殺戮人形産のおいしい野菜はいかがですか?〜最強美少女はふつうの農家を目指してるけど、やっぱり最強だったみたい〜

ことりとりとん

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12.ごはん

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「んで、これが今日の報酬だ。
また妙なトラブルを起こす前にとっとと帰れよ!」

ティーファとしては非常に頑張って抑えたというのに、なんだか酷い言われようだ。

「まあいいわ。ご飯を食べて帰りましょうか」

昼間は微妙な時間だったからやっている店は少なかったが、今は夕食時。
客も多いし店も活気に溢れている。

「おーい、ティーファ! 納品は終わったのか?」

サンドイッチ屋のガッツに声をかけられる。

「ええ、ギルドへ渡してきたわ」

「なら、もう売り出す頃だな。ちょっくら買ってくるぜ!」

店を隣の串焼き屋台の店主に任せて走り去るガッツを見送ると、今度は串焼き屋に声をかけられる。

「嬢ちゃん、一本どうだい? うまいよっ!」

「そうね、貰おうかしら」

銭貨を払い、大ぶりな串焼きを受け取る。

ここでも椅子代わりの空き木箱を貸してもらえたので、座って食べ始める。

さすが肉体労働の冒険者向けと言うべきか、ティーファの小さな口では食べるのにも苦労するほどに大きい。
その分食べごたえがあってとても美味しく大満足だ。

「うん、とっても美味しいわよ!」

天使とさえ呼ばれる彼女が笑顔でそう言うだけで、宣伝効果は抜群。
というか、言う前から客が集まって来ていたくらいだ。

ここらで見ることのない可愛い女の子がもぐもぐ食べているだけで何となく幸せな雰囲気になるから不思議だ。
食べている本人が一番幸せだからだろうか。

いや、この場で一番幸せなのは一気に商売繁盛した串焼き屋の店主だろう。

「ティーファちゃん、俺んとこのパンもやるよ!」

名乗ってもいないのにパン屋のおっちゃんはティーファのことを知っていた。

「あら、いいの? でも、ちょっとお腹いっぱいかも」

「じゃあ半分にしとくかい?」

「そうしてくれる? おいくら?」

パンはガタイのいい男たち向けのサイズだからティーファには大きすぎる。
その上串焼きも食べたし、もうそんなに沢山は食べられない。

ちょうどいい量だけもらってお金を払い、また食べる。

こうして美少女がひとりでいると、次々と話しかけられそうなものだが、そうはならない。
もう既に二度もギルドで揉め事を起こしたのも話題になっているし、その強さが凄まじい、と噂されている。

とても強くて可愛い女の子。
話しかけると応戦されるが、見ているだけなら無反応で、特別目の保養になる。

ティーファがそんな子だとたった一日で知れ渡った結果、冒険者たちの中ではある種の不可侵条約が結ばれた。

特別な用事がない限り、話しかけない。
パーティーへの勧誘なんてもってのほか。
観賞用として皆の天使で居てもらおうと、そういうことになったのだ。

《組織》の人間がそれを聞けば、アレを観賞するなんて、とせせら笑うだろうが。
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