1 / 5
5.まち一番のハートを持ったメカニック
迷子を助けたら取材にくるって?
しおりを挟む今日は店に、このザンガイシティーの外れの工房に、取材に来る人たちがいるという。
「何を見に来るの?」
彼女が訝しがって店長に聞いたとき、店長は「君を見に来るらしい」
はい?
何でも、先日、店を訪れたヒトの生物年齢5歳ぐらいの少女と大きなロボメカ、しかもサイボーグじゃなく知能抜き無個性の自動機械、への対応が良かったと。
その少女がそのときのことを母親に語ったところ、その母親がまたちょいとこの区の偉い人だったらしく、少々話題になったと。
なんでも「ザンガイシティ一番のハートを持ったメカニックがここにいる!」と…それを聞きつけた役所の広報がやってくるらしい…ひえ…
「おまえ、なにやったんだ?」
「さあ…」
「腕がいいのは認める。オレの次にな。でもそんなの当たり前だわな」
いつもちょっといらつく言い方するのがこの店長…
言われてみれば可愛い少女だったな。最初は泣いていた。
ロボットの方はまあ、大きくてパワーはあるけど知能は低い使役タイプ。
港湾や鉱山で見かける量産されたタイプ。それでも今じゃ貴重なんだが。
少女はでもそのロボットをとても慕っていた。ただ「急にしゃべってくれなくなった」といってしょげ、ロボットと一緒に修理してくれる大人を探してうろつきまわってるうちに迷子になっていた。
ロボットの方はなんてことない。機械脳の言語野でソフトの不整合があっただけでエラーを消してリセットしたら治った。
まあそこでついでにロボットの他の記憶領域も探り、このロボットの最後の補給ポイントや日々の行動軌跡ログを探り(ええっとあまり推奨されない行為だけど…使役型なのでセキュリティは私にとってはあってないようなもの)、Homeの座標を割り出し(30kmも離れてた!)さらに少女を家まで送り届けるように指示入力。
ロボットが彼女を無事に送り届けたことが分かるように、私の端末に2人の会話の中継と1分毎に場所を送るように指示。
たったそれだけのこと。
「で、お代は?」
「はい?」
「修理代金だよ。ま、取ってねんだろな」
「そりゃね。相手は5歳くらいの迷子よ。あと使役型の言語野の再調整なんざ、2分でおわるさ」
「へん、まあいいさ。しっかり取材に応えてせいぜい店の宣伝してくれよ。それでチャラだ」
「なによそれ!」
「あと、これで髪の毛切ってこい。あと、新しい作業着買ってこい。顔も洗え。」
「えーっ。いいじゃんこれで。へ?こんなに?」
「臨時ボーナスだ。お前がまち一番のメカニックって言われた記念だ。ホントは2番なのは内緒だ」
ふん!
ってあれは喜んでるな。確実に喜んでる顔だ。私には分かる!
店のネコが子ネコを産んだ時に見せていたニヤけ方と一緒!
私はネコじゃないが、あの顔の店長は悪くない。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

