【ダーリン(仮)闇堕ち防止計画】前世:聖女&聖竜の飼い主、今世:こっ恥ずかしい二つ名(鮮血の魔女)冒険者&魔竜と古竜の飼い主&一途な悪女です

嵐華子

文字の大きさ
4 / 20

4.悪の大魔女へのターニングポイント2

しおりを挟む
 そしてもう1つのターニングポイントが約7年前。
大体それくらいのはずよ、多分。

 ある日前世を、そして死んでからのその後を夢で見たの。
もうね、突然、前ぶれなし。

 彼はかつてただの竜だったわ。
いえ、吹き出た魔素を取り込んで浄化する聖竜だったから、ただの、ではないのかしら。

 そしてまだ幼竜だった彼はある日無知な人間に狙われて怪我を負い、そんな彼を救って育てた聖女と呼ばれる少女がいた。

 けれど少女はある日突然、無実の罪で婚約者から冤罪をかけられて大衆の前で公開処刑されたの。

 ちなみにギロチンで首スパーンよ。
苦痛はなかったわね。
助けようと駆けつけた聖竜もぎりぎり間に合わなかったくらい、鮮やかなお手並み首チョンボだったわ。

 でもよくよく思い返しても、ちょっと仕打ちが酷すぎるんじゃないかしら。
少女ってばせいぜい暴れてる魔獣のお肉浄化して捌いて食べるのがささやかな楽しみ、なんていう人畜無害っぷりよ?

 どこぞの何とかっていう聖女見習いなんていじめるどころか顔も知らないし、そもそもひたすら土地の浄化や結界の強化にこき使われてて誰かを虐める時間すらなかったもの。
仮にその話が本当だとして、それで少女の首スパーンって、今考えても重すぎる刑罰じゃない?

 最愛の少女を目の前で殺された聖竜は、怒り狂ったわ。
取り込んだ魔素を浄化せず自らの糧とし、真っ白な聖竜は真っ黒な魔竜となってその国を滅ぼした。
その後もそこに留まり、国だった場所は吐き出した瘴気で魔獣だけが住む死の森と呼ばれる森となってしまうの。

 で、その冤罪をかけられて殺されたのが前世の私ね。
初めて見た時は思わず飛び起きちゃったわよ。

「うっわ、うっわ、うっわ・・・・」

 人間あまりに衝撃を受けると語彙力が殺られるって自ら実証したある晴れた日の朝だったわ。
心臓バクバクの、寝覚めの悪さったらなかったわね。

 で、決めたの。

「そうだ、魔竜をぶちのめそう」

 ほら、前世とはいえ飼ってたわけじゃない?
飼い主私だし、動物は責任持って最期まで面倒見なきゃでしょ。

 躾、大事。

 それに魔竜をどうにかすれば根本的にあの夢は実現しないもの。

 前世を思い出して夢で見た未来との繋がりに気づいた私はまず1年武者修行に励んだわ。

 魔竜になったあの子に出会った瞬間ブレス吹かれるかもしれないでしょ?
前世の私が死んでからどれだけ強くなったのか想像もつかないもの。

 それでよ。
この時点で私達の実力は更に開くし、ある計画を立てた事で愛する人ダーリンとの幸せ家族計画の方は諦める事にしたわ。

 二兎を追う者は一兎をも得ずって言うじゃない?
私、彼の生死が関わる事では失敗したくないのよね。

 で、実力もつけたところで5年ちょっと前かしら。
どこかの国の山で突如つっかかってきた古代竜のお花ちゃんを成り行きでついうっかりぶちのめしちゃった。

 しかもその後可哀想だったから傷を癒してあげたら懐かれちゃったの。
つい、うっかりと。

 そうしたら災害級の魔獣をテイムしたって事で世界で数名しかいないS級冒険者に強制認定。
鮮血の魔女っていう称号与えられたのよね。

 そもそもテイムなんてしてないんだけど、いいのかしら?

 あ、お花ちゃんの名前は首の付け根に斑みたいなのがあって、花弁みたいに見えたからよ。

 称号が何で鮮血呼びなのかなんだけど、私地毛は本来白髪で赤目なのよ。
それがテイム扱いのお花ちゃんが炎竜で赤かったし、ぶちのめした時にあの子の口から血を吐いたのをもろかぶりしちゃって。

 ただの血液で良かったわ。
下手な魔獣の血だとたまに皮膚を溶かすやつもあるのよね。

 まあそれで白髪が赤毛に即席チェンジ。
洗っても髪の毛に付いた色が落ちなくてびっくりしたわ。
顔や体も直ぐに落ちなくて褐色のお肌風になってたんだけど、そっちは1週間くらいで落ちたわ。
まあ時間の経過と共に元に戻ったからいいけど、毛先だけ赤いのはその名残りね。

 つまり、髪も目もお花ちゃんも赤いっていうので鮮血呼ばわりよ。
もっと他に無かったのかしらねとは今でも思うわ。

 それにしても炎竜の血って毛染め効果があるのかしら?
もちろんその時以来やった事はないのよ。
血で自分の髪の毛染めるとか、ホラーでしょ。
それに毛を染めるのにお花ちゃん殴って吐血させるのも、ねえ?
今世は動物愛護団体に断罪されました、とか、冗談じゃないわ。

 まあそんなわけでせっかくだからと1年ほどお花ちゃんと親交を深めながらフォーメーションを研究して、いざ魔竜の元に。

 死の森入ったら、まあ~瘴気の濃ゆいこと。
危うくお花ちゃんも当てられて動物的攻撃本能の塊になりかけちゃうし、びっくりしたわ。

 前世聖女やってて良かったわよね。
軽く張り倒して浄化魔法で即浄化したわ。

 で、お花ちゃんを後衛にして魔竜とご対面。

 あら、今思ったら普通は古代竜のお花ちゃんが前衛じゃない?

 まあいいわ。

 で、勝負は一瞬でついたの。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する

タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。 社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。 孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。 そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。 追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜

水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。 魔王乱立の時代。 王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。 だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。 にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。 抗議はしない。 訂正もしない。 ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。 ――それが、誰にとっての不合格なのか。 まだ、誰も気づいていない。 欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...