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第1章 誕生日と入学式と行方不明事件
3.ピンクのもふもふ
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「くっ……!」
好きなものを認める。それはつまり、花が好きなことを認めろということだろう。けど、それを認めたから何になるってんだ。今のオレは、ライオン頭のカイブツに首根っこを掴まれて、宙づりにされてるんだぞ?
「カズキさん! 早く! 言ってください! お花が好きだって!」
二宮の声がする。
ああもう! ワケがわからないことだらけだ! なら、ダメもとで二宮の言葉を信じてみよう! 何もしないよりかはマシなはずだからな!
「オレは、花が……っ」
何とか、言葉を振り絞る。けど、花が好きという言葉を口に出すのは、抵抗がある。だから、オレはこう言った。
「……キライでは、ない」
「もっと素直になりましょうよ……」
二宮が呆れたようにそう言った。けど、これが今のオレの精一杯だ。
「何をぶつぶつ言っていル! 早く、我が何者かを教えるのダ!」
ライオン頭のカイブツが、オレの制服のえりをさらに強く引っ張った。その瞬間、
「うわっ!?」
オレの体は、燃えさかる炎に包まれた!
……けど、全然熱くない! 何だこれ!?
「ぬうッ!?」
ライオン頭のカイブツが、慌ててオレを放り投げた! どうやら、カイブツは熱さを感じているらしい!
地面に放りだされたオレは、盛大に尻もちをついた!
「いてて……。ん?」
尻の痛みをこらえて何とか立ち上がったオレの前に、ナゾの生き物が立っていた。
背は身長百六十センチのオレの半分くらい。全身はピンクのもふもふした毛皮でおおわれており、まるで時代劇に出てくる忍者がまとうような黒い服を着ている。そして、顔はシバ犬だ。
「何だお前!?」
「お前とは失礼なやつじゃな。せっかくワシが助けてやったというのに」
忍者のような恰好をしたピンクのしば犬は、尻尾をぴこぴこと動かしながらそう言った。
助けてやったとはどういう意味だろう。というか、可愛いマスコットみたいな見た目をしているのにしゃべり方がおじいちゃんみたいだなこいつ。
「まあよい。名乗ってやろう。ワシはシバザクラのフラワースピリットじゃ。『シバ』とでも呼んでくれ」
「シバ……?」
シバザクラのフラワースピリットの、シバ……。
そういえば、さっき二宮は言っていた。フラワースピリットとは、花の精霊のことだと。つまり、このピンクのしば犬は花の精霊ってことか?
「ふう、良かった。やっと、カズキさんも『共鳴者』になれたようですね」
「さっきも言ってたけど、何なんだよ共鳴者って」
「うーん。くわしく説明したいところですが、今は逃げた方がいいと思いますよ」
顔を上げて、オレは気づく。ライオン頭のカイブツが、オレをにらみつけていることに。
……これは、間違いなく怒っているな。
「人間! よくも我の自慢の毛を燃やしてくれたナ!」
「いや、体が燃えたのはオレの仕業じゃないんだけど! オレも何で燃えてるのかわからないし!」
必死で叫ぶが、ライオン頭のカイブツには通じない!
ライオン頭のカイブツは、再びオレに向かって手を伸ばしてきた!
……まずい! また捕まる!
「やれやれ、世話がやけるのう」
ため息交じりのシバの声が耳に入った直後、オレの体はさらに激しく燃え上がった! そして次の瞬間――
「か、刀!?」
オレは、燃えさかる炎の刀を握っていた!
「ぐうッ! 熱イッ!」
どうやら、ライオン頭のカイブツはこの燃えさかる炎には近づけないようだ! ライオン頭のカイブツは、伸ばした手をあわててひっこめた!
『カズキ!』
「お、おう! って、どこから声がするんだ……?」
気が付くと、シバの姿は消えていた。だけど、オレを呼ぶ声が聞こえる。一体、どこに居るんだ?
『ここじゃよここ! 今、お主が握ってるじゃろ!』
「オレが握ってるって……。えっ、まさかこの刀がしゃべってるのか!?」
『そう! この刀はワシが変身した姿じゃ!』
あのピンクのしば犬が、燃えさかる炎の刀に変身しただって!? もう、ありえないことが起こりすぎて気を失いそうだ! けど、ここで気を失ったらまたあのライオン頭のカイブツに捕まってしまう!
……とりあえず、あれこれ考えるのはこの場をどうにかしてからだな!
『さあ、カズキ! ワシを横に振るのじゃ!』
「急にそんなことを言われても……」
『いいから、早く振るのじゃ!』
「わ、分かった……」
シバの勢いに押し切られてしまった。でも、どうしよう。刀なんて振ったことがないぞ。
……とりあえず、野球のバットを振るような感じで振ってみよう!
「……せいっ!」
刀を思い切り横に振る! すると、オレの体を包む炎が消えた! その代わりに、オレとライオン頭のカイブツの間に巨大な炎のカベが現れた!
「うわっ! すげえ!」
『そうじゃろう、そうじゃろう! ワシはすごいんじゃ!』
「よし! 今のうちに一旦逃げますよ!」
二宮がオレの左手をぐいとつかんだ。そしてそのままオレを引っ張って走り出した!
『こら! ワシを引きずるんじゃない!』
声がして、オレは気付いた。右手で持った刀の刃の部分が地面に接触して、ガリガリと音を立てていることに。
「ごめん! けど、手に力が入らなくてしっかり持てない……」
慌てて刀を持ち上げようとしたが、重くて持ち上げられない。さっき、刀を振る前までは軽く感じていたのに!
「『鳴力』を使いすぎて疲れちゃったっぽいですね」
「めいりょく?」
「フラスピと心を通わせて共鳴者になると特殊な力を使えるようになるんですよ。それを私たちは鳴力って呼んでます」
フラワースピリット――略してフラスピと心を通わせて共鳴者になると使える特殊な力、か。ゲームや本の中に出てくる魔法みたいなものだと思えばいいのだろうか。
「どうやら、カズキさんの鳴力は炎を出せる刀を操ることができるといったもののようですね。強力そうな鳴力で良かったです」
「……色々と説明してくれるのはありがたいが、すまん。もう限界のようだ」
しばらくの間、二宮に手を引かれて走っていたが、足にも力が入らなくなってきた。このままだと、間違いなく転ぶ。
「大丈夫ですよ。助けが来たようです」
「えっ?」
「ほら、あそこを見てください」
二宮が、前方をビシッと指差した。その方向には、オレンジ色の物体がある。……というか、オレンジ色の物体が近づいてきている! 何だあれ!
「お待たせなの~」
近づいてきたオレンジの物体の正体。それは、オレンジの毛皮を持つ大きな羊だった。多分、ちょっとした自動車並みのサイズだ。しかも、オレの聞き間違いじゃなければ喋ったよな? このでっかい羊。
「カズキさん。この羊さんは『ガーベラ』のフラスピである『ベラ』さんです」
ガーベラ。春や秋に咲く花の名前だ。
赤や黄色、白や緑、そして、オレンジ。とにかくいろいろな色のガーベラが存在する。
見た目から察すると、ベラはオレンジのガーベラのフラスピってことになるんだろうな。
確か、オレンジのガーベラの花言葉は『神秘』とか『冒険心』とかだったはずだ。
ガーベラは明るくて華やかだからプレゼントに適した良い花なんだよなあ。オレも好きな花の一つだ。
……いや、違う! 好きじゃないぞ! 嫌いじゃない花の一つだ! 断じて好きじゃないからな! って、誰に言い訳してるんだオレは!
「よろしくなの~」
「あ、ああ。よろしく……」
喋るライオンとシバ犬の次は、喋る羊か。うん、さすがにもう驚かないぞ。そう思ってベラを見上げた瞬間、俺は驚いてしまった。何故なら、ベラの背中に金髪の男が乗っていたからだ。目は青くて、いかにも外国から来た王子のような見た目をしている。白馬に乗った王子様ならぬ、羊に乗った王子様といった感じだ。
オレがじっと見ていることに気づいたのだろう。金髪の男はオレに向かって話しかけてきた。
「おっ。キミがカズキくんやな! ワイは花守中学二年B組の四ツ谷・フィーア・シローっちゅーもんや。気軽にシローって呼んでええで!」
まさかの関西弁!? こんな、外国の王子様みたいな見た目をしているのに関西弁!?
しかも、同じ中学に通う先輩!? というか、名前がすごく長いな!?
どうしよう。ベラには驚かなかったけどこの先輩の存在には驚いてしまった。とりあえず、呼び捨てにするのは失礼だから、シロー先輩って呼ぼうかな。うん、そうしよう。
「あ、カズキさんが固まってる。まあ、驚きますよね。意外なしゃべり方をする人ですから」
そう言って、二宮は口を押さえて笑った。
オレの反応を見て、完全に楽しんでるな、こいつ。
「さあ、二人とも! とにかくベラの背中に乗るんや!」
「了解です。さあ、乗りますよ! カズキさん!」
「分かった! 分かったから引っ張るなって!」
体に力が入らないため、二宮に肩を貸してもらいながら、オレはベラの背中に乗った。ベラの背中は、すごくもこもこしてて気持ちいい。
「うむ! もこもこして乗り心地が良いのう! 花丸じゃ!」
「うわっ! びっくりした」
ベラの背中に乗った瞬間、オレが握っていた刀は赤い光を放って消えた。代わりに、オレのすぐ隣にピンクのしば犬――シバが現れた。どうやら、変身を解いたみたいだ。
「さあ、ベラ! 出発や! 目的地は、北にある城や!」
シロー先輩が指さした方向には、大きな木造の城が見えた。どうやら、あの時代劇に出てきそうな城に向かうらしい。
「分かったの~。出発するの~」
そう言って、ベラは走り出した。
好きなものを認める。それはつまり、花が好きなことを認めろということだろう。けど、それを認めたから何になるってんだ。今のオレは、ライオン頭のカイブツに首根っこを掴まれて、宙づりにされてるんだぞ?
「カズキさん! 早く! 言ってください! お花が好きだって!」
二宮の声がする。
ああもう! ワケがわからないことだらけだ! なら、ダメもとで二宮の言葉を信じてみよう! 何もしないよりかはマシなはずだからな!
「オレは、花が……っ」
何とか、言葉を振り絞る。けど、花が好きという言葉を口に出すのは、抵抗がある。だから、オレはこう言った。
「……キライでは、ない」
「もっと素直になりましょうよ……」
二宮が呆れたようにそう言った。けど、これが今のオレの精一杯だ。
「何をぶつぶつ言っていル! 早く、我が何者かを教えるのダ!」
ライオン頭のカイブツが、オレの制服のえりをさらに強く引っ張った。その瞬間、
「うわっ!?」
オレの体は、燃えさかる炎に包まれた!
……けど、全然熱くない! 何だこれ!?
「ぬうッ!?」
ライオン頭のカイブツが、慌ててオレを放り投げた! どうやら、カイブツは熱さを感じているらしい!
地面に放りだされたオレは、盛大に尻もちをついた!
「いてて……。ん?」
尻の痛みをこらえて何とか立ち上がったオレの前に、ナゾの生き物が立っていた。
背は身長百六十センチのオレの半分くらい。全身はピンクのもふもふした毛皮でおおわれており、まるで時代劇に出てくる忍者がまとうような黒い服を着ている。そして、顔はシバ犬だ。
「何だお前!?」
「お前とは失礼なやつじゃな。せっかくワシが助けてやったというのに」
忍者のような恰好をしたピンクのしば犬は、尻尾をぴこぴこと動かしながらそう言った。
助けてやったとはどういう意味だろう。というか、可愛いマスコットみたいな見た目をしているのにしゃべり方がおじいちゃんみたいだなこいつ。
「まあよい。名乗ってやろう。ワシはシバザクラのフラワースピリットじゃ。『シバ』とでも呼んでくれ」
「シバ……?」
シバザクラのフラワースピリットの、シバ……。
そういえば、さっき二宮は言っていた。フラワースピリットとは、花の精霊のことだと。つまり、このピンクのしば犬は花の精霊ってことか?
「ふう、良かった。やっと、カズキさんも『共鳴者』になれたようですね」
「さっきも言ってたけど、何なんだよ共鳴者って」
「うーん。くわしく説明したいところですが、今は逃げた方がいいと思いますよ」
顔を上げて、オレは気づく。ライオン頭のカイブツが、オレをにらみつけていることに。
……これは、間違いなく怒っているな。
「人間! よくも我の自慢の毛を燃やしてくれたナ!」
「いや、体が燃えたのはオレの仕業じゃないんだけど! オレも何で燃えてるのかわからないし!」
必死で叫ぶが、ライオン頭のカイブツには通じない!
ライオン頭のカイブツは、再びオレに向かって手を伸ばしてきた!
……まずい! また捕まる!
「やれやれ、世話がやけるのう」
ため息交じりのシバの声が耳に入った直後、オレの体はさらに激しく燃え上がった! そして次の瞬間――
「か、刀!?」
オレは、燃えさかる炎の刀を握っていた!
「ぐうッ! 熱イッ!」
どうやら、ライオン頭のカイブツはこの燃えさかる炎には近づけないようだ! ライオン頭のカイブツは、伸ばした手をあわててひっこめた!
『カズキ!』
「お、おう! って、どこから声がするんだ……?」
気が付くと、シバの姿は消えていた。だけど、オレを呼ぶ声が聞こえる。一体、どこに居るんだ?
『ここじゃよここ! 今、お主が握ってるじゃろ!』
「オレが握ってるって……。えっ、まさかこの刀がしゃべってるのか!?」
『そう! この刀はワシが変身した姿じゃ!』
あのピンクのしば犬が、燃えさかる炎の刀に変身しただって!? もう、ありえないことが起こりすぎて気を失いそうだ! けど、ここで気を失ったらまたあのライオン頭のカイブツに捕まってしまう!
……とりあえず、あれこれ考えるのはこの場をどうにかしてからだな!
『さあ、カズキ! ワシを横に振るのじゃ!』
「急にそんなことを言われても……」
『いいから、早く振るのじゃ!』
「わ、分かった……」
シバの勢いに押し切られてしまった。でも、どうしよう。刀なんて振ったことがないぞ。
……とりあえず、野球のバットを振るような感じで振ってみよう!
「……せいっ!」
刀を思い切り横に振る! すると、オレの体を包む炎が消えた! その代わりに、オレとライオン頭のカイブツの間に巨大な炎のカベが現れた!
「うわっ! すげえ!」
『そうじゃろう、そうじゃろう! ワシはすごいんじゃ!』
「よし! 今のうちに一旦逃げますよ!」
二宮がオレの左手をぐいとつかんだ。そしてそのままオレを引っ張って走り出した!
『こら! ワシを引きずるんじゃない!』
声がして、オレは気付いた。右手で持った刀の刃の部分が地面に接触して、ガリガリと音を立てていることに。
「ごめん! けど、手に力が入らなくてしっかり持てない……」
慌てて刀を持ち上げようとしたが、重くて持ち上げられない。さっき、刀を振る前までは軽く感じていたのに!
「『鳴力』を使いすぎて疲れちゃったっぽいですね」
「めいりょく?」
「フラスピと心を通わせて共鳴者になると特殊な力を使えるようになるんですよ。それを私たちは鳴力って呼んでます」
フラワースピリット――略してフラスピと心を通わせて共鳴者になると使える特殊な力、か。ゲームや本の中に出てくる魔法みたいなものだと思えばいいのだろうか。
「どうやら、カズキさんの鳴力は炎を出せる刀を操ることができるといったもののようですね。強力そうな鳴力で良かったです」
「……色々と説明してくれるのはありがたいが、すまん。もう限界のようだ」
しばらくの間、二宮に手を引かれて走っていたが、足にも力が入らなくなってきた。このままだと、間違いなく転ぶ。
「大丈夫ですよ。助けが来たようです」
「えっ?」
「ほら、あそこを見てください」
二宮が、前方をビシッと指差した。その方向には、オレンジ色の物体がある。……というか、オレンジ色の物体が近づいてきている! 何だあれ!
「お待たせなの~」
近づいてきたオレンジの物体の正体。それは、オレンジの毛皮を持つ大きな羊だった。多分、ちょっとした自動車並みのサイズだ。しかも、オレの聞き間違いじゃなければ喋ったよな? このでっかい羊。
「カズキさん。この羊さんは『ガーベラ』のフラスピである『ベラ』さんです」
ガーベラ。春や秋に咲く花の名前だ。
赤や黄色、白や緑、そして、オレンジ。とにかくいろいろな色のガーベラが存在する。
見た目から察すると、ベラはオレンジのガーベラのフラスピってことになるんだろうな。
確か、オレンジのガーベラの花言葉は『神秘』とか『冒険心』とかだったはずだ。
ガーベラは明るくて華やかだからプレゼントに適した良い花なんだよなあ。オレも好きな花の一つだ。
……いや、違う! 好きじゃないぞ! 嫌いじゃない花の一つだ! 断じて好きじゃないからな! って、誰に言い訳してるんだオレは!
「よろしくなの~」
「あ、ああ。よろしく……」
喋るライオンとシバ犬の次は、喋る羊か。うん、さすがにもう驚かないぞ。そう思ってベラを見上げた瞬間、俺は驚いてしまった。何故なら、ベラの背中に金髪の男が乗っていたからだ。目は青くて、いかにも外国から来た王子のような見た目をしている。白馬に乗った王子様ならぬ、羊に乗った王子様といった感じだ。
オレがじっと見ていることに気づいたのだろう。金髪の男はオレに向かって話しかけてきた。
「おっ。キミがカズキくんやな! ワイは花守中学二年B組の四ツ谷・フィーア・シローっちゅーもんや。気軽にシローって呼んでええで!」
まさかの関西弁!? こんな、外国の王子様みたいな見た目をしているのに関西弁!?
しかも、同じ中学に通う先輩!? というか、名前がすごく長いな!?
どうしよう。ベラには驚かなかったけどこの先輩の存在には驚いてしまった。とりあえず、呼び捨てにするのは失礼だから、シロー先輩って呼ぼうかな。うん、そうしよう。
「あ、カズキさんが固まってる。まあ、驚きますよね。意外なしゃべり方をする人ですから」
そう言って、二宮は口を押さえて笑った。
オレの反応を見て、完全に楽しんでるな、こいつ。
「さあ、二人とも! とにかくベラの背中に乗るんや!」
「了解です。さあ、乗りますよ! カズキさん!」
「分かった! 分かったから引っ張るなって!」
体に力が入らないため、二宮に肩を貸してもらいながら、オレはベラの背中に乗った。ベラの背中は、すごくもこもこしてて気持ちいい。
「うむ! もこもこして乗り心地が良いのう! 花丸じゃ!」
「うわっ! びっくりした」
ベラの背中に乗った瞬間、オレが握っていた刀は赤い光を放って消えた。代わりに、オレのすぐ隣にピンクのしば犬――シバが現れた。どうやら、変身を解いたみたいだ。
「さあ、ベラ! 出発や! 目的地は、北にある城や!」
シロー先輩が指さした方向には、大きな木造の城が見えた。どうやら、あの時代劇に出てきそうな城に向かうらしい。
「分かったの~。出発するの~」
そう言って、ベラは走り出した。
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