ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん

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131.いつかその日が

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「ふぅ~、スピカちゃん、今日は本当にありがとね」

「いえいえ、私は特に何をした訳でもありませんから。アカリ様の功績ですよ」

「でも、私一人だったら★★★の回復薬は作れなかったし、アルマクさん達と連携も出来なかったよ。
でも、今回ばかりは私も相当頑張ったとは思ってる。みんなが自分の出来ることを頑張ったから、街を守れたんだよね」

「本当にそうだと思います。それは、夕嵐の皆さんにも分かって頂けましたからね」

機嫌良さそうにぴょんぴょん飛び回るスピカちゃんが可愛いね。

「うん、今回の戦いで、生産の大切さが分かって貰えたと思うよ。
私が一人でできることには限界があるし、各自で自分の分は自分で作れるようになってもらわないと。
今みたいな、ポテサラと麻婆豆腐だけですら作れる人が限られてる状況は、カストルさんがどうにかしてくれるでしょ」

「というか、どうにかしてくれないとアカリ様が困ってしまいますからね!」

「ははは、本当にそうだよ。今回みたいなギリギリの戦いはしたくないし、ポテサラや麻婆豆腐を大量生産し続ける生活もそろそろ嫌になってきたからね。
これを機に、自分達で作れるようになってもらわないと。私はレシピ提供だけをする人になれたらいいなぁ」

疲れてきた私はぐでーっと机に突っ伏してしまう。

「夕嵐の双翼の様子を見ていると、それもそう遠くないと思えますね」

「ね~!」

ふわふわ飛び回るスピカちゃんを眺めて暮らせるなら、私はそれで満足なんだよ。

魔物との戦いなんて、遠い世界のことにしときたい。その為には今からちょっと頑張らないといけないかもだけど、その頑張りはきっと私だけじゃなくてこの世界のためになると思うから。

この世界は、色んな歪みを抱えている。

自分達が使うものを自分達で作れない。
自分が使う物なのに、作ってくれる人を評価しない。

そういう環境がずっと続いてきて、そのせいで滅びそうになっているのが現実だ。

きっと神様やケサランパサランは、そんな世界を変えたいと思っているのだろう。

そして、それは私も同じ。
いくら魔物の影響がない異空間に住んでいると言っても、現世の人々が滅亡するのを黙って見ているのは辛い。

だから、少しずつでもいいからこの世界が変わって欲しい。

その為なら、私ができることはお手伝いしていこうと思う。

そしていつの日か、魔物に怯える人が居なくなった時には、私は何の気兼ねもなく惰眠を貪れるってこと。

その日が来るまで、もうちょっとだけ、頑張ろうかな。





              【完】





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