルシア此奴?」

 ルシアからの携帯端末メッセージを受け、教会の離れから即座にガロウ・チュウマが合流。
 気持ち逸るはやる馬の如き青年の姿を顔しかめながら指差す。

 ルシア、独り金髪の頭を抱えた。
 から英雄待遇たいぐうを推し貫く気概きがいあふれ出る判りやすさ。最早止めるのも憚れるはばかれるさまだと感じた。

ないなんだあ? ワイお前も着いてくつもりか? 良か、じゃっどんだけども遠慮はせんでなしないぞ

 睨みにらみ付ける髭面をローダに寄せ、ガロウがき付ける。
 エドナ村南の森は大変奥深く、素人しろうとが道案内抜きで搔きかき分けるには非常に苦労をいるのだ。
 ガロウだけは、そんな深い森の道無き道を良く頭に叩き込んでる。彼の地元にはもっと荒れ果てた森が横たわっていた。

 ガロウに着いて往ければそれで良い。裏腹的に出来なければ迷子、最悪森に潜む偽りの美女達ドリュエルから精気を吸い尽くされる危険を孕むはらむ

「問題ない」

 相も変わらずボソッとローダは応えるのみ。自信の在処ありかが判らない。
 ガロウは『真っ直ぐ過ぎるそんなお前が一番問題』と斬って捨てたい置き去りにしたい処だが、ローダ青年の目が『心配無用』と折れぬ気持ちを告げて来た。

「良っしゃあっ! じゃあいっど征くぞ!」

 たった三人のResistance反乱分子が勇気だけで村の石畳いしだたみを力強く蹴り進んだ。

 ◇◇

 一方、黒い侵入者達。
 エドナ村の南に位置する深い森を湛えたたたえたアマンという名の山中。進攻の只中ただなかを不気味に往く。

 コボルト達は元々犬の様に鼻の利く森の生物。彼等に道案内をさせ、気楽な進軍続ける3人の強者達。

「何で俺達がこんな何もないド田舎を徒歩で往かなきゃならねえんだ?」

 赤い頭髪生やした褐色かっしょく巨躯きょくな女が頭後ろを両手で抱え、如何いかにも面倒そうな文句をれる。全身の筋肉が膨れふくれ上がり自然の鎧を成していた。

「止ん無きこと。何しろあのマーダ様を破った者がこの村に居ると聞く。俄かにわかに信じ難い話だが」

 全身が黒い上下の剣士が赤い女へ真面目に応える。
 正反対過ぎる低身長。背負った大太刀たちの方が余程目立つ。黒髪で倭刀わとうとくれば東洋人を彷彿ほうふつさせるが瞳の色だけ氷の様な青さを帯びる。

 応えたこの男さえ半信半疑はんしんはんぎ
 彼が忠義を示す暗黒神は、自分達と同じ番号持ちがたばになっても敵う訳がない。
 そんな化物じみた存在、これ迄一度も適ったことなどないのだ。

「まあ暇を持て余してたから構わねぇけどよ。ただ……それでも気に入らねぇのが混じってやがる」

 この偉丈夫いじょうぶな女。
 アドノス島を8割方占領せんりょうして以来、生きる糧やり甲斐を見失い、この細面の剣士に着き従って暇をつぶした。

「道案内の犬共コボルト族か? 仕方あるまい。この森迷ったが最期、森の女共ドリュエルとらえられたら女の貴様とて危ういのだ」

 段々だんだん応えるがわずらわしく思えて来た剣士。
 彼自身、この女が何故自分に付き纏うまとうのか理解出来ない。興味さえもいだかない。

「違う、違うぜ。一番後ろに居る黒い奴だ。アレこそじゃねぇのかよ」
「……マーダ様の命だ。余計な詮索無用せんさくむようというもの」

 小指で耳を穿りほじり耳垢みみあかを飛ばす色気を捨てた女戦士。振り向かずに殿しんがり蔑むさげすむ

 応えた小さな剣士さえ実の処、同じ気分に苛立いらだっていた。『俺だけ寄越よこせば事足りる』言いたい台詞を押し殺す。

「──嫌ってくれて大いに結構。俺等種族の在り方そのものだからなぁぁ。仕方ねえなぁぁ」

 前往く二人は小声の悪口。
 それにもかかわらず長くて細い黒耳に届いていた。語尾をやたらと伸ばす自己主張。
 受けた嫌がらせを寧ろむしろ芳醇ほうじゅんなワインでも飲む愉しむが如く、気色悪い笑みを満面にたたえた赤目。

 闇の賢者ダークエルフ、ツギハギの如き縫目ぬいめが残る顔。頭髪も痛々しい火傷のあと

 森の賢者たるエルフ達とは似て非なる爪弾きつまはじき者。
 ダークエルフの肌は黒。黒とは光から色彩を認識出来ない状態を示す。

 ヴァロウズNo8のダークエルフの男『オットォン』
 色彩光景の内に落とす。その意義を此処に示すのだ。
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