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473.不愉快でしかない
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『愛し……あたしの…………よ……で……』
夢現の中、どこか遠くの方で、幼い子供の声がする。
途切れがちだけれど、僕に必死に訴えかけるあの子。
わかってるよ、僕の大事な半身。
だけど……今はまだ……。
「……リー……アリー」
今度は近くで違う人の声。
まだ大人ほどには、成熟しきっていないような声だ。
「早く起きて、アリアチェリーナ」
声の主が僕の体を揺らし始めたぞ。
僕の両脇に手を入れて、揺らすというより、むしろガクガク振ってないかな、コレ。
確かまだイタチ姿のままだったはずだから、振りやすそうだけれども。
睡魔が凶悪過ぎて、僕は体に力を入れられない。
頭が揺れに合わせてガクンガクンするから、もう少し丁寧に扱って欲しいな?
「ん、闇と赤目坊やの魔法?
起きないのは、このせいか」
その言葉と同時に、僕をずっと眠らせていた魔法が急速に消えていき、やっと意識が浮上して体に力が入る。
「おはよう、僕の愛し子」
目を開けると、美麗な顔が僕を覗きこんできた。
一見すると少年にも少女にも見えるのは、性の特性があるからかな?
レイヤード義兄様を坊や呼ばわりするくらいには、かなりの高年齢者なんだけれど、相変わらず実年齢を全く感じさせない姿だよね。
彼は彼女でもある。
目は日に照らされた稲穂のような金色。
肩までの髪は朝露に濡れる若葉のような、光沢のある新緑色で、手触り抜群感を醸し出すサラサラヘア。
彼で彼女と会うのは、2年ぶりくらいかな?
相変わらずの無表情っぷりだけれど、僕にはちゃんと微笑みかけてくれるっていうのはわかっているよ。
「メシュ、おはよう」
「ん、愛し子に加護を」
目覚めの挨拶にコクリを頷いたかと思えば、僕のイタチフェイスにはキスの嵐。
あと思えば、身につけていた着ぐるみの紐を魔法で解いた?
「うん?」
何をするのかな、と小首を傾げた瞬間、僕はさっきまで眠っていたであろうクッションに押し倒される。
「うん?」
どういう状況かな、と再び小首を傾げた瞬間、合わさっていた着ぐるみの前側をひん剥かれ、僕の腹毛が顕になった。
「いただきます」
え、何を?
なんて言うよりも先に、素早い動きでメシュがお顔をぼふんと腹毛に埋没?!
と思ったら、恐ろしい吸引力でズォ~、と腹毛が吸われた?!
「え、メシュ?!
はら、腹毛!
腹毛がぁ~」
ビックリした僕はアワアワと四肢を動かすも、器用にも美麗なお顔が僕の腹毛にホールドされている?!
その間にも、ズォ~、ズォ~、とメシュが呼吸する度に腹毛が断続的に吸引される!
「いやぁ~!」
僕の断末魔が響くも、誰も助けに来てくれない!
絶対メシュが部屋の扉に何かしてるよね!
「ん、もう満足
ありがと」
「……はぁ、はぁ……ど、どう……いたしまし、て」
涙目の僕は、体力と何かを激しく消耗して、肩で大きく息をする。
仰向けの苦行から解放され、僕的にはすぐに、現実にはノロノロヘロヘロとうつ伏せになって、クッションに抱きつく。
言うまでもなく、腹毛ガードだ。
「アリー、体力ない」
「ふぐっ」
違う、確かに体力はないけど、これは絶対違う!
そう言いたかったけど、反論する気力が湧かず、クッションに突っ伏した。
体力じゃないよ、気力が消失しただけだよ!
メシュはそんな僕の頭から背中にかけてを、優しい手つきでなで始める。
「……今、どういう状況になってる?」
暫くして話せるくらいには気力が回復した僕は、突っ伏したまま、メシュに尋ねる。
僕が眠っていた間に、僕の大好きなレイヤード義兄様を傷つけようとした聖女とのやり取りをふと思い出す。
コッヘル=ネルシスは残念な結果になったけれど、全てを僕の義兄様に責任転嫁したのはいただけない。
責任を負わせる相手は、イグドゥラシャ国の王女なんて地位に居座った、あの盗人にこそあるのに。
「んー、そろそろアリーの元母親が、あの陣を発動させる?」
「……イグドゥラシャ国の王太子とアドライド国の王は?」
「んー、イグドゥラシャ国の方は間に合いそう。
アリーの元父親は……静観?
今世は何もしない方を選んだ?」
メシュの言う通りとはいえ、元母親に、元父親か…………不愉快でしかない。
夢現の中、どこか遠くの方で、幼い子供の声がする。
途切れがちだけれど、僕に必死に訴えかけるあの子。
わかってるよ、僕の大事な半身。
だけど……今はまだ……。
「……リー……アリー」
今度は近くで違う人の声。
まだ大人ほどには、成熟しきっていないような声だ。
「早く起きて、アリアチェリーナ」
声の主が僕の体を揺らし始めたぞ。
僕の両脇に手を入れて、揺らすというより、むしろガクガク振ってないかな、コレ。
確かまだイタチ姿のままだったはずだから、振りやすそうだけれども。
睡魔が凶悪過ぎて、僕は体に力を入れられない。
頭が揺れに合わせてガクンガクンするから、もう少し丁寧に扱って欲しいな?
「ん、闇と赤目坊やの魔法?
起きないのは、このせいか」
その言葉と同時に、僕をずっと眠らせていた魔法が急速に消えていき、やっと意識が浮上して体に力が入る。
「おはよう、僕の愛し子」
目を開けると、美麗な顔が僕を覗きこんできた。
一見すると少年にも少女にも見えるのは、性の特性があるからかな?
レイヤード義兄様を坊や呼ばわりするくらいには、かなりの高年齢者なんだけれど、相変わらず実年齢を全く感じさせない姿だよね。
彼は彼女でもある。
目は日に照らされた稲穂のような金色。
肩までの髪は朝露に濡れる若葉のような、光沢のある新緑色で、手触り抜群感を醸し出すサラサラヘア。
彼で彼女と会うのは、2年ぶりくらいかな?
相変わらずの無表情っぷりだけれど、僕にはちゃんと微笑みかけてくれるっていうのはわかっているよ。
「メシュ、おはよう」
「ん、愛し子に加護を」
目覚めの挨拶にコクリを頷いたかと思えば、僕のイタチフェイスにはキスの嵐。
あと思えば、身につけていた着ぐるみの紐を魔法で解いた?
「うん?」
何をするのかな、と小首を傾げた瞬間、僕はさっきまで眠っていたであろうクッションに押し倒される。
「うん?」
どういう状況かな、と再び小首を傾げた瞬間、合わさっていた着ぐるみの前側をひん剥かれ、僕の腹毛が顕になった。
「いただきます」
え、何を?
なんて言うよりも先に、素早い動きでメシュがお顔をぼふんと腹毛に埋没?!
と思ったら、恐ろしい吸引力でズォ~、と腹毛が吸われた?!
「え、メシュ?!
はら、腹毛!
腹毛がぁ~」
ビックリした僕はアワアワと四肢を動かすも、器用にも美麗なお顔が僕の腹毛にホールドされている?!
その間にも、ズォ~、ズォ~、とメシュが呼吸する度に腹毛が断続的に吸引される!
「いやぁ~!」
僕の断末魔が響くも、誰も助けに来てくれない!
絶対メシュが部屋の扉に何かしてるよね!
「ん、もう満足
ありがと」
「……はぁ、はぁ……ど、どう……いたしまし、て」
涙目の僕は、体力と何かを激しく消耗して、肩で大きく息をする。
仰向けの苦行から解放され、僕的にはすぐに、現実にはノロノロヘロヘロとうつ伏せになって、クッションに抱きつく。
言うまでもなく、腹毛ガードだ。
「アリー、体力ない」
「ふぐっ」
違う、確かに体力はないけど、これは絶対違う!
そう言いたかったけど、反論する気力が湧かず、クッションに突っ伏した。
体力じゃないよ、気力が消失しただけだよ!
メシュはそんな僕の頭から背中にかけてを、優しい手つきでなで始める。
「……今、どういう状況になってる?」
暫くして話せるくらいには気力が回復した僕は、突っ伏したまま、メシュに尋ねる。
僕が眠っていた間に、僕の大好きなレイヤード義兄様を傷つけようとした聖女とのやり取りをふと思い出す。
コッヘル=ネルシスは残念な結果になったけれど、全てを僕の義兄様に責任転嫁したのはいただけない。
責任を負わせる相手は、イグドゥラシャ国の王女なんて地位に居座った、あの盗人にこそあるのに。
「んー、そろそろアリーの元母親が、あの陣を発動させる?」
「……イグドゥラシャ国の王太子とアドライド国の王は?」
「んー、イグドゥラシャ国の方は間に合いそう。
アリーの元父親は……静観?
今世は何もしない方を選んだ?」
メシュの言う通りとはいえ、元母親に、元父親か…………不愉快でしかない。
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