🗡️🐺Roda『The One Who Opens the Door to the World』(ローダ・世界の扉を拓く者)

🗡🐺狼駄(ろうだ)

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第3部『Chaos Surrounding the World(世界を取り巻く混沌)』

第27話『Falling down into my mind(私の心へ堕ち往く)』 A Part

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 プリドール・ラオ・ロッソの可愛い英雄ヒーロー横取り作戦はとどのつまり失敗に終わった。
 寧ろむしろルシア・ロットレンとのきずながより深みを増したやも知れない。

 何しろ生命誕生の起源きげんと伝えられる海、互いの仲を染みしみ入る程深め合うには、剥ぎはぎ取るのが不可欠ふかけつな場所。成り行きとはいえ結果美味く成し得た次第。

「──いやあ、若いって良いですねぇ……本当にうらやましい限りです」

 探索盗撮用のドローンが送る映像情報をひたすら覗きのぞき込んでた学者面したドゥーウェンの

Masterドゥーウェン? 今回の覗きは流石に感心しないのですが。──それにMasterドゥーウェンが本音で欲しいのは海岸での恋愛模様ドタバタではなく、同じ場所に打ち捨てられてる人型兵器の部品ですよね?」

 性別的に女性であるベランドナハイエルフが珍しく冷たい視線をドゥーウェンへ送り届ける。水着姿な男女の成り行きを盗撮探索するふしだらな行為は容認出来ないのが必然。

 増してや彼等と同じ成人男子でありながら実の処、そこには全く魅了みりょうされない人間性を垣間かいま見ると、流石の彼女とて正直引くのだ。

 びた鉄屑てつくずにしか見えぬ兵器の残骸ざんがいへ送るドゥーウェンの熱い視線が女性異性裸体らたいめる様に眺める見つめる男性女性のソレと変わらないのが異端いたんに映る。

 チャリッ。金縁きんぶち眼鏡の位置を人差し指で直すドゥーウェンの愉悦ゆえつ

「仕方ないじゃないですか。アレを手に入れ復元出来れば、こんな僕が失われた文明の遺産いさんを復刻させる神に等しき功績こうせきを残せるのですよ」

 男女の交接まぐわいで誰でも残せる生める子孫子種より、300年以前の真祖本物から眷属Customを生み落とせる自分にしかやれぬと思い込んだ仕事に魅了された取り憑かれたドゥーウェン。

「それに……ウカウカしてられないのですよ。異能? 魔法? そんなまやかしめいた物より着実な力を付けなきゃぁ……僕達この島終わっちゃいますよ?」

 300年前、全世界を震撼しんかんさせた挙句あげく、人間共を絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅへ追いやった人型兵器の力が欲しい。

 それは技術者でなくとも理解し得る話。
 なれど彼が小馬鹿にしている異能のたぐいと兵器がまじわってこそ成し得た地獄の沙汰さたなのだ。

 ◇◇

 ラオから飛び発つセスナ軽飛行機搭乗時、透き通った海を見つめながらローダ青年がよこしまな想いにられていた。

 ──ルシア……本当に綺麗だった。それ…から……。

 海中で意中の女性から乳房いだかれた現実を夢見の様にローダは感じ反芻はんすうし続ける。
 あんな強引な誘いリードがなければ例えどれだけ自分から恋慕アプローチしようが想い重ね合う恋愛なんて成就じょうじゅ出来やしない弱気

 未だ彼はルシアに心の声恥ずい告白が届いているのを知らぬ。
 加えて彼女の自分に対する想い恋心さえも全く以って自信がなかった。

 されど今回の出来事で漸くようやく彼女の気持ちを理解出来た……所詮しょせん他人の想いだ、完全とは言い難いが。

 チラッ……。
 セスナ軽飛行機の窓に映り込んだ後部座席へリイナと座るルシアの脚組み重なる太腿目配せめくばせ

 エドナの砂浜で初めて共に戦い、偶然同じ教会に住居をかまえた。
 けれども総て偶然の積み重ねに過ぎず、所詮高嶺たかねの花だと思い込んでいた。

 フォルテザでは同室で寝泊りしたおり『一緒寝ない?』と夢の誘いいざないを受け、海では『折角せっかくだから泳ご?』と引っ張られた挙句、向こうから抱き締められた。

 奥手おくてという以前の問題。ひとを心底れた試しがない恋愛知らない彼。
 恋愛成就じょうじゅ──何を以って達成Goalと判断すれば良いのか未だ判らぬ田舎貴族出身。
 だが幾らいくら何でも自分に気が在ると思わずには要られない欲求。

 ──気が付けば乳房ちぶさ天国膨らみへとの視線が流れる様に走り往く──

 ──いやいやいやいや待て魔手待てぇ、やわらか過ぎんだろッ! 反則だろぅあんなんッ!

 壊れゆく元貴族な箱入り息子、恐らく悪気わるぎない魔性女性Bodyカラダ堕落する彼落ちるオトコ
 肌に残留し続けるマーキングされた逃れのがれ切れない。決して在り得ないのに気がしてならぬ妄想その先

「ンッ? どしたの?」

 女性は何故にこうも自分に注がれる意識へ過敏かびんに成れるのか?
 ガラス越しという淡いあわいローダの目線に重なる屈託なさそな実は計算してそな緑の瞳。

「なッ、!」

 プィッ! ……首毎全力で視線外す見えた否定バレバレ
 主導権Initiative取られた捉えた落ちる上がる互いの気分Tension
 思わず苦笑微笑せざるを得ないせずに要られない

 ローダ・ファルムーン、彼は普段口数少ない冷静クレバー人物──。
 されど明らか過ぎる慌てぶりに心底満ち足りる彼女ルシア承認欲求しょうにんよっきゅう

 上昇した途端とたん落ちる下降するこのセスナ軽飛行機の航路が如く、彼は疑いの余地なく私に恋した航路を定めた。彼が生き残る未知は私へ着陸着地以外の選択肢がないと決め込む。

 ニタリッ……。

 ──もぅ、ひと押し。必ず私のたもとへローダをとす。カラダを張った甲斐かいがあったわ。

 恋愛初体験、初めてヒトを好きに為った初心ウブな筈の彼女。
 長いリイナの銀髪を『相変わらず綺麗よね』と弄るいじるをしながら気持は彼氏ローダの元へ全集中。

 上前跳ねた素首獲れたと思い込み『必ず堕とす』身勝手決めた彼女の方も実の処ぶっちゃけへ落ちてる以外考えられない恋路の自動航路AutoPilotに気付いてない現実Real

 御互い『初めまして』を意識した彼氏彼女。初恋の相手男女大方おおかた良い方向へは転ばぬ綱渡りの

 だからのどから手が出るほど欲する自主破りし事実。
 けれど誰しも最後の一歩が踏み出せずに『甘酸あまずっぱい』で終焉しゅうえん迎える恋の行末ゆくすえ

 果たしてこの二人の恋路こいじ如何いかに? 
 役割──?
 運命──?

 そんなもの最早投げ捨てた情熱の旅路を二人は、セスナ軽飛行機みたいに危なかっしく飛んでいた。
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