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71.神の使い?

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71.神の使い?


「で、どういうことか説明してもらおうか?」


え、なんかカストルさんに睨みつけられてるんですけど。
優男系とはいえ鋭い目で見られるとちょっと怖いんですけど。


「えと、何を、説明しろと……?」


「何を、じゃねぇよ! なんでサラッと何でも無いかのように《綿羊》と仲良くなってんだよ!」

「テイムするみたいな、モンスターと仲良くなることは無いんですか?」

「当たり前だろ!」


カストルさんの語気は荒いけど、別に怒ってるんじゃなくて、単に混乱してるだけだと思う。
周りのみんなも目が点って感じだし。


「ではでは、アカリさまに代わって私がご説明致します~!」


私の胸ポケットから、上機嫌でくるくる飛び出して来たスピカちゃんが代わりに話してくれる。
私じゃあ何がおかしいのか分からないからホントに助かる。


「アカリさまは、神様の御使いなので、こうして簡単に新しい発見をしてくださるんですよ~!
皆さんに提供している麻婆豆腐やポテサラもその一部ですね。
実は、表に出していないだけでこういった発見はまだまだいっぱいありますし、これからも増えていきますから!」

「神様の御使い……?」

完全に困惑しきった顔のカストルさん。
そりゃあそうだよね。


「いや、スピカちゃん大袈裟だって。
私はめっちゃ普通の子だし、神の使いなんかじゃないもん」


「いえいえ、アカリさまが素晴らしいのは間違いのない事実ですから!!」


「ま、まあとにかくアカリが凄いことだけは分かった。
で、どうする?
その《綿羊》を連れてウロウロする訳にもいかんし、今日のところは解散するか?」


「でも、せっかく集まってもらったのにまだ一時間も経ってませんし。
それに、《麻くも》や《トレント》も見たいです」


「他の魔物を見に行くのは急いでいるのか?」

「いえ、全く」

「それなら、今日は一旦帰ってその《綿羊》を置いて来て欲しい。
正直言ってそいつは不確定すぎるから、それを連れて冒険を続けるのは危険だ。
またいつでも都合のいい時に来ればいいだろう?」


「それもそうですね。
では、申し訳ありませんが一旦帰らせていただきますね」


せっかく来たのに、とは思うものの、この可愛すぎる綿羊ちゃんに何かがあったら可哀想だし、おうちに帰ろ。

帰る気満々でひつじちゃんを抱っこしたのに、カストルさんに思い出したように止められた。


「その前に、今日得た情報の料金の話をしておかないと」


「……? 料金ですか?」

「ああ。こんなに有用な情報、さすがにタダで貰う訳にはいかないだろう。
いくらで売ってくれる?」


「有用な情報ですか? そんなのありましたっけ?」


むしろ、私に付き合ってもらってるんだから私がお金払う側じゃないの?

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