秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話

嵐華子

文字の大きさ
176 / 491

175.南国リー

しおりを挟む
「ついでなので、南国にある香辛料を使って色と辛さの違いを出してみました。
レシピはまた後で渡しますが、グリッゲンとの大きな違いは····」

 僕は3種類のグリッゲンを眺めてびっくりしてる面々にそれぞれの特徴を説明していく。
もちろん義兄様達はすでに試食済みだよ。

 青唐辛子の代わりに赤唐辛子を使ったのがレッドカレーで、生のまま使ったんだ。
ヨンニョルさんは生の香辛料やハーブにこだわりがありそうだったからね。
辛みを抑えるなら乾燥させてる方がいいけど、代わりに風味は少し落ちる。
痺れる類いの辛さがあるけど、青唐辛子よりも辛みは少ない。
先に熱すると更に辛くなるから、どうするかはヨンニョルさんが決めればいいんじゃないかな。

 イエローカレーはリーに似てる。
それもそのはず、使う香辛料が同じものがいくつかあるんだ。
赤唐辛子の中でも辛さがマイルドなものを少し使ってみたんだけど、こっちは乾燥させたものを使ったよ。
ターメリックを入れて色の違いを大きく出してる。

 あっちの世界のタイカレーそのままだけど、こっちの食材に合わせてうちの厳つい料理人達と試行錯誤したんだ。
爽やかさをプラスするのに柑橘系の果物や葉っぱなんかも追加してみた。
もちろんそれもレシピには書いてるよ。

「赤色のグリッゲンの辛みは痺れる感じがするね。
私はこっちの方が好みだよ」
「この風味は東の諸国で栽培される辛赤カコに似てるね。
痺れる辛さが特徴なんだよ」
「俺は定番のグリッゲンの方がいいな。
爽やかな辛さが好みだ」

 ギディ様とカイヤさんはレッドカレー、従兄様はグリーンカレーだね。
義兄様達もそうだし、血縁者同士で好みって似るのかな?

「俺はこの黄色のグリッゲンがいい。
リーに似てるが、このヤッツの甘みと爽やかさが合う。
それにそこまで辛くないのが安心する」

 うん、ルド様とギディ様は兄弟でも好みが違うみたいだ。

「わかる!
こっちは確かにリーに似てるが、爽やかさとヤッツの甘みが南国を思い出させる。
私もこちらがいい」
(僕も黄色がいい!
アリー、美味しいね!)

 ゼスト様と意気投合って事は、職種が王子だと似るのかな?
王子が職種かどうかは置いとくけど。

 手の平サイズの闇の精霊さんも大絶賛してくれる。
はしゃいでピョンピョン跳んでるの可愛いね。

「これ、3色グリッゲン、いや、もう少し名前は考えた方がいいけど、南国リーってので浸透させられるかも。
うちのリーの普及にも一役買ってくれそうだし、ちょっと後で話し合わない?」
「そうだな!
味の改良はもう少し必要かもしれねえが、これなら国内でももっと流行りそうだ!
それにベイとの相性がこんなにいいとは思わなかったぜ!」
「いい話だね!
うちの商会で扱う辛カコやベイが必要だったらいつでも言っとくれよ!」
「おう!
後でちょっと3商会で話し合おうじゃねえか!」

 おっと、商会長トリオが意気投合した!

「何だか笑顔に凄みを感じる····」
「時々する兄上の微笑みに似て····いや、兄上、何でもない!」

 王子達がこそこそ話してれば、ギディ様の方を同時に向いてビクッとしたね。

「どうしたのかな、ルド?
私は何も言ってないよ?」
「多分今のその顔だと思うよ、ギディ様」

 ギディ様と従兄様の長男組も仲いいね。

 僕の義兄様達は僕を挟んで時々なでなでしてくれるけど、やっぱり会話には入らないみたい。

 と思って義兄様達とにこにこ微笑み合ってたら、視界の端で僕のできる専属侍女であるニーアが角に設置してる仮の給仕台の上でシャカシャカしてた。

 給仕係が出来上がった物を商会長さんの方から置いていく。

「これはあのミィだね。
アリーちゃんがあの侍女さんに指導したのかい?」
「はい。
といってもニーアは1度見ただけで覚えてくれました。
試食用のグリッゲンは皆さん食べ終わったようなので、まずはお口直ししてください」

 そう、抹茶だよ。

「これはミィなのか?!
俺の知る物と違うぞ」
「甘みもあるし、あの渋みがほとんどないのだな。
私はこちらのミィもありだと思う」
(これ甘いしあわあわしてて楽しいね!)
「これ····カイヤさん!」
「ああ、アリー嬢のおめがねに叶った商品ができたみたいなんだよ!
今度このミィの話をしようじゃないか!」

 ルド様とゼスト様が味に驚けば、従兄様とカイヤさんが笑い合う。
闇の精霊さんてば、緑のお髭ができてるよ。

「ミィってあの苦い茶だろ?
これは全然違うぞ?」
「うん、俺達獣人でも飲めるミィを開発したんだって。
グリッゲンを食べた後なのにさっぱりするね」
「確かにグリッゲンはリーより食べた後の口の中に残る独特の香りが強いからね。
ミィが特に苦手な獣人にもいいし、口臭を気にするご婦人方にもいい口直しになるかもね」

 ヨンニョルさんもミィを飲んだ事あったんだね。
ウィンスさんもミィは苦手なんだよ。

 でも確かにギディ様も言うようにグリッゲンの香辛料やフレッシュハーブは独特の香りと胃を刺激するから貴族婦人には後味が気になるところだよね。
抹茶の緑茶成分には消臭効果もあるから少しは和らぐはずだよ。

 でも僕はもう少し後に出すあの黒いジュースが一番効果的だと思ってるよ。
自分が飲みたいだけだけど。

「それではそろそろお口直しのお菓子の試食に移りますね」

 ひとしきり口の中が落ち着いた頃合いを見計らって声をかけた。

 やっとデザートの出番だ!
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~

季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」 建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。 しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった! (激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!) 理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造! 隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。 辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。 さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。 「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」 冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!? 現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる! 爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

処理中です...