ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん

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82.手順

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82.手順


「……って話をしてて、ベテルギウスの方が私より向いてるんじゃないかな~と思って呼んでみたんだよ~」

ここまでの話の流れを掻い摘んでミンタカが説明してくれた。


「なるほど。あーちゃんはそんなに壮大な夢を持ってくれてるんだね。やっぱり英雄さんだよ。
そんなに素晴らしい夢におれも呼んでくれるなんて感動だな」

「英雄じゃないのでその呼び方だけは止めてくださいね。
それはともかく、出来そうですか?」


「そう難しい話じゃないと思うよ。
要は、ミンタカとラムのために場所と材料だけ用意すれば良い訳だ。何も、おれが直接教える必要はない」

「確かにそうかも~」
ミンタカも乗り気みたいだね。


「そもそも、物を教えられる人は極端に少ないんだけど、今回に限っては『見て覚える』で大丈夫だと思うよ。戦闘のやり方も多くの人は我流だしね。
ま、あとは今後のことを考えてからかな」

ベテルギウスはしばらく顎に手を当てて何か考えているようだった。



その間私はヒマなので、ミンタカとラムちゃんが麻婆豆腐とポテサラを作るのを眺めていた。

初めての作業だから仕方ないんだけど、手元はおぼつかないし、物の置き場も悪くて効率が良くない。


「豆腐はこっちに置いて、フライパン持って行った方が良いよ。調味料の置き場所は固定にして、それぞれの器に正しい大きさのスプーンを付けようね。そうしたら、もうちょっと作業しやすくなるはず」


「なるほど~。さすがあかりさん~!
すっごく作りやすくなったよ~」


「それもあーちゃんの凄いところなんだね」

「はい?」

いきなり拍手付きで褒められてびっくりしちゃったよ。


「単にレシピを見つけてそれを惜しげも無く誰かに教える、それだけでも英雄の名に相応しいとは思うけれど。
たった一日であれだけのアイテムをどう調達したのだろうかと不思議だったんだ。
スキルレベルだけではない技術をあーちゃんは持っているんだね」


「いや、置き方決めるくらいでそんな大袈裟な」

「大袈裟なんかじゃないさ。
いつだったか、麻婆豆腐100個を一日で送って来たことがあっただろう?
いくらストックがあるとはいえ、どれだけの時間を生産に費やしているのか、と思っていたんだ」


「ああ、あれね……あれは、大変だったよ。
二時間くらいは麻婆豆腐作り続けてたかな」


「そこだよ、あーちゃん。
普通の人が100個作ろうと思ったら、とてもじゃないけれど二時間では終わらない。
おれだったら丸一日を掛けても無理だろうね。
それを可能にする技術さえも、一緒に教えてくれるんだろう?」


「そんなに大切な事だと思うなら、手順と一緒に教えるよ。
個人の好みもあるし、好きなようにしたら良いと思うんだけど」


でもまあ、ミンタカの手元を見る限りでは、好みとかいう以前の問題かな。
自己流にアレンジできるようになるのはまだまだ先の話かもね。
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