永遠にお慕い申し上げます

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赤札

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俗に言う赤札
それがついに私の家にも来た。

「あなた」

「なんだ?」

「これ、、、」

「あぁ。」

朝に新聞を眺めていたあなた。朝のいつもの習慣のはずだった。
覚悟なら少しは出来ていたはずだった。次々と職場から元気な男の人は連れていかれていた。少し体の悪いこの人はまだ長く居た方だと思う。
それでもやっぱり来ないとでも思っていたのかもしれない。

「わしの番か」

「えぇ」

内心すごく動揺していた。朝ごはんの仕上げで手を切るぐらいには。

「何日後なんですか?」

「1週間後」

「今日は休まれますか?」

「いや、行ってくる」

あなたは、だろうと、思いました。

「行ってらっしゃい。」

少し、怖かった。今日にでも行ってくると言われそうで。私に気にもかけない姿。そういう所があなたらしい

恋愛結婚なんかじゃない。紹介された時上手く過ごせるのかなと気難しそうな方だと思った。
それでも長年傍にいると情というものは沸いてくるもので、

「あら、やっと来たのね!良かったじゃない」

「えぇ、これでお国のため、働くことが出来ます」

「あなたの家は子供もいませんものね」

「えぇ、あはは」

時間の流れというものは永く感じたい時ほど短く感じるもので、、、

「それでは行ってくる」

「はい。行ってらっしゃい」

堅物なあなたと内気な私の最後の言葉はこれで終わった。大切なものを詰め込んだバックを渡そうとする。

「あっちに着いたら電報を送る」

手が震えたのにあなたはきっと気づきませんように。

あなたを乗せた車が空に吸い込まれるまでずっとずっと手を振り続けた。

「天皇様万歳」
「天皇様万歳」
「天皇様万歳」
「天皇様万歳」

頭に痛いほどその言葉と共に刻みつけられたその風景は今もずっと私と共にある
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