🗡️🐺Roda『The One Who Opens the Door to the World』(ローダ・世界の扉を拓く者)

🗡🐺狼駄(ろうだ)

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第3部『Chaos Surrounding the World(世界を取り巻く混沌)』

第26話『Dive into my breasts!(飛び込め私の胸に!)』 A Part

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 ラオ守備隊、命散らした者共を火葬でとむらった夜の浜辺。
 皆、思い想いの感情。ルシアとローダは波打ち際と星降る夜、不謹慎ふきんしんにも酔いしれた一夜。

 今宵こよいのローダ青年は珍しく自分語りが多く、特に燃え滾るたぎる火について大いに口を開いた。
 彼はアドノスシチリア島に渡る以前、孤独な独り旅の最中、焚火たきびの不思議さ面白味に我のさびしさを忘却ぼうきゃく出来た。

『焚火とは1秒たりとて同じものは在り得ない。天候、燃やす、何より周囲の景色情景。これらが渾然こんぜん一体で全く異なる絵面えづらを見せる』

 ルシア、何故こうもローダが楽し気なのか正直理解度は低かった。
 だがそんな些細ささいは捨て置き、彼が雄弁ゆうべんなのが嬉しくひたすら傾聴けいちょうするのを楽しんだ。

 巨人退治が終結した翌日、目的果たしたローダ一行はフォルテザ市街に帰るものだと思い込んでいた。

「う、海……!?」
「み、水着!? そ、そんな」

 綺麗処ルシア&リイナがよもやな海遊びをプリドール・ラオ・ロッソから誘われ困惑こんわく気味。
 昨夜葬式そうしき執りとり行った舌の根乾かぬうちな在り得ない呼び止め。ラオの人々は基本陽気らしい。

 季節は初夏、目前に広がる遠浅の波間煌めくきらめく誘惑
 なお、ラオ自治区は22世紀以前、アドノス島の旧名シチリア北東付近。リゾート地『Taorminaタオルミーナ』辺り。

 だが22世紀初頭、吹き飛ばされたエトナ火山を始め、様々な天変地異が在った所為せい多彩たさい過ぎる変化をげた。その点、海に関わる観光地が未だ続くラオは過去の街並みを奇跡的に残した方。

 漁村エドナに居を構えた二人だが海は仕事場、遊ぶ思考がそもそもないのだ。女性が海水浴で真っ先に思い当たる水着の御洒落おしゃれなど考えた事柄ことがらなく大いに戸惑うとまどう

「大丈夫、二人共可愛いから俺が見繕みつくろってやんよ」

 実に頼り甲斐がいある経験値歳上女性な高めな女性プリドール。されどやけに執拗いしつこい断り切れぬ誘い文句。

 フォルテザで待たせているドゥーウェンへ通話連絡した処『OK! 好きなだけ遊んで下さい』と快諾かいだく
 斯くかくして退遊び慣れしてないルシアとリイナが流れに身を任せる羽目になる。

 女同士、三人連れ添って水着選びを含む買い物。当然至極しごく一日をようした。
 チーズクリームを包んだ伝統的焼き菓子『Cannoloカンノーロ』やスイカ果汁で作るゼリー『Gelo・ジェーロ・di・ディ・melloneメローネ』等を堪能たんのう

 男二人、ローダとジェリドはラオ守備隊が待機するとりでにて待ち惚けぼうけを喰らうのだ。
 男の水着選び?
 そんな味も素っ気そっけも無い話なぞ即刻割愛ぶった斬るに決まっている。

 翌日──。
 初夏、天高く昇る陽光が熱気呼び込む。最早もはや水着無くとも水浴びDivingせずに要られぬ絶好の海水浴日和びより

 男共──ローダ、ジェリド、ランチア。その他大勢どうでも良い男共
 海辺へ先乗り、サッサと場所取りに励みはげみ女性陣を待つだけの凡庸ぼんようてっする。

 そこへ人生初水着をはじらう乙女二人。水着の上から何れ脱ぐ脱ぎ捨てられる運命にあるTシャツ羽織はおったルシアとリイナが静々しずしずと現れた。

 シャツの下から開けたはだけた水着がかえって男心の性的欲求を刺激する。遊び慣れない二人は知らぬのだ。

「ろ、ローダ……」
「あ、うん……? そ、そう言えばプリドールさんは?」

 何時になく歯切れ悪いルシアの第一声。
 シャツの下から覗くのぞくきわどき深緑の何とも頼り無い腰下周りボトムス部分と、上半身白いシャツでは全く以って隠し切れない胸元トップス。首元かられる金色のロザリオが豊満ほうまんな胸を悪目立ちさせていた。

 此処で敢えて言わせて頂く『ローダは朴念仁ぼくねんじんが酷過ぎる』
 勇気振り絞って水着初披露はつひろうのルシアを目端めはしに入れながら、他の女の行方ゆくえたずねる底辺な発言。

「あ……準備があるから後から来るとか言ってた気が……」

 それでも二歳年上御姉様の決してめげない恋心。

 やはり無駄な着衣であるTシャツを中途半端ちゅうとはんぱに脱衣。腕だけに残すチラリズム、上目遣いうわめづかい羞恥しゅうちで自然の赤みチーク装いよそおい新たに愛しいとしのローダへ『どう?』とせまるのだ。

 海鳥達も同時に飛び発ち、奇跡的自然ナチュラルなレフ板と化す美麗びれいなる様子。ボブカットの肩口迄伸びる金髪が陽光に照らされ一際ひときわあでやか。
 ワンピースな水着かと思いきや、胸元部分トップスお腹周りが分離セパレートしていた。森の緑と瞳色が揃いそろいで大人過ぎす、かと言って子供ではない冴えさえ渡る演出煽動

 ゴクリッ……。
 ローダ青年、暑さでのどかわいた訳ではない……した以上のがそこに居た。彼女ルシアの誘う視線絡むのを感ずる。

「き、綺麗だ。……す、凄くすごく似合ってる」

 熱い砂浜へ腰をヘタリと落としながらも、勇気振り絞り如何どうにか賛美さんびを送る青年。此方も遊び慣れなどしてない天然の口から洩れた発言。
 例え恥ずかしくともローダにめられ、御満悦ごまんえつのルシアがひざ抱え隣に腰を下ろして

「ろ、ローダさん……わ、私の水着。へ、?」

 青年が意識手向たむけぬ二人目からの誘いいざない。今日のローダは何やらモテ期到来とうてい? 或いあるいは他に気に掛かる男が居ないのか?

 長い銀髪を解き放ち、海色の瞳をたたえたリイナ14歳がせる穢れけがれ知らずな純白水着。普段は修道服シスター姿で隠した激しき姿形。

 此方も一見ワンピースに見えるが、その実ボトムス部分を縛る腰紐覗くこしひものぞくセパレート。
 金色のネックレスがこれまた胸の膨らみ迄伸びて映え渡る。煌めききらめき放つ海を背景スタジオ波飛沫なみしぶき弾くはじく白い若い柔肌やわはだ眩しまぶし過ぎて直視出来ない絵画かいが


 はじらいながら『私の水着、変ですか?』こう聞いて来る女子の大半は『変な道理が皆無意味不明
 そもそも『水着が変?』ちょっと何言ってるのか解せない判らない? 世の男子は大抵そう思いまどわされるものだ。

 ゴクリッ……。ローダ、本日二度目の生唾なまつば

「か、可愛いよ。す、少しも変じゃない」

 こればかりはローダに激しく
 他に応じられる言葉が見当たらない。オウム返し以外の選択肢が在り得ない辛み。

 ──むぅ?

 14歳の本気を見せ付けられ22歳のルシアが頬膨ほおふくらます仕草しぐさ。『貴女リイナ彼氏居なかった?』爆弾発言NGワード吐きたい本音。

 さりとて遊び足りぬ若者達は知らぬのだ。
 個人的算段さんだん抜きで海へ誘ういざなう清廉潔白せいれんけっぱくなる29歳独身女性など無きに等しい絵空事えそらごとを。
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