殺戮人形産のおいしい野菜はいかがですか?〜最強美少女はふつうの農家を目指してるけど、やっぱり最強だったみたい〜

ことりとりとん

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5.魔農家

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「これで良いのかしら?」

「ああ、平らになれば、それで充分だ。
嬢ちゃんは魔力も多いようだし、先に結界と呪印を張ってしまおうか」

魔力は便利な反面、怖いものだ。
様々なものに使えるエネルギーになるが、獣の体内に溜まりすぎると魔獣に変化してしまうらしい。

人間に溜められる魔力には個人によって限りがあるから魔獣になってしまうことはないけれど、その量によって使える魔法の大きさは変わる。

ティーファは相当多くの魔力を使える体質なのだ。

「とりあえず、魔ノ森から少し離した所までの結界にしておく。あまり近づきすぎると魔獣が寄ってきてしまうからな。
こんなもんで……」

魔導書を見ながら、セットになっている杖を使って地面をなぞると、ぐにゃぐにゃした模様が現れる。
一周ぐるっと囲んだところで。

「嬢ちゃん、何か違和感はないか?
魔力を使いすぎている、みたいな」

「何も無いわ。平気よ」

「まあ、あれだけの威力の魔法を使えるならそうだろうな。じゃあこれで定着させよう」

ぴりぴりとした魔力の揺れのあと、この畑がティーファのものとして固定された。

「よし、これで完璧だ。あとはこの魔導書と杖を使えば、ある程度何でも出来るだろうよ。
分からなかったらまたギルドに聞きに来てくれ」

「あの、これは?」

軽い調子で渡されたが、ティーファは魔導書も杖も見たことが無かった。
自分の魔法は、何もしなくてもその気になったらいつでも使えるものだから。

「魔農家応援セットだな。この杖に色んな魔法の素が詰め込まれていて、魔導書に書いてある通りにやれば発動する。
魔力は使うが、自分の得意属性でなくても魔法が使えるんだ」

「なるほど! それは、とっても便利ね!」

ティーファは焼け野原を作るのは得意だけれど、土属性は全く使えない。
それを代わりにやってくれるのはとても有難かった。

「じゃあ、説明はこんなもんで大丈夫か?
飯を買いたいとか、作ったものを売りたいとか、そう言う商売もギルドでやってるから、来てくれよ。
他にも、何でも相談に乗るからな」

「ええ、よろしくお願いするわ」

ドルクは利益を求めすぎる所があるが、人情深い。
相談相手として良い存在だろう。

固い握手を交わし、彼はギルドへ帰って行った。

「師匠、私、やっとふつう・・・になれたわ!」

嬉しくって小躍りしてしまいそう。
ティーファが農家という仕事を選んだのも、世の中で一番就いている人の多い、普通な仕事だから。それだけ。

既に、普通の農家とは違う道を歩みつつあることに、彼女は気づいていない。



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